おしよほブログ

主におしよほまとめブログになります。

2021/06/23 教えて予報士さん 【テーマ:地象】

2021-06-23 22:05:23 | おしよほ

①地震と火山活動の関係性は?

あります.
地震が起きたからといって火山が噴火するわけではないが,火山の噴火に当たっては地震はつきもの.
マグマが上がってくるに当たって岩盤を押しのけたりすることもある.
三宅島・小山=さらさら溶岩:マグマが上がってきやすい.火山性地震は少ない
有珠山=ねばねば溶岩:マグマは上がってきにくい.地震は起きやすい
→2000年3月では震度4ー5弱が多発した.

1707年10月宝永地震(南海トラフ大地震)が起きた49日後富士山が噴火した(宝永大噴火)
これは富士山のマグマだまりになんらかの影響を与えたと考えられている.

2011年東北地方太平洋沖地震によって東北北海道の火山活動が活発化すると見られたが現段階でその兆候は見られていない.

火山の近くで大地震が起きれば影響を及ぼすことがあるかもしれない.

トカラ列島の地震も火山活動に関連していると考えられている.
ここには活火山が複数あるが,火山活動に関連する地震はごくごく浅い地震の場合である.
群発地震も繰り返し起きているが,この場合は震源が深いのでこれとは異なる.

②モホロビチッチ不連続面とは?

略してモホ面.
地球内部はいくつかの層に分かれている.
「地殻→マントル→外殻内殻」となっているが
これは地殻とマントルの境界層のことであり,この面で地震波の速度が変わる.
元々は地殻とマントルの区別はなかったためこう呼ばれていた.

地震波を読み取った時,地球内部が一様であった場合の値と実際に観測した値がズレているため,
地球内部の構造が一律ではなく多様性に富んでいるのではとわかった.

外殻は金属の液体ではないかとされている.
これは縦揺れは伝わるが横揺れは伝わる性質のため(水は押すと伝わるが横に揺らしても伝わらない)

地球の下10kmのことは誰も知らない.


2021/06/16 教えて予報士さん 【テーマ:地象】

2021-06-16 22:10:16 | おしよほ

①なぜ熊本地震から本震と余震の区別がなくなったの?

余震という言葉は地象学の言葉ではあるが,気象庁などの説明では使わなくなってきている.
4/14 21:26 M6.5
4/16 01:25 M7.3
上記2回の地震の最大震度は双方7だったが,地震のエネルギーはだいぶん差がある.

14日の時点で余震確率(今後数日に起きる余震の確率)を出したが,それを上回る地震が起きてしまった.
→これは被害を拡大させる方向に働いたとして,これ以降余震確率の発表はしないようになった.

今後1週間で同程度の地震が起きる確率といったものを出している.

2003年宮城県地震や1968年えびの地震,2004年三重県南東沖地震など1回目の地震よりも規模が大きくなる地震は発生している.

②地球以外でも地震はあるのか?

あります.
例えば月でも地震が起きる=月震(げっしん)
アポロ計画で月に地震計が設置された.

マントルの対流活動がプレートを動かすことが地震の原動力となっているが,月にはこれがない.
→月は太陽が当たる面はとても熱く,当たらない面はとても寒いので,膨張する面と収縮する面ができ,これの変化によって月震が起きる説がある.震源の真上にいれば体感として感じられる可能性がある.

月震の頻度は地震に比べて低いため,データもなかなか集まらない.


2021/06/09 教えて予報士さん 【テーマ:地象】

2021-06-09 21:32:54 | おしよほ

①津波のメカニズムが知りたいです

海底を震源とする地震で起きるが,海底のずれかたの違いが一番大きな要因
→正断層・逆断層(片方の断層がずり下がる・ずり上がる)の場合が多い.

また,深さも関係しており,上下のずれが海底に生じた時に発生する.
→浅い地震の時はズレが表面に生じるが,深い地震の時は途中で吸収されて海底の表面にずれが生じないため津波は生じにくい.

直近10年間の平均で言うと,M6.8震源の深さが26kmで津波が発生する(東北地方太平洋沖地震は特異なので除く)
M5クラスでも地震が起きたことがあり,これは海底の火山が海底を押し上げて海面の変化を生じた場合である.(噴火まではいかない)
→これは鳥島近海で過去何回も起きてきている.

②マグニチュードとモーメントマグニチュードの違いは?

そもそもマグニチュードはたくさんある.
いわゆるマグニチュードは気象庁マグニチュードと呼ばれるもの.
3.11以降にモーメントマグニチュードが使われるようになってきた.

気象庁マグニチュードとは,地震の周期を基にして揺れ幅(偏位)がどれだけかを表したもの.
モーメントマグニチュードとは,地震そのもののエネルギー
=岩盤が壊れた面積×岩盤の滑り量×岩盤の剛性率(硬さ)
のことである.

地震のエネルギーはモーメントマグニチュードの方が正確だが計算に時間がかかり,2-3分で津波が来る場合などは計算が間に合わない.
そのため,地震波形を基に即計算できる気象庁マグニチュードが運用されている.

気象庁マグニチュードは建物の被害を見る場合に有効である.
1995年1月の兵庫県南部地震では,
気象庁マグニチュードはM7.3だが,モーメントマグニチュードはM6.9と差が出たりする.
逆に2011年3月の東北地方太平洋沖地震では
気象庁マグニチュードM8.2(一時M7.9)
モーメントマグニチュードM9.0となり,津波警報を正確に出せないなどの課題があった.
USGSのサイトでは地震発生の20-30分後に世界の地震のモーメントマグニチュードを公表している.

