読むクスリ

読んでいてクスリと笑ってしまうような、心の処方箋に。
道徳大好き小学校教諭です。
現在、双子の育児に奮闘中。

教えてとくだ先生!分かりきったことを言わせたり書かせたりすることをしないために

2018-12-08 04:56:33 | 道徳


中央教育審議会が挙げた道徳教育の課題の一つである,「発達の段階などを 十分に踏まえず,児童生徒に望ましいと思われる分かりきったことを言わせた り書かせたりする授業になっている例がある。」というのは,どういうことで しょう。 例えば,「親切,思いやり」について言えば,発達の段階に応じて,次のように発達段階を踏まえるようなねらいが想定されます。
低学年......親切は,相手も自分も,周りにいる人たちみんなが温かい気持ち
になる。
中学年......思いやりとは,相手の気持ちを自分のことのように考え,もし自
分だったらこうして欲しいだろうなと思うことを届けることであ
る。
高学年......思いやりは,相手の気持ちを理解するだけでなく,さらに,どの
ようにすることが相手にとって大切なのかまでを考えることが大事である。
中学校......本当の思いやりとは,相手のことを最大限に思う思いやりであり, それは,例えば相手に気遣いをさせない,さりげない思いやりな どがそうである。
これらを見ると,すべて,「親切の大切さ」です。しかし,内容は,学年によっ て違うことが分かります。 「親切,思いやり」の授業を,「親切って大切だ」という内容で行えば,当然, どの学年の子どもも,分かりきったことになります。また,高学年の授業が, 低学年や中学年の内容を扱うものであったなら,これもまた,分かりきったこ とを言わせたり書かせたりする授業になってしまいます。 発達の段階をしっかりと考え,ねらいを設定していくことが大切です。

考え議論することは、教師が一方的に価値を教え込まないための方法なんた!

教えて、とくた先生 道徳のまとめては、何をすればいいの?

2018-12-08 04:49:45 | 道徳

先生方から、「1時間の授業の流れはどうすればいいの?」道徳科の時間のまとめは,どのようにすればいいので すか。」「道徳の終末では,教師の説話を入れないといけないのですか。」といっ た悩みを聞くことがよくあります。

まず,道徳科の授業は,一方的に伝達する授業にならないようにしたいと考 えます。そのためには,子どもたちが,道徳的価値の大切さについて,それま での経験や体験を振り返りながら,自分との関わりの中で考え,気づいていく ことができるようにする必要があります。

その気づきは,それまでの子どもた ちにはなかったものに気づくことであるとするなら,伝達型の授業になってし まいます。

そうではなく,子どもたちに育ってきている考え方や感じ方に気づ かせるのです。

その意味で,道徳科の授業でねらいとする気づきは,子どもたち自身の発見 であることが大切です。

中心発問では,その気づきへと子どもたちの考え合い や議論を誘い込むことが大切です。単なる読み取りや分かりきったことの発問 になってしまうことのないよう,気をつけなければなりません。

そして,まとめでは,子どもたちが発見したことを押さえるとよいでしょう。 まとめの上手な先生は,子どもの言葉を使ってまとめます。子どもの手柄を作るのです。

一方,そうでない先生は,自分の言 葉で説明したり,「説教」をしたりしてしまいま す。

また,終末は,余韻を残し,意欲を高めるこ とが大切です。ただし,決意表明をするのでは ありません。自分の心の中に,素敵な考え方や 感じ方があることを意識し,意欲を温めていく といったところでしょうか。教師の説話も一つ の方法です。ただし,短く,分かりやすくした いものです。