学校教育法
(昭和二十二年三月三十一日法律第二十六号)
最終改正:平成一九年六月二七日法律第九八号
(最終改正までの未施行法令)
平成十九年六月二十七日法律第九十六号 (未施行)
平成十九年六月二十七日法律第九十八号 (未施行)
第一章 総則
第一条 この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、特別支援学校及び幼稚園とする。
第二条 学校は、国(国立大学法人法 (平成十五年法律第百十二号)第二条第一項 に規定する国立大学法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構を含む。以下同じ。)、地方公共団体(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項 に規定する公立大学法人を含む。次項において同じ。)及び私立学校法第三条 に規定する学校法人(以下学校法人と称する。)のみが、これを設置することができる。
○2 この法律で、国立学校とは、国の設置する学校を、公立学校とは、地方公共団体の設置する学校を、私立学校とは、学校法人の設置する学校をいう。
第三条 学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。
第四条 国立学校、この法律によつて設置義務を負う者の設置する学校及び都道府県の設置する学校(大学及び高等専門学校を除く。)のほか、学校(高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通常の課程(以下全日制の課程という。)、夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程(以下定時制の課程という。)及び通信による教育を行う課程(以下通信制の課程という。)、大学の学部、大学院及び大学院の研究科並びに第六十九条の二第二項の大学の学科についても同様とする。)の設置廃止、設置者の変更その他政令で定める事項は、次の各号に掲げる学校の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者の認可を受けなければならない。
一 公立又は私立の大学及び高等専門学校 文部科学大臣
二 市町村の設置する高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び幼稚園 都道府県の教育委員会
三 私立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び幼稚園 都道府県知事
○2 前項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる学校を設置する者は、次に掲げる事項を行うときは、同項の認可を受けることを要しない。この場合において、当該学校を設置する者は、文部科学大臣の定めるところにより、あらかじめ、文部科学大臣に届け出なければならない。
一 大学の学部若しくは大学院の研究科又は第六十九条の二第二項の大学の学科の設置であつて、当該大学が授与する学位の種類及び分野の変更を伴わないもの
二 大学の学部若しくは大学院の研究科又は第六十九条の二第二項の大学の学科の廃止
三 前二号に掲げるもののほか、政令で定める事項
○3 文部科学大臣は、前項の届出があつた場合において、その届出に係る事項が、設備、授業その他の事項に関する法令の規定に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
○4 地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市の設置する幼稚園については、第一項の規定は、適用しない。この場合において、当該幼稚園を設置する者は、同項に規定する事項を行おうとするときは、あらかじめ、都道府県の教育委員会に届け出なければならない。
○5 第二項第一号の学位の種類及び分野の変更に関する基準は、文部科学大臣が、これを定める。
第五条 学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定のある場合を除いては、その学校の経費を負担する。
第六条 学校においては、授業料を徴収することができる。ただし、国立又は公立の小学校及び中学校、これらに準ずる特別支援学校又は中等教育学校の前期課程における義務教育については、これを徴収することができない。
第七条 学校には、校長及び相当数の教員を置かなければならない。
第八条 校長及び教員(教育職員免許法 (昭和二十四年法律第百四十七号)の適用を受ける者を除く。)の資格に関する事項は、別に法律で定めるもののほか、文部科学大臣がこれを定める。
第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、校長又は教員となることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられた者
三 教育職員免許法第十条第一項第二号 に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から三年を経過しない者
四 教育職員免許法第十一条第一項 又は第二項 の規定により免許状取上げの処分を受け、三年を経過しない者
五 日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
第十条 私立学校は、校長を定め、大学及び高等専門学校にあつては文部科学大臣に、大学及び高等専門学校以外の学校にあつては都道府県知事に届け出なければならない。
第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
第十二条 学校においては、別に法律で定めるところにより、学生、生徒、児童及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図るため、健康診断を行い、その他その保健に必要な措置を講じなければならない。
第十三条 第四条第一項各号に掲げる学校が次の各号のいずれかに該当する場合においては、それぞれ同項各号に定める者は、当該学校の閉鎖を命ずることができる。
一 法令の規定に故意に違反したとき
二 法令の規定によりその者がした命令に違反したとき
三 六箇月以上授業を行わなかつたとき
第十四条 大学及び高等専門学校以外の市町村の設置する学校については都道府県の教育委員会、大学及び高等専門学校以外の私立学校については都道府県知事は、当該学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定又は都道府県の教育委員会若しくは都道府県知事の定める規程に違反したときは、その変更を命ずることができる。
