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探検家と芸術家またはチラ裏

とりあえずネタ探しとつれづれ備忘録かな

感想 「雪密室」 法月綸太郎 (ネタバレ)

2009-07-02 | 読書
法月作品を読んだのはこれが初めて。

引き裂かれたエピローグ パート1
・綸太郎は十分怪しい。
・倒叙ものか。謎解きがメインということか。

第一部
・随分もったいぶった幕開き。期待しよう。
・確かにそれは伝説的だ。リアリティゼロ。そういう設定が果たして必要か?
・気を持たせる文章の加減が良い。
・香織はしつけがなっていない。
・うーん、歪んだ人間関係。
・オーナーも面倒くさい男だ。
・一応著者は自覚しているようだ。
・しかし文章を費やす割には人物造型は薄っぺらい。真棹と沢渡はその最たるもの。
・犯人は恭平か。兄を超えられない弟、だが、原因は本人にある。不幸である。
・警視が招かれた理由。成程。だが何故警視がターゲットに?
・警視は結構ハードボイルド。
・法月家は父子家庭、悲劇が背景にある。
・コードの配列は作為を感じる。技官なら検証しろよ、確率も分かってるんだし、それでは素人だ。
でないとテストもシミュレーションも意味がない。それ位は私でも分かる。
・事件が起こる。密室らしい。

第二部
・名探偵の出馬はもう少し先のようだ。
・休暇中の警視に地元の警部が捜査協力をお願いか。どうも「名探偵の掟」のインパクトが
強過ぎて、推理小説を素直に読めなくなっている。東野圭吾恐るべし。
・上層部からの圧力。陰謀ものか? しかし分量が足らない。
・真藤に対する脅迫に説得力がない。
・「強烈な個性」の本質は峰裕子だけでなく、読者の私にもまるで分からない。そう理解するしかない。
・裕子の悲劇は型通り。謎解きに徹するべきなのか。
・やはりコード配列は作為によるもの。沢渡は道化である。無駄に大袈裟な設定をしている。
・武宮、箱ごと警察官に渡すのは豪快過ぎるだろう。自覚がないのか?
・兄が共犯。電話は兄。連携で何が出来るか?
・この状況で連携できることの一つはキャッチボールだろう。投げるのは鍵と靴くらいか。
ただ、靴を投げても意味はなさそう。
・恭平の行動が謎。犯人と決めてかかっているからだが。雪をどう扱ったのか。
・警視、ヘボ探偵役はいいが、無茶し過ぎだ。
・アイドル死亡か? 無駄死にだと思うが。
・容疑者余裕といったって圧力頼みではないか。これが解決しないと、トリックを暴いても意味がない。
・大物政治家の割りに人を見る目がない。兄弟は優秀かもしれないが器ではない。
・陰謀めいたところのストーリーと描写はなかなか良い。しかし肝心の事件周辺がお粗末だ。
・ようやく名探偵登場。

第三部
・武宮、黙秘する前に自ら物証を渡すなよ。本筋と関係なさそうだからいいけど。
・アイドルのその後は拍子抜け。
・警視は良い父ちゃんだ。
・注意しても偽装はばれると思う。露見しても揉み消されるだろうが。
・犯人は雪に閉じ込められた。恭平である。脱出の方法は? 金庫を開けたのも恭平。
しかし一人では無理。兄も現場にいた? より条件が厳しい。
・兄の理屈が理解不能。何にせよ弟はスタートラインの時点で脇が甘過ぎて脱落なんだが。
・耳栓がどうした、綸太郎。
・靴小さい。
・沢渡と柴崎は突っぱねればよかった。何で挑発する必要がある?
・子供頼みは感心しない。
・賭けに乗るなよ、沢渡。弟はどうでもいいのか。私にはやはり馬鹿兄弟にしか見えない。
・何で時計を見ていたことになっている? 記憶力が驚異的過ぎる。
質問の理解力も集中力も。著者は子供の扱いが上手くない。もう少し大きい子供でも良かった。
・親がいないと分かれば泣き叫ぶか探し回るだろう。我慢できるのはもっと先。しかも
甘やかされて育っている。子を持つと、こういうチェックは厳しくなる。
・共犯者が増えつつある様子。残り全員なのか?
・綸太郎と裕子のやり取りは不自然だ。綸太郎のエピソードは特に要らない。
・全員集める必要があるのか、綸太郎。そこに拘るのは危険だと思う、著者も。
・沢渡兄弟足小さ過ぎ。裕子は小学生低学年並だ。
・靴のサイズを並べた意味。
兄弟が現場にいたとすれば、兄が弟の靴を履いて脱出。靴を投げ返し、鍵を元に戻す。
問題は恭平が警視を起こしていること。バックの足跡はバレるであろうこと。
・脱出方法は断念。犯人は兄弟いずれか、特定は不能。合理的な推理でもない。

解答編
・えーっ、警視起こしたの兄貴かよ。ジェスチュアはなるほどだけど、生声はダメだろうよ、
何でもありかよ。
・バック足跡も警察の見逃しでスルーかよー。
・靴を20メートルってナイスピッチ・ナイスキャッチ過ぎないか? 野球のピッチャーより長いぞ。
・えー、他にも共犯が。
・眠いから聞き分けられなかったと、はいそうですか。
・3歳の娘には無理だが50がらみのおっさんにも無理だろ。ボールじゃなくて靴を
ノーバウンドで20メートルだぞ。
・あぶねえなー裕子、自分でドア開けて飛び降りたのか。パトカーに轢かれるだろ。
・成程ね、タイムリミットがある人でした。
・姿勢が似ているというだけで絞と縊を混同しているような。機序がまるで違うのだが。
・まれな例だけでスルーですかこれも。
・あのー、ベッドの上に乱れはなかったと書いてたんですけど。シーツを直すとかそういう
レベルの話じゃないと思うんですが、常識的に考えて。本筋に影響はなさそうだけれど。
・やはり全員集める必要はなかった。
・おおー、痴情の果てですか。動機としては腑に落ちやすい。
・推理というか予想が全然当たっていない。兄弟は事後従犯かよ。
・冒頭とのつながりは?
・二つのミスは分からなかった。一つは回収漏れにも見えるが。
・弟も喋り過ぎ。確かに要注意だ。

引き裂かれたエピローグ パート2
・うおお、そういうことか。
・このエピソードのおかげで読後感すっきり。推理とは関係ないけれど。
・警視カッコよすぎ。

総括
・青い。人間描けてない批判は本作については当てはまる。言動が人物の描写に結びついていない。
文章が空回りしているというか上滑りしている感じである。
・描写がフィットしているのはシリーズキャラである父子と悪役である黒幕のみである。
・本作の描写についての問題は作文の技術よりも観察の問題だと思う。
よりよく知る世代・タイプに登場人物を絞るべきだったのではと感じた。
ただ範囲を狭めると描き分けが難しくなるという問題はある。
・小まめな謎の撒き方とストーリーの転がし方は良かったと思う。常に興味を損なわない
工夫が感じられた。
・解決編の描写とトリックはいただけない。しかし真相については陳腐だが常識的なのが
かえって良かったと感じた。告白文形式については目をつぶる。これしかないだろう。
・文庫版あとがきは真摯な分析と反省に立っており、好感。見苦しくも滑稽でもない。
本作はあとがき込みで評価したい。これが2作目なら期待できる。
・「一の悲劇」「二の悲劇」読了。いずれ別項で触れる。

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