家の近くの小さな川に
ちょっと不思議が潜んでる
ひとつめは
たくさん雨が降っても溢れないこと
ギリギリの線でいつも水位が留まる
どこから始まってどこまで続いているの?
ふたつめは
大きなコイが群れを成して泳いでること
先頭は白と赤のコイで
そのうしろからたくさんの灰色のコイが着いて泳ぐ
順番が変わることはないの?
みっつめは
一年中カルガモの親子が住んでいること
泳いだあとにはドロの線
暑さ寒さは平気なの?
よっつめは
ドロの山で大きな亀と小さな亀が
並んで甲羅干ししてること
お互い何を語り合っているの?
いつつめは
コウモリとツバメが人の頭スレスレの高さを飛ぶこと
黒い翼を持つものが猛スピードで飛んでいる
速さを競い合ってゴールは何処にあるの?
昔はとても綺麗な川だったんだって
でも今は生活用水が流れ込み
黒く汚れた川になってしまった
誰か気付いているのかな?
その小さな川に
生きているものたちがいるってこと
春には一面桜の花びらで川がピンク色に染まり
夏にはソーセージのような蒲が川を覆う
秋にはトンボが水辺を渡り
冬にはところどころに氷が張る
誰か気付いているのかな?
その小さな川にちょっと不思議が潜んでいること