『ありがち日記』

木原音瀬『吸血鬼と愉快な仲間たち』

集英社文庫の小説版。


ストーリー
昼間は蝙蝠、夜だけ人間。牙がないから血も吸えない。そんな中途半端な吸血鬼アルは、アメリカで孤独に暮らしていた。が、お腹を空かせて迷い込んだ食肉倉庫で、うっかり冷凍蝙蝠にされてしまう。目が覚めるとそこは……日本!? 真っ裸で警察に捕まったアルは、謎の男・暁に(散々文句を言われつつも)助けられ、一緒に暮らすことになるけれど――。事件に恋に大忙し! 半人前吸血鬼アルの奮闘記。 

木原さんは最近だと『捜し物屋まやま』のシリーズを読んでいたので、こちらもBLじゃないのだろうと勝手に思い込んでいたら、もしかして今後そういう展開になるの?文庫も4巻まで出ていることを最近知ったので(いつの間に?)、まだ分からないんだけど。

BLとしても、『箱の中』『美しいこと』 に比べたら軽めな感じなのかな。

吸血鬼ものって出尽くした感があって目新しいテーマではないんだけど、この作品で面白いなと思ったのは、エンバーミング(遺体の保存・殺菌・修復などを目的に行われる処置)が職業として出てくるところ。吸血鬼のアルが居候させてもらう部屋の主・暁の職業がエンバーマー。火葬が主の日本ではあまりメジャーではない職業。

いくら身体を痛めつけられても死なない(死ねない)吸血鬼、日々亡くなった方の遺体の処置をするエンバーマー、命や人の生死と向き合う者同士、出会うべくして出会ったとも言える。あと、吸血鬼の大切な食事「血液」もそこにあるわけで。

うっかりアメリカから日本へ、冷凍お肉と一緒に運ばれてきてしまった半人前吸血鬼アル。夜は人間、昼間は蝙蝠の姿に変わってしまうという特殊な身体であることで、人間らしい生活を諦めていた彼が、暁や暁の友人で刑事の忽滑谷に拾われて良かったよ…。残忍な殺人事件に巻き込まれたりと忙しい中でも、次第に心を通わせていく様子がほほえましい。

とりあえず続きも読んでみようかなという気持ち。今回は登場人物の紹介程度なので、次巻からはもう少しストーリーが動くのだろうか?だといいなぁ。



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