第十五条 文部科学大臣は、公立又は私立の大学及び高等専門学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反していると認めるときは、当該学校に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
○2 文部科学大臣は、前項の規定による勧告によつてもなお当該勧告に係る事項(次項において「勧告事項」という。)が改善されない場合には、当該学校に対し、その変更を命ずることができる。
○3 文部科学大臣は、前項の規定による命令によつてもなお勧告事項が改善されない場合には、当該学校に対し、当該勧告事項に係る組織の廃止を命ずることができる。
○4 文部科学大臣は、第一項の規定による勧告又は第二項若しくは前項の規定による命令を行うために必要があると認めるときは、当該学校に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
第十六条 子女を使用する者は、その使用によつて、子女が、義務教育を受けることを妨げてはならない。
第二章 小学校
第十七条 小学校は、心身の発達に応じて、初等普通教育を施すことを目的とする。
第十八条 小学校における教育については、前条の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。
一 学校内外の社会生活の経験に基き、人間相互の関係について、正しい理解と協同、自主及び自律の精神を養うこと。
二 郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと。
三 日常生活に必要な衣、食、住、産業等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
四 日常生活に必要な国語を、正しく理解し、使用する能力を養うこと。
五 日常生活に必要な数量的な関係を、正しく理解し、処理する能力を養うこと。
六 日常生活における自然現象を科学的に観察し、処理する能力を養うこと。
七 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養い、心身の調和的発達を図ること。
八 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
第十八条の二 小学校においては、前条各号に掲げる目標の達成に資するよう、教育指導を行うに当たり、児童の体験的な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする。この場合において、社会教育関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならない。
第十九条 小学校の修業年限は、六年とする。
第二十条 小学校の教科に関する事項は、第十七条及び第十八条の規定に従い、文部科学大臣が、これを定める。
第二十一条 小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。
○2 前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。
○3 第一項の検定の申請に係る教科用図書に関し調査審議させるための審議会等(国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第八条 に規定する機関をいう。以下同じ。)については、政令で定める。
第二十二条 保護者(子女に対して親権を行う者、親権を行う者のないときは、未成年後見人をいう。以下同じ。)は、子女の満六才に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二才に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子女が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
○2 前項の義務履行の督促その他義務に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第二十三条 前条の規定によつて、保護者が就学させなければならない子女(以下学齢児童と称する。)で、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定める規程により、前条第一項に規定する義務を猶予又は免除することができる。
第二十四条 削除
第二十五条 経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。
第二十六条 市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。
一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
三 施設又は設備を損壊する行為
四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
○2 市町村の教育委員会は、前項の規定により出席停止を命ずる場合には、あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。
○3 前項に規定するもののほか、出席停止の命令の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。
○4 市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする。
第二十七条 学齢に達しない子女は、これを小学校に入学させることができない。
第二十八条 小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、教頭又は事務職員を置かないことができる。
○2 小学校には、前項のほか、栄養教諭その他必要な職員を置くことができる。
○3 校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。
○4 教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。
○5 教頭は、校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行なう。この場合において教頭が二人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、その職務を代理し、又は行なう。
○6 教諭は、児童の教育をつかさどる。
○7 養護教諭は、児童の養護をつかさどる。
