◇巫女ら摘み取り
熊野本宮大社(田辺市本宮町)で18日、茶業の発展などを祈願する「新茶祭」が行われ、赤いたすきを身につけた巫女(みこ)らが鮮やかな緑色の新芽を摘み取った。
本宮町特産の「音無茶」は平安時代、熊野詣でに訪れた京の殿上人(高貴な立場の人)が茶の実を植えたのが始まりとされ、現在は約40戸の農家が約7ヘクタールで栽培している。
この日は、大社裏の茶畑(約10アール)で、巫女と大社敬神婦人会の計7人が4、5センチに育った新芽を丁寧に摘み取り、本宮町茶業生産組合員らが神前に供えた。同組合によると、今年は冬場の急激な冷え込みも見られず、茶葉は順調に育ち、品質も上々という。5月には一番茶が皇室に献上される予定。