1 生涯過程の各発達段階
1)胎児期
・DOHaD仮説(成人健康・疾病胎児起源説)より
・栄養状態やホルモンバランスなど、胎内における生化学的環境の質が
胎児の発生プロセスに影響し、
それが出生後から成人期に至るまでの個人の心身の発達に
長期的に作用し続けるということが明らかにされつつある。
・胎内環境の質は
妊婦の生活習慣や心理状態によっても大きく左右される。
・この時期の課題・・いかに健全な心身発達の準備状態を作り得るか。
2) エリクソンのライフサイクル論
・人生を8つの段階に区分し、
それぞれにおける発達課題(心理社会的危機)を仮定。
①乳児期
・授乳をはじめ、養育者から世話を受ける中で、
自他への基本的信頼感を形成する時期。
・アタッチメントを通して、自己と社会性発達の土台を形成する時期。
②幼児期前期
・排泄などの身辺自立の必要に迫られる中、自立性の感覚を身に着ける時期。
・自己意識、自己評価などが生じ始める時期でもある。
③幼児期後期
・言語や認知機能の発達が著しく進む中、
他者と協調しつつ、好奇心に従っていかに外界を探索できるか、
そこでの積極性が課題となる。
・心の理論など、自他に関する心的理解の発達が本格化する時期。
④児童期
・心身の発達が一旦安定する中、
学業など社会的に価値づけされたものに、
いかに高い動機付けをもって取り組み得るか、
そこでの勤勉性が課題となる。
・周囲からの社会的承認に敏感になる時期。
⑤思春期・青年期
・積極的な役割実験を行う中で、自己同一性をいかに確立し得るか、
ライフコースに関わる自己決定を、いかに首尾よくなし得るか、
が課題となる。
⑥成人期前期
・自己同一性を基盤として、
いかに異性との間に成熟した信頼関係を築き得るか、
そこでの親密性が課題。
⑦成人期後期
・自分の子ども、あるいは自身よりも年下の世代をいかに育み得るか、
そこでの生成継承性(世代性)が課題となる。
⑧老年期
・自身の人生を正負両面合わせて、いかに整合的に振り返り得るか、
そこでの自我統合が課題となる。
参考記事 こちら → 「発達過程と発達課題 1」
(カテゴリー「学習ノート」の記事)
2 生涯発達
〇能力の変化
*流動性知能
・新しく接する情報の処理や、情報の円滑な操作の能力。
・20歳をピークに低下し始める。
*結晶性知能
・経験の蓄積や豊な知識。
・成人期を通じて上昇し、高齢期に至っても低下しない。
・日常的な問題に様々な視点を考慮しながら対処する「英知」は、
成人期に成長する知的側面の代表。
*レミニセンス・バンプ
・エピソード記憶の自伝的記憶に関して、
10代から20代に経験した出来事を想起しやすい現象。
・高齢期に見られる。
*選択的最適化(SOC)
・加齢とともに避けがたい能力低下へ、補償を伴う対処。
・有限な時間や労力に資源を投入する領域を選び(選択的)、
そこに資源を投入して、パフォーマンスを維持・向上(最適化)
・他者からの能力や自らの工夫などの代替的な方略を駆使して、
能力の低下を補う。
〇成人期の人格特性
・平均値の安定性・・加齢とともに一部の特性に変化が見られる。
・順序の安定性・・総じて変化、
集団内での相対的な位置が変わりにくい。
〇高齢期の社会生活の変化
*エイジングパラドックス
・高齢期には、定年退職、家族・知人との離・死別といった
社会的環境の変化喉の喪失を複合的に経験するにもかかわらず、
高齢期の幸福感が、他の発達期に比べて、低くない。
・エイジングパラドックスの背景に、SOC理論の他、
高齢者が肯定的な情動体験を維持するために、
否定的な情報よりも肯定的な情報を選好するという、
選択的社会情緒理論が提起されている。
・高齢者の社会生活の変化に関しては、
個人内の対処のほか、対人関係においても配慮。
*コンボイ(護送船団)
・親しさや役割の高さに基づいて、同心円状に層構造。
・互いにサポートをやりと入りする社会関係の全体像。
*サクセスフル・エイジング(幸福な老い 幸せな老後)
・高齢期以前の社会生活や活動からの撤退による。(離脱論)
・高齢期以前の社会生活や活動性の維持による。(活動理論)
・高齢期以前からの自己概念や信念等の個々の内的構造、
役割や社会生活等の外的構造を、維持することによる。(持続理論)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『お年寄りも、いろいろなんだ』
そうですね。
健康で、生き生き生きたいね。
マリンちゃんもね。
(本年 6月中旬 夜 撮影)
1)胎児期
・DOHaD仮説(成人健康・疾病胎児起源説)より
