「木曜チェロ」
雨になるかと怖れていたが、最後まで降らなかった。チェロ二台持って、傘さして6ブロック行くのは結構ハード。タクシーは近すぎて嫌がられる。(そういう時は黒人の運ちゃんに限る。彼等は楽器を持った人間が好きだ)
道子は最初EMF先生を好きではなかった。たぶん自分を不合格にした恨みがあったと思う。しかしボウハンドがよくなると、音もよくなる。自分をよくしてくれる人を好きにならずにはいられない。これで来年、道子もEMF組に入れたら最高だ。EMF先生はチェロも学生も大好きなかたであった。土曜六時のチェロクラスが生きがいといっても過言ではない。単にEMF先生を囲んでクラスの親睦かと思っていたら、そうでなかった。そこでミニコンサートが開かれることがわかった。感激している。さすがチェロマニア(EMF先生の夏の講座名)である。今度の土曜に、そのチェロクラスのみんなの前で、バッハの三番アラマンデを「弾いてみる?」と町子が誘われた。デビューである。すごくナーバスだが、エキサイトもしている。これで、あの眉毛のお兄ちゃん達の仲間に入れてもらえる。しかも、昨日のレッスンではビバルディも聞いてくださり、「そのうちデュオもクラスで弾かせてあげようね」と言ってくださった。道子もあそこで弾けるのだ。なんというチャンス。
「TEA里帰り」
猫病院へTEAを連れて行く。たまたまお母さん猫も手術で帰ってるらしいが、親子の対面はなし。へたに会わないほうがいい。だってTEAをキャリーに入れて家を出るとき、リンデンもメープルも寄ってきて、メープルなどは私の腕に手をかけて、何すんの? どこつれてくの? みたいに見るし、鳴くし、リンデンはうろうろするし、本当に大切な家族と別れるような騒ぎだったのだ。いまさら生みの親でもないし。母猫は、授乳の苦労が終わってせいせいするわ、すぐ次の発情が始まるわで、寂しがるどころじゃなかったらしい。院長先生はおられず、女性ドクターとHロミさんがTEAの成長ぶりにびっくりする。リンデンとメープルがTEAをすぐに受け入れた話を日本語ですると、Hロミさんが大声で病院中に、「彼らは大成功だって! もうすっかり仲間仲間」と報告しておられた。女性ドクターはTEAが注射器を怖がらず、匂いを嗅いだり、ころがしておもちゃにしたりするのを見て、「そうそう、この子最初からこうだった。すごい好奇心。私を覚えてる? あなたに最初に注射したのが私よ」と話しかけて、再会を喜んでおられた。どこもかも健康。順調な発育。注射の間、TEAはきょとんとしていた。
「合コン、ていうか」
欧介がフゾクのNY会へ行って来た。前回初めて参加して思いのほか楽しかったので、また行くことにしたのである。今回女性はいなかったが、ある先輩とまたまた意気投合、二次会まで行って十二時まわってから帰ってきた(らしい)。結局そのかたと欧介は、小・中・高・大・院まで全部同じ学校だとわかった。気が合うはずだ。EMBAまで同じとはびっくり。
”フゾクの卒業生は個性があります” By新島先生。