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The Beautiful Mind

「慮る」「もてなす」など美しき(日本の)心が生み出す、
長い間に培われたすばらしい文化への探求リポート。

Luminous Jewels 本阿弥光悦と俵屋宗達

2009年09月10日 19時15分20秒 | 客人・Mからのたより
管理人と同じく日本の文化、美しさに魅せられた友人Makiです。

日本の文化、美しさ、自然、優しさにはいつも感動しており、少しでも皆さんとシェアできたら嬉しいと思っています。
自分の生まれた国、文化を愛し、胸を張って話ができる自立したコスモポリタンを目指して日々努力? 楽しんでいます。

ほんとに日本って素晴らしいな~ もちろんいろんな問題も抱えていますが、良いところを見つけて知ることがまず大事だと考えています。たぶん海外で生活した経験のある人は大体感じるのではにないことではないでしょうか。「日本っていいところだな~」と思うのに、自分がよく知らない、説明できないってことありますよね。そういう時にこのブログで知識をシェアできたら嬉しいです。





先日、サントリー美術館で開催されていたシアトル美術館所蔵の日本・東洋美術名品展に行ってきました。残念ながらもう終わってしまい、私もぎりぎりだったのですが、なんとか間に合いました。

名付けて「美しきアジアの玉手箱 Luminous Jewels」となっていましたが、ほとんどが日本のものでした。

縄文時代の土器から始まり、蒔絵、仏像や書画、焼き物に北斎の浮世絵までありました。
シアトル美術館にある選りすぐりの名品が一挙に国外で公開されたのは初めてのことらしいのですが、圧巻は(というより私の好みかもしれませんが)桃山時代に書かれた本阿弥光悦の書と俵屋宗達の絵によるコラボ、「鹿下絵和歌巻」。

光悦といえば、桃山時代の芸術家集団を率いた巨匠、書はもちろん、絵や茶碗を作ったり、淋派を率いた芸術家でもあります。なので、宗達とのコラボが実現したのだと思いますが、この絵は長大な1巻の巻物だったのもが、半分に分けられ、前半部分は切り取られ分散してしまったのが、後半部分は丸々シアトル美術館に収蔵されていたものでした。

これを一挙に見ることができたのですが、30メートルぐらいあったでしょうか。

秋にちなんだ和歌を光悦がしたため、下絵の鹿を宗達が書いたもの。

とにかく素晴らしいものでした。

書を解するのは難しいのですが、その感覚というのか、鹿の絵とマッチしていて秋を表すしっとりしたもの。言葉にするのがほんとに大変ですが感動しました。

以前に国立美術館で見た、同様の彼らのコラボ、鶴の下絵のものも素敵でしたが。

今回は切り取られた前半部分の絵もいくつか見ることができたことはラッキーでした。


こういう繊細な感覚の書画を見ると、その後に見た中国の書と比べると違うなと肯いてしまいます。字そのものは迫力があったり繊細だったりいろんな字があるのですが、すべてが均一に並んでいるというのでしょうか。

やはり柔らかくて、変化に富む感覚というのは日本の文化の一つだと納得せざるを得ません。

細かくて技巧的に優れているものはたくさんあるのですが、そういう技法が大陸から入ってきたときに、自分なりに工夫して我が物としてしまう、flexibility 柔軟性は日本人ならではものと改めて感じた絵でした。


先人を見習い、自分もそうでありたい、この感覚を持っていたいとも強く感じた絵でした。


本阿弥光悦

Wikipediaより