- 61 クリスマスケーキ
某百貨店の予約クリスマスケーキを開けたら溶けて崩れていたとか・・・そんなニュースを見ていたらクリスマスの日の苦いエピソードを思い出した。
確か12月25日、大学1年の冬休み、札幌でのことだった。デパートのお歳暮配達の助手のアルバイトをしていた僕は雪の中、中央区のあるマンションに配達に伺った。五時ごろだったかなあ。玄関で奥様が受け取りの印鑑を取りに行くのを待っていると1歳くらいの女の子がヨチヨチ歩いてきて、下駄箱の上にあった四角い箱に手を伸ばした。咄嗟に右手を出したが遅かった。床には無残にも半分残っていただろうケーキが散らばった。泣き出す子供、僕の右手はケーキまみれだった。奥様がティッシュを下さったがその日はケーキの甘い匂いが消えなかった。 そしてもう少し早く予測できれば今晩も楽しい夜が過ごせたのにと後悔した。
(当時も今も? 札幌は寒いので冷蔵庫代わりに玄関に食品を置いている家が多かった)
(2023/12/27 未発表)
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