○8 栄養教諭は、児童の栄養の指導及び管理をつかさどる。
○9 事務職員は、事務に従事する。
○10 助教諭は、教諭の職務を助ける。
○11 講師は、教諭又は助教諭に準ずる職務に従事する。
○12 養護助教諭は、養護教諭の職務を助ける。
○13 特別の事情のあるときは、第一項の規定にかかわらず、教諭に代えて助教諭又は講師を、養護教諭に代えて養護助教諭を置くことができる。
第二十九条 市町村は、その区域内にある学齢児童を就学させるに必要な小学校を設置しなければならない。
第三十条 市町村は、適当と認めるときは、前条の規定による事務の全部又は一部を処理するため、市町村の組合を設けることができる。
第三十一条 市町村は、前二条の規定によることを不可能又は不適当と認めるときは、小学校の設置に代え、学齢児童の全部又は一部の教育事務を、他の市町村又は前条の市町村の組合に委託することができる。
○2 前項の場合においては、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十四第三項 において準用する同法第二百五十二条の二第二項 中「都道府県知事」とあるのは、「都道府県知事及び都道府県の教育委員会」と読み替えるものとする。
第三十二条 町村が、前二条の規定による負担に堪えないと都道府県の教育委員会が認めるときは、都道府県は、その町村に対して、必要な補助を与えなければならない。
第三十三条 削除
第三十四条 私立の小学校は、都道府県知事の所管に属する。
第三章 中学校
第三十五条 中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、中等普通教育を施すことを目的とする。
第三十六条 中学校における教育については、前条の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。
一 小学校における教育の目標をなお充分に達成して、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。
二 社会に必要な職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。
三 学校内外における社会的活動を促進し、その感情を正しく導き、公正な判断力を養うこと。
第三十七条 中学校の修業年限は、三年とする。
第三十八条 中学校の教科に関する事項は、第三十五条及び第三十六条の規定に従い、文部科学大臣が、これを定める。
第三十九条 保護者は、子女が小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十五才に達した日の属する学年の終わりまで、これを、中学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。
○2 前項の規定によつて保護者が就学させなければならない子女は、これを学齢生徒と称する。
○3 第二十二条第二項及び第二十三条の規定は、第一項の規定による義務に、これを準用する。
第四十条 第十八条の二、第二十一条、第二十五条、第二十六条、第二十八条から第三十二条まで及び第三十四条の規定は、中学校に、これを準用する。この場合において、第十八条の二中「前条各号」とあるのは、「第三十六条各号」と読み替えるものとする。
(昭和二十二年三月三十一日法律第二十六号)
最終改正:平成一九年六月二七日法律第九八号
(最終改正までの未施行法令)
平成十九年六月二十七日法律第九十六号 (未施行)
平成十九年六月二十七日法律第九十八号 (未施行)
第一章 総則
第一条 この法律で、学校とは、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、大学、高等専門学校、特別支援学校及び幼稚園とする。
第二条 学校は、国(国立大学法人法 (平成十五年法律第百十二号)第二条第一項 に規定する国立大学法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構を含む。以下同じ。)、地方公共団体(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第六十八条第一項 に規定する公立大学法人を含む。次項において同じ。)及び私立学校法第三条 に規定する学校法人(以下学校法人と称する。)のみが、これを設置することができる。
○2 この法律で、国立学校とは、国の設置する学校を、公立学校とは、地方公共団体の設置する学校を、私立学校とは、学校法人の設置する学校をいう。
第三条 学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。
第四条 国立学校、この法律によつて設置義務を負う者の設置する学校及び都道府県の設置する学校(大学及び高等専門学校を除く。)のほか、学校(高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通常の課程(以下全日制の課程という。)、夜間その他特別の時間又は時期において授業を行う課程(以下定時制の課程という。)及び通信による教育を行う課程(以下通信制の課程という。)、大学の学部、大学院及び大学院の研究科並びに第六十九条の二第二項の大学の学科についても同様とする。)の設置廃止、設置者の変更その他政令で定める事項は、次の各号に掲げる学校の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める者の認可を受けなければならない。
一 公立又は私立の大学及び高等専門学校 文部科学大臣
二 市町村の設置する高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び幼稚園 都道府県の教育委員会
三 私立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校及び幼稚園 都道府県知事
○2 前項の規定にかかわらず、同項第一号に掲げる学校を設置する者は、次に掲げる事項を行うときは、同項の認可を受けることを要しない。この場合において、当該学校を設置する者は、文部科学大臣の定めるところにより、あらかじめ、文部科学大臣に届け出なければならない。
一 大学の学部若しくは大学院の研究科又は第六十九条の二第二項の大学の学科の設置であつて、当該大学が授与する学位の種類及び分野の変更を伴わないもの
二 大学の学部若しくは大学院の研究科又は第六十九条の二第二項の大学の学科の廃止
三 前二号に掲げるもののほか、政令で定める事項
○3 文部科学大臣は、前項の届出があつた場合において、その届出に係る事項が、設備、授業その他の事項に関する法令の規定に適合しないと認めるときは、その届出をした者に対し、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
