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maffnaff living

世界のどこかでこっそり生きているマフナフのちょっぴり孤独で気ままな生活をご紹介します。

京都のおもひで その一

2007年03月13日 | 旅のおもひで

週末に祝い事で京都へ行ってきました。それならばと、一泊して南丹市美山町へと足を伸ばしました。

美山へ何をしに行ったかといいますと、かやぶき屋根を見にいったのです。

美山には多くのかやぶき屋根の民家が現存しています。中でも北村という五十戸の集落は三十八棟ものかやぶき建築が現存し、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。パンフレットによれば、一集落でのかやぶき建築数は岐阜県白川村萩町、福島県下郷町大内宿に次いで三番目に多いとのことです。(私はいずれも行った事があるので、まぁなかなかのかやぶき好きといってよいのかもしれません)

京都から電車で一時間、そこからバスで更に一時間のところですので、この際思い切って行っておこうと思ったわけです。

当日は大変寒く、雪がさあさあ舞っていました。でも私にとっては今年初めての雪でしたから、寒さに負けず元気一杯でした。

すぐ上空をとんびが「たっ、ぴゅーひゅるるる」となきながら、優雅に円をかいていました。
のどかな雰囲気です。

昼過ぎになって観光客の団体がやってくるまで、ひっそりとした集落を二時間ほどかけてゆっくりくまなく歩き回りました。

美山のかやぶき屋根はりりしい子供のようでした。棟の幅が屋根の高さに対して短いことで可愛らしい感じがして、屋根の上の棟飾りがりりしさを添えているように私には思えました。

そうしたかやぶきの民家がゆるい傾斜の地形に、川の流れに沿って整然と並んでいるので、遠くから見ても近くから見ても家並みが大変に美しいのです。

地元の方と少し話したり、北村かやぶきの里保存会の発行した冊子を読んだりする中で、地方が抱える問題や観光地化してしまったゆえのジレンマなど、色々と考えさせられたりもしましたが、何はともあれ以前から気になっていた美山のかやぶき民家を眼にできたことはとても嬉しいことでした。

ちなみに写真手前のものは屋根のふきかえに使うかやで、冬の間はこうやって乾燥させているのだそうです。


g: Csi Lav Tu / Mitsou & Ando Drom

ロンドンのおもひで ポートベローマーケット

2007年02月26日 | 旅のおもひで

ウェールズのおもひでは後回しにして、先にロンドンのおもひでです。

ロンドンは旅の終わりのおまけだったので、本当に駆け足で回りました。

土曜の朝に有名なPortobello Marketへと足を運びました。
宿泊していたパディントンからてくてく歩いてポートベローへと至ると、ちょうどこれから市が立ち始めるところでした。その内にそこら中からわんさか人がわいて来て、通りは人でにぎわい始めました。
混み合う前に見物を済ましてしまいたかったので、そそくさと通りを奥へと進みます。私は特に買い物をするわけでもなかったので、少し遠巻きに色々な店を眺めて回りました。

マーケットの喧騒が尽きかけた辺りでトイレに並んでいると(写真の右奥に見えるのが公衆トイレです)、前に並んでいた外国人が、振り向きざまに「日本人かい?」とたずねてきました。

私はちょっとびっくりして「ええ、そうです」と答えました。

今や海外旅行の主役は中国や韓国の人のように思われます。日本人よりよほど多く見かけました。だから西洋の人が、ただの一瞥で自分を日本人と見分けたことに驚いたのです。

その人は「もう長いことここに来ているけど、昔は本当に面白いものが見つかったりしたけど、今ではご覧のようにすっかり観光地化してしまったね」と少し残念そうに言っていました。

帰り道、ふと立ち寄ったハンコ屋さんで、私は二つほど古めかしい木製のハンコを買ってみましたが、ふと、(これがアジアか何処かの街工場で作られていたら笑ってしまうわいな)と思いました。

人の波に逆流して通りを引き返し、私はそそくさとポートベローマーケットをあとにしました。


v: inspiration(ilham) / souad massi

ウェールズのおもひで その二(炭鉱の男たち)

2007年02月19日 | 旅のおもひで

ウェールズに行ったら是非訪れてみたいと思っていたのがBlaenavonという街です。炭鉱の跡が保存されていて、世界遺産にも登録されています。

天空の城ラピュタでパズーがドーラに組して、フラップターでシータを奪回しに行く場面があります。あの時、凄い速さで通り過ぎて行く風景はまさにウェールズでした。低く緩やかな丘が連綿と続いているのです。

