Secret Forest ~緑の島の詩~

Lucita(リュシータ)が書く、ことばのページです。
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---恋失ひ

2011-10-14 21:41:45 | Love ☆☆☆

月のない夜

黒曜の闇の中


わたしは

涙を流すため

ひとり家を抜け出すの


妖精の木のある森の中へ



涙ひとつぶに

あなたとの想い出ひとつ




あなたの声

あなたの手

あなたの温もり





わたしは失ったの




眠った太陽に
気付かれぬよう


声を出さずに

そっとそっと


涙を
土に溶かすの

---漆黒

2011-01-19 23:33:55 | Love ☆☆☆

たとえが現実となってしまった今
この世に未練はない

未練はもうない


目に焼きついた
あなたの戦う姿は

過去のもの


あなたが助かるのなら
この身を犠牲にしたって構わない
この命を犠牲にしたって構わない

神が望むなら
いくらだって捧げたのに



わたしを地上に縛り付けるもの

最後まで戦った
あなたの姿と
あなたと交わした約束

それだけが
わたしを生かす



深い闇の中でも
心は闇に染まらぬように



あなたの髪
あなたの瞳
あなたの声

あなたの全てを想う心が一筋の光


わたしはそれをつかんで
見えぬ敵と戦う



前を見て

前に進む



あなたを失ったわたし


あなたに生かされてるわたし


恐れるものは何もない



---遠い空

2009-11-19 02:30:05 | Love ☆☆☆

貴方は鳥

誰も触れたことのない
針葉樹の天辺に


貴方の背には大空

私の愛する人



妖精の木の
切り株の上から

大空を見上げる私


貴方は鳥


そして
貴方は飛び去った



私の愛した人


今はもうすべて幻



私には何もない

---別離

2009-10-01 03:23:48 | Love ☆☆☆

遠い空の

飛行機雲を見上げるあなた



心も一緒に飛んでしまったの?



手を伸ばせば

触れられる距離にいるのに

何故かとても遠く感じるの



ねぇ

こっち見て



離れて行ってしまいそう



きっとこの予感は当たって


あなたは

私の知らない街へ行くのでしょう

---虚無と空虚

2008-11-20 00:07:26 | Love ☆☆☆

さよならの先にあるもの


虚無と空虚

誰も私を救えやしない



過去と未来の境界線    
終わり無き哀しみに囚われ
日毎に
冷たさを増す


心の奥の奥
光の届かぬ谷底のよう


心が目に見えるのなら
凝固しない血液
絶えず流れる



虚無と空虚

たくさんの真実と幻
水のように
手の平から零れ落ちてゆく



ループする一瞬
終わらない悪夢
刹那の痛み







途切れない苦しみの中で
暗闇に身を沈める


もがいて



いつかを

夢見て




---dissolved

2008-09-08 02:44:56 | Love ☆☆☆

誰かのためにと
諦める毎日

誰かのためにと
瞳をそらす毎日


一瞬溺れても
それは幻想


いつでも波にたゆたう



視線と視線が絡まって
視線と視線が解けてく

その後何も考えないで
一歩踏み出すことも無く



誰かを犠牲にするのなら
自分の足に重石をつけよう


腕はなくなり
足はなくなり


銀の鱗纏い



やがて
無口な魚になって


体は海に溶けて

涙は海に溶けて



---桜の美しさ残酷さ

2008-06-25 12:21:07 | Love ☆☆☆

一度だけ
有名な桜並木を
君と一緒に歩いた

よく晴れた空
優しい風と共に
桜の花びらが舞う
温かな午後


桜の木陰で薄紅色に染る
君の白い服
君の白い頬

昨日のことのように
思い出す


穏やかな君の笑顔
もう二度と見ることはない


この時が最後だなんて
二人気付かない

小さな世界
刻む時の大切さ
二人気付かない


君の言葉を
思い出す


また来ようね



果たされぬ約束


桜の
美しさ
残酷さ

この胸焦がし続ける




---別れの橋

2008-04-04 02:40:38 | Love ☆☆☆

別れの橋

幾度も幾度も
一緒に歩いた


別れの橋

幾度も幾度も
手を繋いだ


別れの橋

時には無言で
時にはたくさん話した



別れの橋

お互い別々の路を行く



別れの橋

短い握手と長い抱擁




そして
さよなら



もう二度と逢わない




---どこへ

2008-01-03 03:02:00 | Love ☆☆☆

群青の空に
冴え渡る光の粒よ

あの人はどこへ



種は芽吹き
葉を広げ
花を咲かせ

花は
再び種となり
土へ還り
時移ろう

吐息白む季節が巡り
どんなに彷徨っても
あの人がいない


私の手をすり抜けて
行ってしまった

凍て付く記憶



細い冷たい糸
手繰り寄せ


「あの人に触れた小枝でも いつか…」


深い森の中へ