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Asato-log

 沖縄で生まれて大阪を経て、現在NYで子育てと踊りの毎日です。最近弁当も始めました。

Limon PSP showcase

2010年05月21日 | Review
 今月の頭になっちゃうのですが、LIMON PSP students showcaseへ行ってまいりました。
それは何かというと・・・リモンの学校で9ヶ月〔多分〕学んだ生徒たちが、その成果を発表する場です。

 いつも一緒にクラスを受けている子達が、9ヶ月の間にどんどん成長していくので個人的にはとても楽しみな舞台です。今回もみんな頑張ったなぁと親戚のお姉さん気分で観てきました。

 それにしても、たった短期間で良くぞここまでと感心します。というのも、ホセ・リモンの作品は音のとり方が難しいのです。群舞でそのリズムは、誰か一人がずれるとカノンのように果てしなくずれていき収拾のつかないことになるのでは・・とハラハラします

 実際にカンパニーの方々が踊っている場合でも、割り切れないあいまいなリズムが続くのでなんだか切なくなります、心をかき乱されるとでも言うのかな?

 年々、こういう古典的な作品を魅力的だと思うようになってきました。これこそ、動く芸術作品なのでしょうね。私もこういうのを創りたいっ

ねーさん

2009年07月06日 | Review
身長160cm弱で三頭身の奇妙な外見ながら、確かな技術と表現力で独特の世界観を魅せてくれます。
 
ぶっちゃけて言いますが結構オトコマエなのです、が、その分初対面のときは本当にびっくりします。さらにクラスを受けるとその質の高さとユニークさにさらにびっくりします!
 
 彼の特徴は「靴下」です、彼はクラスでも舞台でも靴下を履くことが絶対なのですが、そこには大きなこだわりがあって、ショウの時にはダンサーの動きの役割によって靴下の種類を変える(スライディング専用だとか回りやすいやつだとか・・)のです!!

 彼の作品は、まるで地面に縛り付けられているような低い重心での動きとマイムのような手の動き、その手の軌跡を目で追うことによって創られるドラマティックな振り付けの世界に観客は舞台と客席の間に透明な壁があるように錯覚します。
こだわり派なだけにクラスの内容も濃いです。ネイサン独特のメソッドがあり、体得するまでとことん繰り返します(私の個人の意見ですが、かなりしつこい性格の人だと思います)。それでも大人気な理由は彼の持つ柔軟性(指先の第一関節まで粘っこく動きます)や振り付けの質の高さにあるでしょう。私はクラスで彼の振りを踊った時にぶっ飛びました。自分の体が円を描く、手の先から見えない何かが生まれる、自分が自分のスパイラルに巻き込まれる・・・踊りってこんなに気持ちいいんだ!!って心底思った瞬間でした。素晴らしい先生であり、素晴らしいアーティストです。ぜひHPをチェックしてみて下さい。→http://www.nathantricerituals.com
コレも私の意見ですが、残念な事に衣装はダサいです・・・なんかあか抜けん感じが・・靴下のせい?イヤイヤ・・・、

Alan Danielson "a way here"

2009年03月09日 | Review
 マンハッタンにあるSt.Marks Churchで行われたダンスのショウです。
 
 Churchという名の通り協会の中で行われるショウなのですが、私はこの教会の雰囲気が大好きです。教会内は長椅子〔お祈りするヤツ〕や祭壇はとっぱられていて、がらんとした広い空間を柱とひな壇で囲まれたけっこう広いスペースですが・・何が良いかというと「窓」なんです!ショウの始まる直前にある暗転や作品と作品の間にある暗転のとき、ステンドグラスに描かれた人物や景色が闇の中にボーっと浮かび上がってくるのが怖さもあり美しさもあり、私の大好きな「気味悪い幻想的世界」なのです

 本題に入ります

 一つめのピース「(Re)view」から・・・
その名の通りでホ~っと感心しちゃいました。今目の前で繰り広げられている作品を評論家らしきおじさんがダンサー達の横で感想を述べながらレビューを作成していく・・・という設定です。
 5人の女性ダンサーたちが美しいフレーズを奏でる中、一人のおじさんが土足でズカズカ入ってきます(あまりの自然体に私は本当の一般人が入ってきたのかと焦りました)そして彼女達の後ろでPCを開き今日のこのピースのレビューを作成し始めます。全く別次元にいるはずの彼らは次第にリンクし、時にレビューが先行しダンサー達が振り回されるという逆転現象も起きつつ滑らかに終わっていきます。

 この作品の素晴らしいところは、踊りの流れの滑らかさにあると思います。ダンサー達は複雑な振り付けを止まる事なくさらに複雑なフォーメーションを次々と描いていきます。無理なくシンプルなんだけど、流れは止まらない・・・アランらしい振り付けだなと思いました。


 2つ目は本作の”a way here"
 
 アランが半年をかけてフィンランドと日本とNYそれぞれのダンサーと共に作り上げた作品。

 これはなかなか難しい作品でした・・・最初に3つのグループが一緒に出てくるのですが、フィンランド人背が高い!人形みたい!!日本人小さくて人形みたい!!あと、NYの方のダンサーは一人はメキシカンでもう一人はアメリカ人でしたが、映画ロードオブザリングを観ているようで面白かった(全然レビューになってなくてすみません)。私の勝手な解釈ですが・・「道はそれぞれそこにある」という事かな?作品の内容よりも、人間っていろいろいるんだな~という妙なところで感心してしまいました・・・。http://www.alandanielson.com/

Blue Man

2009年01月27日 | Review
 出産予定日を数日後に控えた妊婦、Blue man showへ行ってきました!!

