ケイト、ドール、フランソワの三人が辿り着いた所は、
ヴェスターとライガが侵入したスラムの奥地。
入口付近は建物の倒壊や人同士が争った形跡が見受けられる。
二人があれだけ派手に暴れたのだから当然のこと。
それでもケイトたちの表情に驚きの色は無い。
父さんも相変わらずのデストロイヤーよね。
一緒にいるライガって人に迷惑かけてないかしら。
正体不明の地に乗り込む父さんを心配している・・・とは言い難い。
心配の方向性が明らかにズレていた。
「お姉様、斥候はお任せ下さい。」
フランソワの足元からシュルリと金色の蛇が現れ、
入口付近は建物の倒壊や人同士が争った形跡が見受けられる。
二人があれだけ派手に暴れたのだから当然のこと。
それでもケイトたちの表情に驚きの色は無い。
父さんも相変わらずのデストロイヤーよね。
一緒にいるライガって人に迷惑かけてないかしら。
正体不明の地に乗り込む父さんを心配している・・・とは言い難い。
心配の方向性が明らかにズレていた。
「お姉様、斥候はお任せ下さい。」
フランソワの足元からシュルリと金色の蛇が現れ、
先に地下へと入っていく。
続いてフランソワが先頭に立った。
次にケイト、殿をドールが歩く。
しばらく歩いていくと、長い下り階段が見えた。
錆び付いているが、金属製の階段に太い手すり、間違いない。
「稼働式階段・・・。」
「え、お姉様、今なんて?」
「・・・城下町の北東門を出て少し歩いた先にある廃墟レイ=ス。
その中心にあるオベリスクって巨大遺跡の中に、
続いてフランソワが先頭に立った。
次にケイト、殿をドールが歩く。
しばらく歩いていくと、長い下り階段が見えた。
錆び付いているが、金属製の階段に太い手すり、間違いない。
「稼働式階段・・・。」
「え、お姉様、今なんて?」
「・・・城下町の北東門を出て少し歩いた先にある廃墟レイ=ス。
その中心にあるオベリスクって巨大遺跡の中に、
これと同じ階段があったわ。
遺跡では動いていたけど、ここのは錆び付いて動かないみたいね。」
廃墟レイ=ス。
凶悪な魔物がどこからともなく湧いて出ると言われている、
遺跡では動いていたけど、ここのは錆び付いて動かないみたいね。」
廃墟レイ=ス。
凶悪な魔物がどこからともなく湧いて出ると言われている、
史上最悪の遺跡群。
上級冒険者でも全滅が有り得る超危険地帯だが、
上級冒険者でも全滅が有り得る超危険地帯だが、
希少金貨など価値の高い物が数多く見つかっており、
一攫千金目当てに挑む冒険者も少なくない。
ケイトは昔、師ポーラの依頼で廃墟の調査団に合同した事があり、
ケイトは昔、師ポーラの依頼で廃墟の調査団に合同した事があり、
その時に同じ階段を見たのだという。
「古の遺産がこんなスラムにも・・・?」
フランソワは驚いているが、見慣れていたケイトはそれほどでもない。
ドールに至っては無感情のまま。
「動けば降りるの楽なんだけどね。
動かないんじゃ仕方ないか。
ゆっくり降りていきましょ。」
「はい。」
金色の蛇の姿は見えない。
かなり先行しているようだ。
それは即ち安全に降りられる事を意味している。
数体の遺体が転がっていたけど、父さんの剣戟じゃないわね。
巨大な打撃系の武器みたい。
ライガが今も僧侶の装備をしているなら、
「古の遺産がこんなスラムにも・・・?」
フランソワは驚いているが、見慣れていたケイトはそれほどでもない。
ドールに至っては無感情のまま。
「動けば降りるの楽なんだけどね。
動かないんじゃ仕方ないか。
ゆっくり降りていきましょ。」
「はい。」
金色の蛇の姿は見えない。
かなり先行しているようだ。
それは即ち安全に降りられる事を意味している。
数体の遺体が転がっていたけど、父さんの剣戟じゃないわね。
巨大な打撃系の武器みたい。
ライガが今も僧侶の装備をしているなら、
フレイルかモーニングスターかしら。