そうした丘をえっちらおっちら自転車をこいで登りました。(自転車だととてもしんどかったです)道の脇では放牧されている羊たちが、きょとんとして私を見ていました。ようやくピークに達し、目の前に開けたパノラマの中、丘の谷間にBlaenavonはありました。

BigPitという場所に行くと、地下100メートルの炭鉱跡をガイドさんがグループごとに案内してくれます。一時間くらいかけて、ひんやりとした炭鉱跡を歩きます。かつてここで男たちはもちろん、女子供までが過酷な労働をしていたと思うと複雑な心境になりました。

ガイドを務めてくれる人たちは元炭鉱労働者で、みんな底抜けに明るく、楽しそうに仕事をしていました。はたから見ているだけで彼らの間に強い絆が存在することが分かりました。彼らの姿が、とても強く印象に残っています。

言うまでもなく、彼らの姿はラピュタのスラッグ渓谷の男たちに何ら違和感なく重なり合わさりました。

ツアーやはもちろん、資料館も大変見ごたえがあって、ついつい長居をしてしまいました。見学はすべて無料でしたが、寄付をせずにはいられない満足感を得ることができました。

Blaenavonの空は、とても青かった。


余談ですが、私はいつもラジオを聴いています。周波数はいつも81.3、J-WAVEで変わりません。(特にこだわっているわけではないのですが)
その中のクリス智子さんの朝の番組「BOOM TOWN」が、今週はLONDONから生放送だそうです。
私も駆け足でしたが旅の終わりにロンドンを歩き回った思い出があるので、ちょっと楽しみにしています。


v: Fado Tordo / Mariza

ウェールズのおもひで その一

2007年02月12日 | 旅のおもひで

コッツウォルズを後にした私は、北の湖水地方へ足を伸ばしても良かったのですが、西のウェールズ地方へと向かいました。

スケジュールの関係でウェールズに入るときは電車を使用しましたが、向こうの車両は大型荷物や自転車用のスペースが確保されているので大変助かりました。

ウェールズを選んだのは、「天空の城ラピュタ」を創るにあたって宮崎駿がロケハンをした場所であるからです。間接的にでも、天空の城ラピュタの中の雰囲気を実際の風景の中に感じ取ることが出来るのではないかと期待したからです。

ウェールズ入りして一番驚いたのは、突然言葉が聞きとりにくくなったことです。

自転車で走っている途中、道路工事をしている大柄なお兄ちゃんに道を尋ねたのですが、答えがさっぱり聞き取れないのです。二度ほど聞きなおしてもわからなかったので、お礼を言ってその場を離れて、結局街の中で地図を見つけて道を確認しました。

その日の朝まで普通に聞こえていた英語が、突然わからなくなってしまったのでびっくりしてしまったわけです。

その後も英語では苦労しました。当然人によって程度の差はあるのですが、ウェールズの人の英語はなまりが強くて、標準英語しか耳にしていない私のような日本人には正確に聞き取るのが大変でした。

そういった苦労はありましたが、ウェールズの人は大変にフレンドリーでした。思い出にのこっている人たちがたくさんいます。

写真はラグラン城という丘の上の城跡ですが、役目を終えた石積みの城跡は見ていて不思議な迫力がありました。受付でタバコをすぱすぱふかしながらチケットを切ってくれたお姉さんが印象深かったです。


b: Coulibaly / Amadou&Mariam

コッツウォルズのおもひで その三

2007年02月05日 | 旅のおもひで

イギリスに旅をしたのは数年前の冬でしたが、日本から折りたたみ自転車を持っていって移動することにしました。コッツウォルズは移動手段が少なく、好きなように周るには自転車しかないと思ったのです。

日数が限られていたのでコッツウォルズの北側しか観ることが出来ませんでしたが、自転車のおかげでツアーでは周らない(であろう)小さな町やのどかな田園風景を楽しむことができました。

天気は猫の目のように変わりましたが、旅に出てしまえば雨だって嵐だって良いものです。冷たい雨に打たれながら60km位自転車をこいでへろへろになっても、旅独特の異様な高揚感が私を楽しませてくれました。

イギリスの冬は日が短く、完全なオフシーズンでしたから、出発前に綿密な計画を立てて、宿も事前に全て予約していきました。これは正解でした。冬は昼を過ぎればすぐに夕闇の足音が忍び寄ってくるという感じで、その日の宿が決まっていなかったらかなり焦っただろうと思います。

コッツウォルズを走り回った私は西のウェールズ地方へと向かいます。
というわけで次からはウェールズのおもひでへと続きます。


v: Scattered Leaves / The Be Good Tanyas