ウエノさんのお見舞いに行ってきた。
カエデさんと一緒に、二人で山道をびゅんと飛ばした。
あれから・・・カエデさんは何度かウエノさんを見舞いに行き、躊躇するジョージさんを看破したそうだ。(ジョージさんもまた「会」の一人である)
「何言ってんのよ。くだくだいわないでまずは行ってみたらどう?」
「って、カエデさんに背中押してもらって、ボクもこないだの日曜に行ってきました~」
仲間内で流しているメーリングリストでその顛末を知った。心の中で、快哉。
やっぱりカエデさんは、こうでなくちゃ。
病室――。「お、来たね」と言いたげなウエノさんのベッドの横で、とつとつボケとツッコミをやらかす二人。
「MLの大半が迷惑メールに分けられちゃってるんですよね~」
「迷惑なんかい!」
ツッコミね。8年京都にいてもぜんぜんうまくならないのである。話術も時と場合によりけりね。勤務校に行く途中には毎朝、米朝全集聞いてたんですけどね。
「ヤだよ おまさん」
ちっともうまくならないのである。師匠、どうしましょう。
***
「あなた、時間ある」
ということで北大路の福祉施設にくっついている喫茶店でお茶をのむ。カエデさんはここで月に何度かボランティアをしている。視覚障害の人のための、聴覚資料を作っているのだ。
「退院して、ご実家に戻られるっていうじゃない。ご実家まで行ってもいいけどさ、やっぱり病院のほうが、会いに行きやすいじゃない。私たち。ね」
三時の空はうすみずいろで、全天が光を反射した。
たゆたうように、長い髪が揺れた。
やはりきれいな人なのだった。
カエデさんと一緒に、二人で山道をびゅんと飛ばした。
あれから・・・カエデさんは何度かウエノさんを見舞いに行き、躊躇するジョージさんを看破したそうだ。(ジョージさんもまた「会」の一人である)
「何言ってんのよ。くだくだいわないでまずは行ってみたらどう?」
「って、カエデさんに背中押してもらって、ボクもこないだの日曜に行ってきました~」
仲間内で流しているメーリングリストでその顛末を知った。心の中で、快哉。
やっぱりカエデさんは、こうでなくちゃ。
病室――。「お、来たね」と言いたげなウエノさんのベッドの横で、とつとつボケとツッコミをやらかす二人。
「MLの大半が迷惑メールに分けられちゃってるんですよね~」
「迷惑なんかい!」
ツッコミね。8年京都にいてもぜんぜんうまくならないのである。話術も時と場合によりけりね。勤務校に行く途中には毎朝、米朝全集聞いてたんですけどね。
「ヤだよ おまさん」
ちっともうまくならないのである。師匠、どうしましょう。
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「あなた、時間ある」
ということで北大路の福祉施設にくっついている喫茶店でお茶をのむ。カエデさんはここで月に何度かボランティアをしている。視覚障害の人のための、聴覚資料を作っているのだ。
「退院して、ご実家に戻られるっていうじゃない。ご実家まで行ってもいいけどさ、やっぱり病院のほうが、会いに行きやすいじゃない。私たち。ね」
三時の空はうすみずいろで、全天が光を反射した。
たゆたうように、長い髪が揺れた。
やはりきれいな人なのだった。