③ぐっさんの思う最近気になる地震は?

本日未明の関東東方沖の地震M5.0深さ10km
M5.0とそこそこ大きく震源が浅いのが気になる.
プレート境界で起きる大きく浅い地震は気になる.
3.11の時も2月の半ばからプレート境界でのM5クラスの地震が起き始めていた.

最初のマグニチュード-1が最大余震であるが,これを大幅に上回る地震が起きていると注意.
また,震源の位置が動いていく時は,岩盤の破壊が周囲に波及して行っている可能性があるため,大地震につながる可能性がある.

震源が深い地震はまず無視.M3クラスでも浅い(20-30kmより浅い場合・ごく浅いなど)地震は気になる.
震度の大小では地震そのものの持つ意味は判断できない.
最初から大きな本震が来る場合は予知は不可能であるが,こういった地震には注意が必要.

④首都直下型地震の起きる確率は?

向こう30年間で70%の確率で起きるのではないかと言われているが,
首都直下型地震という地震の定義(どこからどこまで)がそもそも曖昧である.
都県を跨いで起きる地震を総合して出しているが,具体的にどこかはわからない.

インパクトのある表現であるため,早めの段階で防災減災の意識を持ってもらうことが大事.
3つのプレートの重なる場所に首都があるのは世界で日本だけである.


2021/06/02 教えて予報士さん 【テーマ:地象】

2021-06-02 22:09:52 | おしよほ

①大きな地震が起きた場合,いつまで中に留まるべき?

最近の建物は建物が倒壊することはまずない.
2001年芸予地震で愛媛県で外に出た際にベランダが崩れて下敷き
2005年福岡県西方沖地震ビルの窓ガラスが一斉に割れて地面に落下した
→慌てて逃げ出すと重大な怪我を負う可能性がある.

そもそも本当に家が倒壊する揺れになった場合は外に逃げれない.

スーパーなどで揺れに襲われた場合は,身の危険を感じやすいが家にいる時と対処は同じ.
本棚の本の下敷きになって亡くなるケースはあるため,本屋で本が崩れてくる恐れはあるのでそこから離れることは大事.
ただ外には出ないほうがいい.
酒屋の酒が落ちてくる場合があるが,顔より下の場合が多いので焦らず避難して欲しい.

②日本で地震が起きにくい場所は?

起きにくい場所はあるが,起きないわけではない.
日本付近で最も地震を起こすプレートは太平洋プレート(10cm/1年間)
関東から北の太平洋側は日本で最も地震が多いエリアと言える.(50-70回/1年)
逆に起きにくい場所は西日本の日本海側や北海道の道北エリアは地震は少ない(1-2回/1年の場合もある)

ただ地震が少ないからといって地震が起きないわけではない.
2000年鳥取県西部地震
1997年山口県
2018年北海道胆振東部地震
1995年北海道留萌

地球で起きる地震の1割は日本付近で起きているレベル.
地震が起きにくいエリアでもマグニチュードが大きく震源が浅い地震には注意する.

逆に最近地震が(起きるはずが)起きていない地方もある.
十勝沖〜北海道東方沖はM8前後の地震が起きてきた
2008年・1994年・1973年・1952年
最近ここで地震が起きていないのは気になる(近々活発化する恐れも)
震源が浅い地震だと津波も発生するため合わせて注意が必要.

ここでM8クラスの地震が起きると,
釧路・根室:震度6クラス
揺れは東北から関東に伝わりやすく,揺れる時間が長くなる(2-3分)
被害は北海道東方沖が大きくなる.

地震の発生には波がある.(今年に入ってM6クラスの地震は2/13,3/20,5/1)
今は収まっているが,1-2ヶ月経つとまた繰り返す場合もある.


2021/06/01 教えて予報士さん 【テーマ:気象】

2021-06-01 22:04:19 | おしよほ

①カシマ市付近の雨雲レーダーが表示されないのはなぜ?

雨雲レーダーの電波は低い角度から高い角度まで変化させて発射させている.
電波の発射方向に高い建物があり,角度が低いと電波が引っかかってしまい雨雲として表示されない.

映らないエリアについては他のレーダーと組み合わせるなどして解析している.

②北海道の道東が氷点下を記録したのはなぜ?

放射冷却.
朝方晴れていて空気が乾燥し,風も弱かった.
冬のイメージがあるが,年中起きている.
雲があると地球からの赤外放射が吸収されて気温は下がりにくい.

③梅雨前線を刺激して・・・とはどう言う意味?

台風などの熱帯低気圧が梅雨前線の南側に位置するなどして,梅雨前線に暖かく湿った空気が送り込まれる状況をいう.
これにより梅雨前線の活動が活発化する.
2004年新潟・福島豪雨では,梅雨前線が強まって北陸に停滞した所に,熱帯低気圧から送り込まれた水蒸気が前線を刺激した.

温かい空気と冷たい空気の境目が前線であるが,ここに冷たい空気が入ってくると大気の状態が不安定になりやすく,短時間に局地的に激しく降ることが多い.
逆に水蒸気が送り込まれるパターンだと雨が長時間降り続くことが多い.