・栄養状態やホルモンバランスなど、胎内における生化学的環境の質が
胎児の発生プロセスに影響し、
それが出生後から成人期に至るまでの個人の心身の発達に
長期的に作用し続けるということが明らかにされつつある。
・胎内環境の質は
妊婦の生活習慣や心理状態によっても大きく左右される。
・この時期の課題・・いかに健全な心身発達の準備状態を作り得るか。
2) エリクソンのライフサイクル論
・人生を8つの段階に区分し、
それぞれにおける発達課題(心理社会的危機)を仮定。
①乳児期
・授乳をはじめ、養育者から世話を受ける中で、
自他への基本的信頼感を形成する時期。
・アタッチメントを通して、自己と社会性発達の土台を形成する時期。
②幼児期前期
・排泄などの身辺自立の必要に迫られる中、自立性の感覚を身に着ける時期。
・自己意識、自己評価などが生じ始める時期でもある。
③幼児期後期
・言語や認知機能の発達が著しく進む中、
他者と協調しつつ、好奇心に従っていかに外界を探索できるか、
そこでの積極性が課題となる。
・心の理論など、自他に関する心的理解の発達が本格化する時期。
④児童期
・心身の発達が一旦安定する中、
学業など社会的に価値づけされたものに、
いかに高い動機付けをもって取り組み得るか、
そこでの勤勉性が課題となる。
・周囲からの社会的承認に敏感になる時期。
⑤思春期・青年期
・積極的な役割実験を行う中で、自己同一性をいかに確立し得るか、
ライフコースに関わる自己決定を、いかに首尾よくなし得るか、
が課題となる。
⑥成人期前期
・自己同一性を基盤として、
いかに異性との間に成熟した信頼関係を築き得るか、
そこでの親密性が課題。
⑦成人期後期
・自分の子ども、あるいは自身よりも年下の世代をいかに育み得るか、
そこでの生成継承性(世代性)が課題となる。
⑧老年期
・自身の人生を正負両面合わせて、いかに整合的に振り返り得るか、
そこでの自我統合が課題となる。
参考記事 こちら → 「発達過程と発達課題 1」
(カテゴリー「学習ノート」の記事)
2 生涯発達
〇能力の変化
*流動性知能
・新しく接する情報の処理や、情報の円滑な操作の能力。
・20歳をピークに低下し始める。
*結晶性知能
・経験の蓄積や豊な知識。
・成人期を通じて上昇し、高齢期に至っても低下しない。
・日常的な問題に様々な視点を考慮しながら対処する「英知」は、
成人期に成長する知的側面の代表。
*レミニセンス・バンプ
・エピソード記憶の自伝的記憶に関して、
10代から20代に経験した出来事を想起しやすい現象。
・高齢期に見られる。
*選択的最適化(SOC)
・加齢とともに避けがたい能力低下へ、補償を伴う対処。
・有限な時間や労力に資源を投入する領域を選び(選択的)、
そこに資源を投入して、パフォーマンスを維持・向上(最適化)
・他者からの能力や自らの工夫などの代替的な方略を駆使して、
能力の低下を補う。
〇成人期の人格特性
・平均値の安定性・・加齢とともに一部の特性に変化が見られる。
・順序の安定性・・総じて変化、
集団内での相対的な位置が変わりにくい。
〇高齢期の社会生活の変化
*エイジングパラドックス
・高齢期には、定年退職、家族・知人との離・死別といった
社会的環境の変化喉の喪失を複合的に経験するにもかかわらず、
高齢期の幸福感が、他の発達期に比べて、低くない。
・エイジングパラドックスの背景に、SOC理論の他、
高齢者が肯定的な情動体験を維持するために、
否定的な情報よりも肯定的な情報を選好するという、
選択的社会情緒理論が提起されている。
・高齢者の社会生活の変化に関しては、
個人内の対処のほか、対人関係においても配慮。
*コンボイ(護送船団)
・親しさや役割の高さに基づいて、同心円状に層構造。
・互いにサポートをやりと入りする社会関係の全体像。
*サクセスフル・エイジング(幸福な老い 幸せな老後)
・高齢期以前の社会生活や活動からの撤退による。(離脱論)
・高齢期以前の社会生活や活動性の維持による。(活動理論)
・高齢期以前からの自己概念や信念等の個々の内的構造、
役割や社会生活等の外的構造を、維持することによる。(持続理論)
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『お年寄りも、いろいろなんだ』
そうですね。
健康で、生き生き生きたいね。
マリンちゃんもね。
(本年 6月中旬 夜 撮影)
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