○4 地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項 の指定都市の設置する幼稚園については、第一項の規定は、適用しない。この場合において、当該幼稚園を設置する者は、同項に規定する事項を行おうとするときは、あらかじめ、都道府県の教育委員会に届け出なければならない。
○5 第二項第一号の学位の種類及び分野の変更に関する基準は、文部科学大臣が、これを定める。
第五条 学校の設置者は、その設置する学校を管理し、法令に特別の定のある場合を除いては、その学校の経費を負担する。
第六条 学校においては、授業料を徴収することができる。ただし、国立又は公立の小学校及び中学校、これらに準ずる特別支援学校又は中等教育学校の前期課程における義務教育については、これを徴収することができない。
第七条 学校には、校長及び相当数の教員を置かなければならない。
第八条 校長及び教員(教育職員免許法 (昭和二十四年法律第百四十七号)の適用を受ける者を除く。)の資格に関する事項は、別に法律で定めるもののほか、文部科学大臣がこれを定める。
第九条 次の各号のいずれかに該当する者は、校長又は教員となることができない。
一 成年被後見人又は被保佐人
二 禁錮以上の刑に処せられた者
三 教育職員免許法第十条第一項第二号 に該当することにより免許状がその効力を失い、当該失効の日から三年を経過しない者
四 教育職員免許法第十一条第一項 又は第二項 の規定により免許状取上げの処分を受け、三年を経過しない者
五 日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
第十条 私立学校は、校長を定め、大学及び高等専門学校にあつては文部科学大臣に、大学及び高等専門学校以外の学校にあつては都道府県知事に届け出なければならない。
第十一条 校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、学生、生徒及び児童に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
第十二条 学校においては、別に法律で定めるところにより、学生、生徒、児童及び幼児並びに職員の健康の保持増進を図るため、健康診断を行い、その他その保健に必要な措置を講じなければならない。
第十三条 第四条第一項各号に掲げる学校が次の各号のいずれかに該当する場合においては、それぞれ同項各号に定める者は、当該学校の閉鎖を命ずることができる。
一 法令の規定に故意に違反したとき
二 法令の規定によりその者がした命令に違反したとき
三 六箇月以上授業を行わなかつたとき
第十四条 大学及び高等専門学校以外の市町村の設置する学校については都道府県の教育委員会、大学及び高等専門学校以外の私立学校については都道府県知事は、当該学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定又は都道府県の教育委員会若しくは都道府県知事の定める規程に違反したときは、その変更を命ずることができる。
第十五条 文部科学大臣は、公立又は私立の大学及び高等専門学校が、設備、授業その他の事項について、法令の規定に違反していると認めるときは、当該学校に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。
○2 文部科学大臣は、前項の規定による勧告によつてもなお当該勧告に係る事項(次項において「勧告事項」という。)が改善されない場合には、当該学校に対し、その変更を命ずることができる。
○3 文部科学大臣は、前項の規定による命令によつてもなお勧告事項が改善されない場合には、当該学校に対し、当該勧告事項に係る組織の廃止を命ずることができる。
○4 文部科学大臣は、第一項の規定による勧告又は第二項若しくは前項の規定による命令を行うために必要があると認めるときは、当該学校に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。
第十六条 子女を使用する者は、その使用によつて、子女が、義務教育を受けることを妨げてはならない。
第二章 小学校
第十七条 小学校は、心身の発達に応じて、初等普通教育を施すことを目的とする。
第十八条 小学校における教育については、前条の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。
一 学校内外の社会生活の経験に基き、人間相互の関係について、正しい理解と協同、自主及び自律の精神を養うこと。
二 郷土及び国家の現状と伝統について、正しい理解に導き、進んで国際協調の精神を養うこと。
三 日常生活に必要な衣、食、住、産業等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
四 日常生活に必要な国語を、正しく理解し、使用する能力を養うこと。
五 日常生活に必要な数量的な関係を、正しく理解し、処理する能力を養うこと。
六 日常生活における自然現象を科学的に観察し、処理する能力を養うこと。
七 健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養い、心身の調和的発達を図ること。
八 生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸等について、基礎的な理解と技能を養うこと。
第十八条の二 小学校においては、前条各号に掲げる目標の達成に資するよう、教育指導を行うに当たり、児童の体験的な学習活動、特にボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の充実に努めるものとする。この場合において、社会教育関係団体その他の関係団体及び関係機関との連携に十分配慮しなければならない。
第十九条 小学校の修業年限は、六年とする。
第二十条 小学校の教科に関する事項は、第十七条及び第十八条の規定に従い、文部科学大臣が、これを定める。
第二十一条 小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。
○2 前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。
○3 第一項の検定の申請に係る教科用図書に関し調査審議させるための審議会等(国家行政組織法 (昭和二十三年法律第百二十号)第八条 に規定する機関をいう。以下同じ。)については、政令で定める。