いまや世界中に展開中のBlue man showは3人の青い男の人が一切声を出さず、目力と身体の動きで観客を笑いの渦に引き込んでいくエンターテーメントです。

単純に面白かった普段舞台を観るときには、作品の意味だとか演出側の意図を考えたりで何かと頭を使うことが多いんだけど、たまにはこういう意味なく、それでいて爆発的に笑えるのってステキだな~と思った。去年の夏に沖縄で「がーまるちょば」っていう日本人の2人組のショウを見たんだけど、本質的には似たような感じで人の裏をかく〔いい意味でバカにしたような。〕ところの気持ちよさとやられた感が適度な感じで楽しかった〔”がーまるちょば”はもっと強烈に人をいじりますが私はBlue manくらいのソフトな感じで十分です〕
 彼ら三人のパフォーマンス能力の高さに加え、周りのミュージシャンやスタッフ達が一つになって作り上げている舞台は身近に感じるのと同時に凄くうらやましい光景でした。

 観劇中ひたすらボコボコ私を蹴るコイツはいったいいつ出てくるのやら・・・

ピナ・バウシュ

2008年12月29日 | Review
 「Bamboo Blues」観てきました!

 インドの5都市を巡り、そこでのインスピレーションをもとに作品が作られたそうです。音楽・衣装や舞台装置に贅沢に使われる布もインドから・・・と徹底的にインドな作品でした。

臨月間近な妊婦でしたが、観にいきたいという欲求に勝てずしかも妊婦なのをいいことにVIPなシートを予約し観にいってきました相変わらずというか予想を裏切らず、火を使うわ水を使うわちょっとしたマジックショーもどきがあるわで細かいネタを入れつつ、美しい衣装と舞台装置で楽しませてくれました。
 今回びっくりしたのが、前半と後半の間にリノリウムの取替えが行われたこと!!前半はダークな感じのステージが、インターミッションの間におじさん達の手でクルクルとリノが巻かれ下には真っ白なリノがっ!!その作業工程を見るのも楽しくてトイレなんて行ってられません!!あとは布かな?キレイな布が贅沢に天井から吊り下げられたり、衣装に使われていたり・・・ああいうのを見るたびに作品というのはこうでなくては!!と思います。踊りで魅せるだけでなく踊りを通してみせる文化や生活感みたいなモノを創れる事に憧れます。ピナバウシュのダンサー達はいつも、女は強く官能的で美しく、男はそれに踊らされちょっと間抜けな感じがいい具合に力が抜けていて好きです。
 2時間半の長いショウの間中、お腹の子は音楽に反応しいつも以上にボコボコ動いてました。いい胎教になったかも
 

「VAN GOGH and the COLORS of the NIGHT

2008年11月26日 | Review
少し前にMOMAに行ってきました。

 太陽の人ゴッホは心を慰めてくれる夜景を描くことに生涯憧れを持っていたそうです。そしてそれを描くためには観察と記憶とイマジネーションを使わなければならないと、沢山の本を読み、夜景に関する詩を抽出してイマジネーションを蓄えていたということです。

ゴッホといえば「ヒマワリ」「自画像」からイメージされる黄色・オレンジ・茶色の絵を描く人。というド素人な知識しかなかった私は「The starry night」でのゴッホの描く夜空に圧倒されました。それは藍色に渦巻く空と輝く星が夜と時の流れの深さをファンタスティックにそして少しの狂気をもって演出して
いました。
 MOMAでは他にもたくさんの有名な芸術家達の作品が展示されていますが、私が彼らに共通して感じたことはデッサン能力の素晴らしさです。素晴らしい絵はデッサンの時点で既に何かを語りかけています。基礎って大切なのですね。

Ken Dance company

2008年10月18日 | Review
http://www.kendance.org/index.html

LAがベースの日本人のカンパニーでした。今回は男性2人と女性が1人の3人で約50分の小さいショウでしたが、限られた空間の中での小道具の使い方や構成に沢山のアイディアが詰まった異世界〔私はアニメ「犬夜叉」を・・〕を思わせる舞台でした・・・。
小さい暗い箱〔舞台〕に3つの描きかけの絵、中央に蹲る男性ダンサー。彼の動きは力強く闇の獣を思わせる不気味な動きで観る人を彼らの世界へと引き込みます。やがて、描きかけの絵に彼が手を加えるとそのキャンバスの下から女性が、そしてもう一人男性が現れる。絵描きである男性がストーリーテラーの役割を果たしつつ、時には絵がダンサーを操っているように彼らの踊る先を描きながらストーリーが展開されていきます。
 
振付家であるKenjiさんの体のしなやかさと表現力が圧倒的で、もう一人の男性Junjiさんとのパワフルで男らしい踊りとの対比がステキでした。Kanaさんの細いながらもブレのない妖精のような踊りも花を添えていてメッセージ性の強い作品達でした。