(ほとんど)シネマ日記

できるだけたくさん映画を見たいという希望をこめて

真珠の耳飾りの少女

2004-05-29 11:43:03 | 映画さ行
フェルメールは17世紀のオランダの画家。長く忘れられた存在でしたが、19世紀になって再評価されました。フェルメール作と認められている作品は30数枚しか現存しません。単に希少性だけではなく独特の静寂感を持つ画風は、300年以上前に描かれたとは思えない新鮮な魅力を今も湛えています。この映画は、実在するフィルメールの作品、真珠のイアリングをして振り返る少女の肖像画をモチーフにした小説を映画化したものです。

美しい少女グリート(スカーレット・ヨハンソン)は、タイル職人の父親が怪我をして働けなくなったために、フェルメール(コリン・ファース)の家に住み込みの下女として奉公に出される。ある日アトリエの掃除を命ぜられたグリートは、描きかけの絵の美しさに心を奪われる。グリートの持つ美的センスに気が付いたフェルメールは、じきに絵の具の調合を任せるようになる。いつも夫とアトリエに一緒にいる若い少女に、フェルメールの妻カタリーナ(エッシィ・デイビス)は異常に嫉妬をする。フェルメールは、グリートの絵を描く決心をするが、カタリーナの怒りを恐れてグリートは頑なに拒むのだった。

この映画の製作者は、フェルメールの絵の持つ色調をフィルム上に再現しようと最大限の努力を払ったようです。絵に描かれている物はもちろん、描かれていない調度品も、すべてフェルメールのアトリエにあったに違いないと思われるものを選び、窓から差し込む光の角度や柔らかさを最適に選んでいます。この画面の美しさだけでも、僕はとても満足しました。フェルメールが本当にこのような人柄だったのか知るよしもありませんが、振り返った少女の顔に浮かぶ不安感を説明するのに、この話はぴったりでした。どうしてもオランダに行って、本物のこの絵を見たくなりました。

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4 コメント

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こんにちわ (ななな)
2005-11-05 14:21:55
最大限の努力を払ったからこそこんなにも綺麗な映画になったのでしょうね。

こだわりってやはりすごいです。



>少女の顔に浮かぶ不安感を説明するのに、この話はぴったりでした

ホントそうですね。

そういう不安な感じもヨハンソンは上手く出していましたよね。

そうですね (mac)
2005-11-06 04:39:10
なななさん、コメントありがとうございます。

この映画のスカーレット・ヨハンソンは、演技と言うより素材で勝負していましたね。
はじめまして (カオリ)
2006-11-09 14:20:05
TBさせていただきました~
驚いたのは、彼の作品である「画家のアトリエ」を忠実に再現したようなアトリエだったと言うことでした。あの空気、色彩・・・
そんななかで、官能さがにおい立っていたような気がしました。
ヨハンセン、良い映画に出てますね。
画家のアトリエ (mac)
2006-11-10 19:05:49
カオリさん、コメントありがとうございます。
確かに「画家のアトリエ」は、この映画作りに相当参考になったでしょうね。映画の中で描いている絵は「水差しを持つ女」でしたね。
僕はこの後、この少女の絵を見るためにオランダまで行ったのでした。もう一度行きたいな~

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