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薔薇の吐息2014

前ブログから引越しをよぎなくされ、流れ着いたおばさんのひとりごと

『反貧困』

2008-06-04 20:49:32 | 本と雑誌

 あまり新刊本とか買わない人なのだけれど、これは、ちょっと気持ちが動いて買ってしまった。「滑り台社会」という副題は、かなり、恐ろしい言葉だ。

貧困は、社会と政治に対する問いかけである。その問いを、正面から受け止め、逃げずに立ち向かう強さをもった社会を作りたい。過ちを正すのに、遅すぎるということはない。私たちは、この社会に生きている。この社会を変えていく以外に、「すべり台社会」から脱出する方途はない。(帯引用)

 底に落ちてしまった人々は、もやは、自力では這い上がれない状態になり、貧困に塗れる。

 かつて私もこうなってしまった人を「自己責任」の言葉でくくっていたけれど、どうも、そうではないらしい。

 一把ひとからげでくくってしまうには、あまりに、複雑で、厳しい現実があるみたいだ。

 落ちていく人々は、「溜め」がないと筆者は言う。窮地に陥った時に留まっていられるだけの経済的、人的な支援を得られるような、余裕という感じかなと思うけど、それが、ない人々は、滑り台をつるんと落ちるように、落下していくと言うのだ。

 今までは幾重にもセーフティネットがあったのだけど、それも、もはや機能してない。だから、路上生活者、ネットカフェ難民などになってしまい、もう、自分ではどうすることもできない状態に追い込まれている人が増えているのだろう。

 最低生活費……これを知っている人は少ないと筆者は言う。確かに。私も知らない。生活保護費ってどれくらいってのも、知らない。これ以下の生活をしていれば、貧困層というわけだけど、それを政府が発表するなんてことは、一度も聞いたことがない。

 なぜ貧困が「あってはならないのか」。それは貧困状態にある人たちが「保護に値する」かわいそうで、立派な人たちだからではない。(中略)立派でもなく、かわいくもない人たちは「保護に値しない」のなら、それはもう人権ではない。生を値踏みすべきではない。貧困が「あってはならない」のは、それが社会自身の弱体化の証だからに他ならない

 すごくきつい言葉だと思った。

 かなり前から社会の弱体化って、気になっていたものなあ。

 リストラって言葉が流行っていたり、家を持たない若い人たちがいるっていう事実を知ると、なんかおかしいだろうって思っていたから。

 企業や会社だけが太って、従業員が疲弊するなんていう就労形態って、おかしいジャンって思っていたんだよね。

 さて、GWの社員逮捕とか、派遣就労の二重ピンはねも明らかになり、ちょっとは、おかしいって思う人も増えてきたから、これから少しは良くなるのかなあ。

 私が気ままに無職状態を続けていられるのも、筆者の言う、「溜め」があったからだろうなあ。仕事を辞めたらもう食えねえっていう状態にならない…ってのが。「溜め」なんだよね。

 でも、それって、けっこう今までの生き方が反映されているんだよね。

 がめついというか、せこいというか、ケチというか、っていう私の生き方が。 

 なんか、それも微妙に……いじましいよな

 仕事を辞めるって決心した時も、今の持ち金でどれくらい生きられるかっていう計算、しっかりしてたし。ははは

 www.moyai.net

NPO法人自立生活サポートセンター・もやい 筆者の拠点アド。ちょっと応援したい気分なので、アドを載せておきます。

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