コッツウォルズになにを観に行ったかといいますと、主に茅葺き屋根の家を観に行ったのです。
古き良き時代の風景がそのまま残されているというだけあって、ハチミツ色のレンガの上に茅を葺いた屋根をのせた素敵な家(thatched house)がたくさん残っていました。レンガ造りの家だけでも充分に魅力的ですが、その上に茅葺き屋根がこんもりとしていると、味わいはさらに格別です。
私はそうした家を目にするたびに、とても興奮したものでした。
なによりもいいなと思ったことは、そうした家々に普通に人々が住み、美しく手入れがされていたことです。屋根を葺き替えているところも良く見かけました。新築の家の屋根を茅で葺いているところもありました。(写真の家はごくごく新しいものでした)
屋根の採光窓から往来をぼんやり眺めている人と目が合い、その人がにっこり笑って手を振ってくれたこともありました。
観光案内所のお兄さんは「茅葺き屋根の家なんてそこらじゅうにあるから別に珍しくはないよ」と言って、それを聞いた私は少しがっかりしたものです。でもよく考えてみれば、茅葺き屋根の家がごく普通にあるようなことこそが、コッツウォルズの真の魅力ではないかと思います。
r: Rumelaj / Besh o drom