-教育の質の向上、財源確保の確実性・予見可能性、地方の自由度の拡大-
(1)教育条件整備に関する共通理解
○ 義務教育を支える教育条件の整備に関しては、以下の2点を大きな前提として具体的な在り方を考えていく必要がある。 義務教育は、国全体を通じての最重要事項であること ・ 義務教育は国全体を通じての最重要事項であり、その質の向上のため、国と地方が協力して、教職員配置、設備・教材、学校の施設など教育を支える条件整備を確固たるものとする必要がある。
義務教育に必要な財源を確実に確保する必要があること ・ 義務教育費は全ての予算において最優先すべき経費であり、教職員給与費をはじめとする必要な教育費は、確実に確保される必要がある。
○ また、義務教育の質の向上のためには、学校の施設、設備・教材、教職員配置等の条件整備が十分充実していることが肝要であり、特に、義務教育への投資の在り方について、多くの委員から以下の意見が出された。 ・ OECDの調査によれば、1995年から2001年の6年間における公財政による教育費支出の変化を国際的に比較すると、多くの国が教育費支出を伸ばしている中で、我が国の公財政支出は微増にとどまっている状況にある。
・ また、初等中等教育について、OECD平均(2001年)では対GDP比3.5パーセントが公財政支出に充てられているのに対して、我が国は2.7パーセントにとどまっている。
・ 今後とも我が国が教育立国としての地位を確保し続けるために、また、保護者の経済的格差が子どもたちの教育環境の格差につながらないようにするために、公財政支出を一層拡充する必要があると考える。
・ また、教育に対する公財政支出の拡充のためには、公債発行対象経費である投資的経費に比べて、消費的経費が大半を占める教育支出が増えにくい財政制度や公財政支出構造の仕組みを見直すことが必要である。
・ なお、公財政支出の拡充について、国民の理解を得るためには、教育の成果についての評価を行うことや、必要な効率化を図ることも併せて検討する必要がある。
○ さらに、教育条件の整備に関連しては、以下も重要である。 ・ 教育の分権改革を推進するため、教育内容、学級編制、人事、予算の執行等について、できる限り市区町村や学校の裁量を拡大する必要がある。
・ 地方・学校現場の裁量に委ねつつ、教職員配置の改善を通じて、少人数教育を一層推進する必要がある。
・ 教職員給与費は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(義務標準法)に基づいて算出される人数に対応して、所要額が確保される必要がある。
・ 学校の教材、図書等の整備や、司書の配置など、子どもたちの教育環境を充実させる必要がある。
・ 条件整備の状況を把握するための学校の評価制度の導入を検討する必要がある。評価の具体的な実施方法については、学校の序列化などの弊害を生じさせないよう十分な配慮が必要である。
○ なお、費用負担の在り方を検討する際には、義務教育の経費の7割以上を占める教職員人件費(給料・諸手当に、退職手当、共済費などを加えたもの)の将来の動向を踏まえるべきであるとの観点から一定の前提条件の下に推計を行った。
これによると、平成16年度の公立義務教育諸学校の教職員人件費は5兆8,900億円と見込まれるが、今後、教職員の定期昇給や退職手当、共済費の負担の増大等のため、教職員配置基準を現状のまま改善しない場合でも、平成18年度には6兆円を超え、平成26年度には6兆3,200億円とピークを迎えることが推測される(平成30年度には6兆2,000億円)。これに公立高等学校の分を加えると、教職員人件費の合計は、平成16年度の8兆2,400億円が、平成28年度には8兆8,600億円(平成16年度比6,200億円増)でピークを迎え、平成30年度においても8兆8,400億円となる。平成16年度から平成30年度までの負担増の累積は6兆4,300億円に達することが推測される。
(1)教育条件整備に関する共通理解
○ 義務教育を支える教育条件の整備に関しては、以下の2点を大きな前提として具体的な在り方を考えていく必要がある。 義務教育は、国全体を通じての最重要事項であること ・ 義務教育は国全体を通じての最重要事項であり、その質の向上のため、国と地方が協力して、教職員配置、設備・教材、学校の施設など教育を支える条件整備を確固たるものとする必要がある。
義務教育に必要な財源を確実に確保する必要があること ・ 義務教育費は全ての予算において最優先すべき経費であり、教職員給与費をはじめとする必要な教育費は、確実に確保される必要がある。
○ また、義務教育の質の向上のためには、学校の施設、設備・教材、教職員配置等の条件整備が十分充実していることが肝要であり、特に、義務教育への投資の在り方について、多くの委員から以下の意見が出された。 ・ OECDの調査によれば、1995年から2001年の6年間における公財政による教育費支出の変化を国際的に比較すると、多くの国が教育費支出を伸ばしている中で、我が国の公財政支出は微増にとどまっている状況にある。
・ また、初等中等教育について、OECD平均(2001年)では対GDP比3.5パーセントが公財政支出に充てられているのに対して、我が国は2.7パーセントにとどまっている。
・ 今後とも我が国が教育立国としての地位を確保し続けるために、また、保護者の経済的格差が子どもたちの教育環境の格差につながらないようにするために、公財政支出を一層拡充する必要があると考える。
・ また、教育に対する公財政支出の拡充のためには、公債発行対象経費である投資的経費に比べて、消費的経費が大半を占める教育支出が増えにくい財政制度や公財政支出構造の仕組みを見直すことが必要である。
・ なお、公財政支出の拡充について、国民の理解を得るためには、教育の成果についての評価を行うことや、必要な効率化を図ることも併せて検討する必要がある。
○ さらに、教育条件の整備に関連しては、以下も重要である。 ・ 教育の分権改革を推進するため、教育内容、学級編制、人事、予算の執行等について、できる限り市区町村や学校の裁量を拡大する必要がある。
・ 地方・学校現場の裁量に委ねつつ、教職員配置の改善を通じて、少人数教育を一層推進する必要がある。
・ 教職員給与費は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」(義務標準法)に基づいて算出される人数に対応して、所要額が確保される必要がある。
・ 学校の教材、図書等の整備や、司書の配置など、子どもたちの教育環境を充実させる必要がある。
・ 条件整備の状況を把握するための学校の評価制度の導入を検討する必要がある。評価の具体的な実施方法については、学校の序列化などの弊害を生じさせないよう十分な配慮が必要である。
○ なお、費用負担の在り方を検討する際には、義務教育の経費の7割以上を占める教職員人件費(給料・諸手当に、退職手当、共済費などを加えたもの)の将来の動向を踏まえるべきであるとの観点から一定の前提条件の下に推計を行った。
これによると、平成16年度の公立義務教育諸学校の教職員人件費は5兆8,900億円と見込まれるが、今後、教職員の定期昇給や退職手当、共済費の負担の増大等のため、教職員配置基準を現状のまま改善しない場合でも、平成18年度には6兆円を超え、平成26年度には6兆3,200億円とピークを迎えることが推測される(平成30年度には6兆2,000億円)。これに公立高等学校の分を加えると、教職員人件費の合計は、平成16年度の8兆2,400億円が、平成28年度には8兆8,600億円(平成16年度比6,200億円増)でピークを迎え、平成30年度においても8兆8,400億円となる。平成16年度から平成30年度までの負担増の累積は6兆4,300億円に達することが推測される。