とんでもない破壊力ね。
階段を降り切ると、蛇が待っていた。
目の前には「S11」と書かれた巨大な扉がある。
少し開けたままになっており、侵入は可能だ。
「ご苦労様。」
フランソワはそう言って使い魔の蛇を下がらせ、自身が中へと入る。
蛇は扉の前に残って監視役。
続けてケイトとドールが入った。
そこは何も物が無いガランとした大きな空洞のような部屋。
奥に扉が三つ見え、左側の扉のみ開いたままになっている。
「開いている扉が一箇所だけ・・・。
殺した奴から目的の扉を聞いたのかしらね。」
ドールがジッと開いている扉を見つめる。
「罠の可能性もあります。」
「罠なら面白いんだけどねー。
ま、いつも通りにいきますか。」
ケイトはそう言うと使い魔の黒猫フレイアを呼び出した。
「仕事よフレイア。
派手に暴れてきなさい。」
ニャーオ。
黒猫フレイアは一声鳴くと、開いている左側の扉に入っていった。
ケイトは、開かれた扉に何か描かれているのに気付く。
「獣の絵?」
獅子の頭と山羊の頭と龍の頭を有し、猛獣の身体に尾は毒蛇。
「これって典型的なキマイラ(合成魔獣)よねえ。
魔獣でも信仰しているのかしら。」
ケイトがブツブツ言っている中、フランソワが真ん中の扉を開けて確認。
「お姉様、この扉には虫が描かれています。
蜘蛛と蜂ですね。」
猛毒系の代表格か。
「右の扉は?」
こちらはドールが確認。
「人です。
おそらく女性の後ろ姿。
階段を上っている絵ですね。」
「なんか、暗号って感じじゃあなさそうね。
なんらかの意図は感じるけど、ちょっと分かんないなー。」
そう言いながらもケイトは一つ気付いていた。
遺跡のような場所なのに、絵だけは極端な古さを感じない。
いいところ数十年前だろう。
罠などではない、何かがある。
「フレイアから連絡がくるまで、残り二つの扉の奥を調べてしまいましょ。」
「はい。」
いよいよリディア失踪の核心に近付いてゆく。
たぶん。
とんでもない破壊力ね。
階段を降り切ると、蛇が待っていた。
目の前には「S11」と書かれた巨大な扉がある。
少し開けたままになっており、侵入は可能だ。
「ご苦労様。」
フランソワはそう言って使い魔の蛇を下がらせ、自身が中へと入る。
蛇は扉の前に残って監視役。
続けてケイトとドールが入った。
そこは何も物が無いガランとした大きな空洞のような部屋。
奥に扉が三つ見え、左側の扉のみ開いたままになっている。
「開いている扉が一箇所だけ・・・。
殺した奴から目的の扉を聞いたのかしらね。」
ドールがジッと開いている扉を見つめる。
「罠の可能性もあります。」
「罠なら面白いんだけどねー。
ま、いつも通りにいきますか。」
ケイトはそう言うと使い魔の黒猫フレイアを呼び出した。
「仕事よフレイア。
派手に暴れてきなさい。」
ニャーオ。
黒猫フレイアは一声鳴くと、開いている左側の扉に入っていった。
ケイトは、開かれた扉に何か描かれているのに気付く。
「獣の絵?」
獅子の頭と山羊の頭と龍の頭を有し、猛獣の身体に尾は毒蛇。
「これって典型的なキマイラ(合成魔獣)よねえ。
魔獣でも信仰しているのかしら。」
ケイトがブツブツ言っている中、フランソワが真ん中の扉を開けて確認。
「お姉様、この扉には虫が描かれています。
蜘蛛と蜂ですね。」
猛毒系の代表格か。
「右の扉は?」
こちらはドールが確認。
「人です。
おそらく女性の後ろ姿。
階段を上っている絵ですね。」
「なんか、暗号って感じじゃあなさそうね。
なんらかの意図は感じるけど、ちょっと分かんないなー。」
そう言いながらもケイトは一つ気付いていた。
遺跡のような場所なのに、絵だけは極端な古さを感じない。
いいところ数十年前だろう。
罠などではない、何かがある。
「フレイアから連絡がくるまで、残り二つの扉の奥を調べてしまいましょ。」
「はい。」
いよいよリディア失踪の核心に近付いてゆく。
たぶん。