第二十二条 保護者(子女に対して親権を行う者、親権を行う者のないときは、未成年後見人をいう。以下同じ。)は、子女の満六才に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二才に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う。ただし、子女が、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまでに小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了しないときは、満十五歳に達した日の属する学年の終わり(それまでの間において当該課程を修了したときは、その修了した日の属する学年の終わり)までとする。
○2 前項の義務履行の督促その他義務に関し必要な事項は、政令でこれを定める。
第二十三条 前条の規定によつて、保護者が就学させなければならない子女(以下学齢児童と称する。)で、病弱、発育不完全その他やむを得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対しては、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定める規程により、前条第一項に規定する義務を猶予又は免除することができる。
第二十四条 削除
第二十五条 経済的理由によつて、就学困難と認められる学齢児童の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない。
第二十六条 市町村の教育委員会は、次に掲げる行為の一又は二以上を繰り返し行う等性行不良であつて他の児童の教育に妨げがあると認める児童があるときは、その保護者に対して、児童の出席停止を命ずることができる。
一 他の児童に傷害、心身の苦痛又は財産上の損失を与える行為
二 職員に傷害又は心身の苦痛を与える行為
三 施設又は設備を損壊する行為
四 授業その他の教育活動の実施を妨げる行為
○2 市町村の教育委員会は、前項の規定により出席停止を命ずる場合には、あらかじめ保護者の意見を聴取するとともに、理由及び期間を記載した文書を交付しなければならない。
○3 前項に規定するもののほか、出席停止の命令の手続に関し必要な事項は、教育委員会規則で定めるものとする。
○4 市町村の教育委員会は、出席停止の命令に係る児童の出席停止の期間における学習に対する支援その他の教育上必要な措置を講ずるものとする。
第二十七条 学齢に達しない子女は、これを小学校に入学させることができない。
第二十八条 小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。ただし、特別の事情のあるときは、教頭又は事務職員を置かないことができる。
○2 小学校には、前項のほか、栄養教諭その他必要な職員を置くことができる。
○3 校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。
○4 教頭は、校長を助け、校務を整理し、及び必要に応じ児童の教育をつかさどる。
○5 教頭は、校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行なう。この場合において教頭が二人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、その職務を代理し、又は行なう。
○6 教諭は、児童の教育をつかさどる。
○7 養護教諭は、児童の養護をつかさどる。
○8 栄養教諭は、児童の栄養の指導及び管理をつかさどる。
○9 事務職員は、事務に従事する。
○10 助教諭は、教諭の職務を助ける。
○11 講師は、教諭又は助教諭に準ずる職務に従事する。
○12 養護助教諭は、養護教諭の職務を助ける。
○13 特別の事情のあるときは、第一項の規定にかかわらず、教諭に代えて助教諭又は講師を、養護教諭に代えて養護助教諭を置くことができる。
第二十九条 市町村は、その区域内にある学齢児童を就学させるに必要な小学校を設置しなければならない。
第三十条 市町村は、適当と認めるときは、前条の規定による事務の全部又は一部を処理するため、市町村の組合を設けることができる。
第三十一条 市町村は、前二条の規定によることを不可能又は不適当と認めるときは、小学校の設置に代え、学齢児童の全部又は一部の教育事務を、他の市町村又は前条の市町村の組合に委託することができる。
○2 前項の場合においては、地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十四第三項 において準用する同法第二百五十二条の二第二項 中「都道府県知事」とあるのは、「都道府県知事及び都道府県の教育委員会」と読み替えるものとする。
第三十二条 町村が、前二条の規定による負担に堪えないと都道府県の教育委員会が認めるときは、都道府県は、その町村に対して、必要な補助を与えなければならない。
第三十三条 削除
第三十四条 私立の小学校は、都道府県知事の所管に属する。
第三章 中学校
第三十五条 中学校は、小学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、中等普通教育を施すことを目的とする。
第三十六条 中学校における教育については、前条の目的を実現するために、次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。
一 小学校における教育の目標をなお充分に達成して、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと。
二 社会に必要な職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。
三 学校内外における社会的活動を促進し、その感情を正しく導き、公正な判断力を養うこと。
第三十七条 中学校の修業年限は、三年とする。
第三十八条 中学校の教科に関する事項は、第三十五条及び第三十六条の規定に従い、文部科学大臣が、これを定める。
第三十九条 保護者は、子女が小学校又は特別支援学校の小学部の課程を修了した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十五才に達した日の属する学年の終わりまで、これを、中学校、中等教育学校の前期課程又は特別支援学校の中学部に就学させる義務を負う。
○2 前項の規定によつて保護者が就学させなければならない子女は、これを学齢生徒と称する。
○3 第二十二条第二項及び第二十三条の規定は、第一項の規定による義務に、これを準用する。
第四十条 第十八条の二、第二十一条、第二十五条、第二十六条、第二十八条から第三十二条まで及び第三十四条の規定は、中学校に、これを準用する。この場合において、第十八条の二中「前条各号」とあるのは、「第三十六条各号」と読み替えるものとする。