僕は水を撒かない
誘われてもねだられても鳴かれても
撒かない
種だけを満遍なく散らした
両の手で捏ねくりまわしたベッドに
赤ん坊を寝かせて
誰も盗って喰えないくらいに
毛布をありったけ被せた
始めに一人があった
ぼくも、ひとりからはじまった
真っ暗なのに妙に居心地のいい不安
しょっちゅう揺れて、うるさくて
だんだん圧迫されてる感覚を知って
徐々に冷たく冷たく手が伸びる
か細く枯れた僕
あっちゃこっちゃ振り回されて捻れて
実が出てもう折れた
ぼろ雑巾が水分を落とすあの悲鳴
錆びたナイフで壊す玉ねぎの繊維
僕は円を描いた
軽くて細くてただ、鋭い
そんな見えない聖剣を振り回して
鳴いた
まあ世の理よ
掴んだ者の勝ちだとね
腰に宿してふるって掲げる
落されるその日まで
誘われてもねだられても鳴かれても
撒かない
種だけを満遍なく散らした
両の手で捏ねくりまわしたベッドに
赤ん坊を寝かせて
誰も盗って喰えないくらいに
毛布をありったけ被せた
始めに一人があった
ぼくも、ひとりからはじまった
真っ暗なのに妙に居心地のいい不安
しょっちゅう揺れて、うるさくて
だんだん圧迫されてる感覚を知って
徐々に冷たく冷たく手が伸びる
か細く枯れた僕
あっちゃこっちゃ振り回されて捻れて
実が出てもう折れた
ぼろ雑巾が水分を落とすあの悲鳴
錆びたナイフで壊す玉ねぎの繊維
僕は円を描いた
軽くて細くてただ、鋭い
そんな見えない聖剣を振り回して
鳴いた
まあ世の理よ
掴んだ者の勝ちだとね
腰に宿してふるって掲げる
落されるその日まで