大宮西口に開館した櫻盛閣とその後

2015年02月24日ブログで私はハンサム銀座理容美容専修学校を見た。
この場所は昭和９年大宮商工並ニ名勝案内地図の赤丸の場所だという。右から「櫻盛閣」と書いてある。
平成21年さいたま市立博物館発行『街にキネマがあったころ』によれば、昭和６年準公会堂的な性格をもって開館した。昭和10年代に改装し、「桜盛館」という映画館になった。掲載写真。

平成11年に発行された郷土誌『桜木のあゆみ』によれば、桜盛館はその後戦争末期の昭和19年、中島飛行機製作所から発注される部品を造る軍需工場となった。そして終戦後、桜盛館は内部を改装し、占領軍専用のキャバレー「ギルダ」となったが、短期間で営業を停止した。その後、アパートに改装されたが、突然の火事を機に建物は取り壊された。昭和50年９月、松栄建設第二ビルが建設されて現在に至る、とある。
平成３～４年と思われるタウンマップを見ると、ハンサム銀座理容美容専修学校のビルが松栄第二ビルである。

2004年に発行された『ＮＨＫさいたま放送局 開局60周年』(非売品)には、昭和40年代、手狭になった浦和放送局から分離して大宮市に営業所を開設する話が進んでおり、ＮＨＫ旧局舎を建設した松栄建設が大宮西口に「松栄第二ビル」を建設したのが目にとまり、このビルへの入居が決まったようです、との記述がある。
掲載写真のピルとこのビルは同じだと思う。袖看板の位置が入居の階を反映したものであれば、ＮＨＫ大宮営業所は３階にあったのだが・・・。

昭和21年３月の空中写真を見る。
『桜木のあゆみ』に掲載の昭和15年頃の略図と照らすと桜盛館の位置はここ(黄)である。空中写真の時期はキャバレーかアパートだと思う。
交差点の赤丸は交番で、西武大宮線は交番の南側(白)を走っていたようである。