ユーキャン詩集

創作した詩を不定期投稿していきます!感想などございましたらぜひコメントください!時々、旅日記なども載せます!

保存方法

2018-10-09 16:34:33 | 創作(詩)
知らないでしょう
私の戸惑いを
いつか心を寄せたあの頃を
タンスに隠しているの
防臭剤を散りばめて
大事に大事に保存して
大切に仕舞っているの
少しずつ燃えるゴミにも
出したけど
これらは他愛のない日常品
けれど一緒に歩んだそれも
いつも握っていたこれも
かけがえのない宝物

ピンポーン

ドアの向こうに燃えるゴミ
異物でも入っていたのかな?
ゴミごとまとめて返ってきた
新聞紙の膜を破り捨て
ビニールに包まれたそれを取る
胃から食道、全身へ
蛆虫共が這い回る
次第に鼻、目、心、
そして部屋中が
それが欲しいと訴える

空は一面積乱雲
徐々に膨らむ雲の端から
死神たちが降ってきた

大切だと思っていた
今度はそれをパックに入れて
冷凍庫へ手早く収納
氷もしっかり散りばめて
肉塊保存の延長戦
次に手にするのはいつになるかな?
大事に凍らせたそれを
解凍するその時まで

シャボン玉

2018-10-07 10:00:11 | 創作(詩)
まだ見えない時から拳は握られていた

真っ白な空間
天井の亀裂が光で見えなくて
誰とも知れぬ
無数の手に抱きかかえられて
そこで観る


好物は意外にも薄味でした

好きな時に食べられない
察しろ
無理か
気づけ
まだか
近過ぎて伸ばすも触れることさえ叶わない
小さな肺胞が膨らむ
感極まれり

積み木に触れたから弾けてしまったのかも知れません

あれも、これも、それも。等々
拾ってきました
探してみました漁ってみました
取ってきました買ってきました
手汗が滲みましたが盗れました
なんてこったい

今日は天気がいいですね
高層マンションドアの前
飛び交う近所話と手すりに蠅
五月はよく膨らむんですよ
なんて

割れちゃった水滴は地面にすら残らなくて

私。歌います。
抱きかかえられた時、みんなが歌ってくれたから。
私も歌って聞かせます。

パー、私の拳は広がりました

額縁日記

2018-10-01 17:30:02 | 創作(詩)
まなこに映るモノクロ畑
金に輝くはずの稲穂も無彩色を放つ今日

情けか

トラクターは根を少し残し
小さな小さな粒を食い散らかす
切り口に何も感じない
流せばいい涙も掻っ攫われたように
佇んで

コンクリートが正義となった一昨日の夜
有彩色は負けた
今、不思議と無彩色は溶け込んでいる

モノクロの世界

川の流れが濁流に見えた昨日の朝
海釣りが悪魔召喚の儀式だと体を震わす昼間
足をベタ付けする地表すら信じられなくなるだろう明日の夜

愛す彼女を貫くと確信できる
明後日の僕のペニスが
もう熱を持たない絶縁体だとしても