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maffnaff living

世界のどこかでこっそり生きているマフナフのちょっぴり孤独で気ままな生活をご紹介します。

人生は洗濯もののように

2007年12月26日 | 日々徒然

12月に入ってから、考えてもいなかった事態が起きて慌しくしています。自分の人生が洗濯物のように右へ左へぐるぐる回っています。落ち着きようにも落ち着けません。このささやかなブログも年内の更新はこれが最後です。よいおとしをお迎えください。

鳥獣戯画展、今日までです

2007年12月16日 | 日々徒然


東京ミッドタウンにあるサントリー美術館で絶賛開催中だった特別展、「鳥獣戯画がやってきた!」が本日でフィナーレです。

展示入れ替えがあったので、前期に一回、そして昨日夜に再び足を運びました。大変な混みようであったことに加えて、ちょっと私生活が大変な局面を迎えつつあるので、悠長に絵画鑑賞などしていられないという精神状態もあって、見に行ったという事実を作ったに過ぎない、という感じになってしまいました。残念。

鳥獣戯画は大変ポピュラーですから誰もが知っているところのものですが、改めて観るとその面白さに驚かされます。軽やかな筆致で描かれたこっけいでユーモアあふれる世界、生き生きと描かれているキャラクター、日本の漫画やアニメーションの原点がここにあるという感じです。

美術なぞ興味が無い方でも十二分に楽しめるのではないでしょうか。と、いっても今日で終わってしまうのですけど。

http://www.suntory.co.jp/sma/


b: Dzumbus Funk  /  BOBAN MARKOVIC ORKESTAR



 


シネマ、キネマ、映画

2007年12月08日 | 日々徒然

ここ二三週間は精力的に映画鑑賞をしておりました。転職活動の一方、なにかインプットしなくてはという焦りが、結果として集中して映画を観るということになったのだと思います。

自分のための記録もかねて、以下、簡単なレビューです。

●「コーリャ 愛のプラハ」(1996チェコ)

  独身中年チェリスト、ロウカと5歳のコーリャの物語。ロウカの性格のおかげで、最後もあっさりとして、さわやかな感動が味わえる作品です。

●「君の涙ドナウに流れ ハンガリー1956」(2006ハンガリー)

  ハンガリー動乱の悲劇が迫力のある映像で描かれています。ブダペストに行ったことがある人は必見の映画です。感じ方が違うと思います。

●「いのちの食べかた」(2005ドイツ)

  私たちが日々口にしている食べ物が作られていく過程が、ひたすら淡々と描かれていきます。これは見ておいたほうが良いかもしれません。劇場は大変混みあっていて、私は立ち見でした。でも哀しいかな、腹は減ります。劇場を出てすぐ、さばの塩焼き定食を食べました。さばにささやかな感謝をささげて。

●「パプリカ」(2006日本)

  筒井康孝原作、今敏監督、マッドハウス制作のアニメーション。SF的なストーリー展開はやや好き嫌いがあるかもしれませんが、クオリティはすこぶる高いです。

●「麦の穂をゆらす風」(2006アイルランド・イギリス)

  カンヌでパルムドールを獲得したケン・ローチ監督作品。あまりに救いのないストーリーに、鑑賞後しばらくは空虚な気分でした。戦争が起こしうる悲劇が凝縮されている映画だと思います。

●「ソナチネ」(1993日本)

  恥ずかしながら、初めて北野武の作品を見ました。今まで食わず嫌いでした。不思議な「間」を持った映画でした。まだ、テレビのビートたけしのイメージが払拭できないのですが、他の作品も見てみたいと思います。

●「プラダを着た悪魔」(2006アメリカ)

  TSUTAYAで年間トップ10の棚を見回して借りてみました。シンプルにおもしろい作品でした。主人公の最後の区切りのつけ方は、ちょっとひどいんじゃないかと感じましたけど。メリル・ストリープの演技が圧巻です。

●「サラエボの花」(2006ボスニア・ヘルツェゴビナ)

  ボスニア紛争後のサラエボに生きる母子の物語。奥底に悲劇を内包した二人の生活が淡々と、丁寧に描かれています。救いがあって良かった。静かな感動をあたえてくれる作品です。岩波ホールには、ご年配の方が多くいらっしゃってました。

たまには集中的に映画鑑賞にふけるのも良いものです。


b: Tchiki Tchiki / Palya Beata

インプット、インプット 「君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956」

2007年11月26日 | 日々徒然

もう冬です。イラストをつけている時間がありませんが、少しずつブログを再開していこうと思っています。

転職活動でなかなか意識が集中できません。しかしなにもしないでいると不安に包まれがちになってしまいます。こんな時はひたすらインプットです。つとめて映画を観たりしています。

先日、転職の面接を受けたあと、なにか空虚な気持ちを抱えたまま、有楽町のイトシアへと向かい、シネカノンで「君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956」という映画を観てきました。

舞台となっているハンガリーの首都ブダペストは、私にとって思い出の地です。
二年前の冬、私はブダペストで9日間を過ごしました。ひたすら歩き回っていました。色々なものを見て、色々なことを思いました。ですからこの映画はどうしても観ておきたかったのです。

すばらしい映画でした。あれだけ迫力のある映像が、ブダペストで撮影されたことも驚きでした。市民や行政の全面的なバックアップがあったのだと思います。1956年のハンガリー動乱から50年の節目の年に、この映画がマジャール語で撮られた意義は私が思う以上に大きいのだと思います。

エンドロールの最中で、感極まってしまいました。哀しい結末、ブダペストの思い出、現在の不安定な自分の心境が入り混じって、泣かずにはいられませんでした。映画館であんなに涙を流したのは初めてのことでした。

v: 5000マイル / Rie fu

 


文豪・夏目漱石にふれて

2007年10月04日 | 日々徒然

江戸東京博物館で開催されている特別展「文豪・夏目漱石」に行ってきました。

夏目漱石は大好きな作家の一人です。少し前に千円札が漱石から野口英世に代わったときは、それはそれは悔しい思いをしたものです。

遅まきながら、ちょうど「明暗」を読んでいたところだったので、私にとってはとてもタイムリーな展覧会でした。

会場に入るとすぐに、等身大の漱石の人形が出迎えてくれます。そこで人物の写真や体格を分析して科学的に作り出されたモンタージュボイスが流れてきます。思ったより甲高く、かわいらしい声でした。
その後は年代順に自筆の原稿や日記、蔵書や絵画が展示されています。
繊細で神経質な性格がそのまま現れている細かくて丁寧な筆跡には驚きます。
当代一の知識人を形成した膨大な学習のあとを垣間見て、圧倒され、自分の学生時代の不勤勉ぶりを恥じ入りました。
漱石は多才な人で、謡はまずかったようですが、絵は非常に味わいがあって、自身でデザインした「心」の装丁にはすこぶる感心しました。
そして何よりも、その作品から強く親しみを感じていた作家の遺品が、百年の時を越えて自分の目の前に現出していることに感動しました。

個人的に深く感じ入るものがあって、すばらしい展覧会だったと満足しています。ひとつだけケチをつけますと、展示物を上からのぞき込むと、照明の具合で自分の影がもろに落ちて、大変見にくかったのには辟易しましたが。


b: Tamatant Tilay / Tinariwen