国保税値上げ、共生型サービス条例に反対討論‐太田市3月議会

　3月議会・本会議最終日の今日3月12日に、国保税を1世帯8,000円値上げする条例改定、介護サービスと障がい福祉サービスの職員の専門性を軽視し、サービス低下が懸念される「共生型」サービス事業所を指定するための条例改定に対して私が行った反対討論（要旨）は次のとおりです。

収入400万円の4人家族で3万円以上値上げ

　初めに議案19号ですが、これは、太田市の国保税を4月から1世帯平均8,000円値上げするためのものです。県が市町村に求める納付金を今年度より1億円増やすことと、一般会計から国保会計への市の財政補てんを今年度より1.5億円削減しようとすることが値上げの原因と考えられますが、給与収入400万円、40代の夫婦と子ども2人の4人家族で33,300円の値上げとなります。

所得400万円の4人家族は4万円以上値上げ

　サラリーマンの給与収入にあたる自営業者の事業所得で400万円、40代の夫婦と子ども2人の4人家族では41,300円の値上げとなるものです。

均等割・平等割廃止で協会健保並
16万円以上引き下げ可能

　国保税のうち、家族の人数に課税する均等割と1世帯に課税する平等割を廃止すると、給与収入400万円、40代の夫婦と子ども2人の4人家族では、168,000円引き下げ可能となり、協会健保とほぼ同じ負担となります。

　サラリーマンの給与収入にあたる自営業者の事業所得で400万円、40代の夫婦と子ども2人の4人家族では、均等割と平等割を廃止すると160,000円引き下げが可能となります。

　そして、全国知事会も求める全国の国保への国庫負担1兆円増を実現すれば、均等割と平等割を廃止して協会健保とほぼ同じ負担の国保税にできることになります。

一般会計の0.75％
20万円の家計なら月々1,500円のやりくりで
1世帯1万円引き下げ可能

　そして国庫負担1兆円増が実現する前でも、一般会計から国保会計への財政補てんを太田市が2016年度と同額の4億円とすれば、1世帯平均3,000円の引き下げが可能となります。さらに財政補てんを6億円にすれば1世帯平均1万円の引き下げが可能です。

　6億円は太田市の新年度一般会計予算797.5億円の0.75%であり、20万円の家計に例えれば、月々1,500円のやりくりで1世帯平均1万円の国保税引き下げができることになります。

　やはり大事なのは税金、予算の使い方です。

　この問題では、先日の私の質問に対して市長が、子どもの均等割の負担が気になるとして、今後の減免を検討したいと答えたことは極めて重要だと言えます。その市長の思いを実現するために、担当課に、速やかに強力に指示を発することを強く求めるものです。

　さらに本案では、後期高齢者保険における社会保険の扶養家族であった人の、保険料減免を「当面の間」から2年間に縮減することになり、紛れもない負担増であることを指摘するものです。

職員の専門性を軽視
サービス低下が懸念される「共生型」

　続いて、議案20号ですが、これは、介護サービスと障がい福祉サービスを一体的に提供する、いわゆる共生型サービス事業所を指定するためのものです。

　しかし、ここで問題となるのは、その共生型サービスの質や提供の体制です。

　1つ目に指摘しなければならないのは、介護職員の専門性と障がい福祉サービスの職員の専門性や各々蓄積されたノウハウは、似たようでも別のものであり、各々の職員の専門性を軽視することになることを指摘しないわけにはいきません。

　サービスの質の維持・充実に逆行しないための有効かつ具体的な手立ては、現在まで示されてはおりません。

　2つ目には、職員の人員配置基準の問題です。介護サービス、障がい福祉サービス各々の施設の人員配置基準は別のものであります。

　共生型の指定によって、介護サービス、障がい福祉サービス各々の人員配置基準の違いから、職員1人あたりの利用者が現行より増加することが懸念されますが、そうならないための有効かつ具体的な手立ては現在まで示されてはおりません。

　3つ目には、サービスの質の低下につながりかねない、株式会社など営利企業による介護サービスへの参入を、この共生型の導入によって、障がい福祉サービスにも拡大することになるという懸念です。その懸念が現実とならないための、やはり有効かつ具体的な手立ては、やはり現在まで示されてはおりません。

　以上、議案19号、20号における問題点を指摘して反対討論を終わります。


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