かつて左翼と呼ばれる人々がいたというかまだいるというか、左翼という言葉はワタシにとっては三葉虫と同じくらい遠い遠い存在なんでポカーンなんですが。渋谷中央図書館でなんか変わった本読みたいなあと思って背表紙眺めているとこの本が目に入って辻井喬さんてたしか堤清二さんだったよね、そういやこの人の文章読んだことないや試しに読んでみるかという軽い気持ちで読んでみました。
「心をつなぐ左翼の言葉」 辻井喬 聞き手 浅尾大輔 かもがわ出版
ひとことで言うと、「左翼の、左翼による、左翼のための本」です。
気持ちの悪い「余裕」
基本的には浅尾大輔さんが質問をして辻井喬さんがそれに答えるというインタビュー形式。浅尾さんが辻井さんにご高説を伺ってそうだったんですね!とヨイショする、辻井さんも余裕しゃくしゃくで答えて二人で微笑しあっている、というのがどうにも気色悪かったです。
なんというか、この人達が最後まで意味不明の余裕を漂わせているところが不思議でしょうがなかったです。どうも「資本主義やアメリカ帝国主義を信じている人々を、正してあげないといけない目を覚まさせないといけない」と考えているフシがあります。「相手の主張や意見も聞いてあげないといけないよね、でもそれって間違っているからそれとなく正してあげないといけないよね、ボクたち正しいんだから」というような上から目線、自分達がなにか高いポジションにいて他を一段下に見下して哀れんでいるようです。なにこの根拠ない自信。
辻井さんて、対岸の火事をお茶しながら優雅に眺めている人みたい。このひと達は自分達が考えてることが永久不滅の真理であると信じているみたい。左翼という勢力が力を失っているのは薄々感じていても決して認めずに「百年単位で見たら正しいことでも五年なり十年なりの間で考えたときにはこれは間違っていたということはたくさんある」と頑張ります。左翼はいま間違っていると思われてるけどこの先どうなるかは誰にも分からないんだよ、と。
オタク同士が自慢のフィギュアを見せあっているような感じ、当人たちだけがキャアキャア言って喜んでる、好きな人は理解できるけど大多数は理解不能、彼らもそこで悩んでる、いったい彼らは誰と言葉をつなごうと考えているんでしょうね。
ワタシ的には「二十世紀とはイデオロギーによって大勢の人が殺された時代」という河合隼雄さんの言葉に強く共感します。そういう時代がやっと終わったのに、まだ社会主義や共産主義を後生大事にしている人達をワタシはまったく信用できません。
「護憲」という思い込み
護憲ということでワタシ的には全くリアリティないなあと首をかしげます。本来的には国民を守ることが大切であってそうではなく憲法を護るというのは本末転倒だと思います。憲法といえども法律なのですから改正することもあるんじゃないでしょうか。
9条というのはルールで戦争できませんと言ってるのであって、それを護るというのは思考停止じゃないの?屁理屈をこじつけて現実から乖離した言葉を並べ立てる左翼の言葉は永遠に届かない、と思います。
「護憲のために統一戦線をつくらなければならない、そのためには相手の思想信条その他を深く尊重することが大原則」うーん、統一戦線という言葉も気持ち悪いですが、護憲のために思想信条の違う人を深く尊重するのがなんで大原則になるんですかね、それに護憲だけがどうしてそんなに大事なのか、まったく理解できません。護憲のためだったら騙しでもなんでもする、そういうことなんでしょうか。
護憲というのは、交通ルールを守りさえすれば一生交通事故に会わないんだ警察いらないんだと主張しているのと同じだと思います。
「日本国憲法を変えるということは、完全に独立を失うことにつながる」「アメリカが日本を操り人形にする、これだけは防がなきゃならない」と真顔で主張、確かに9条だけ変えてもアメリカに自衛隊をいいように使われるだけというのは理解できます。でもそれは今はそうじゃないと言うのですかね。海上自衛隊はアメリカ第七艦隊の一部だよ。そういう現実を知らないのか無視するのか。そもそも自衛隊も安保も無かったら日本は侵略されて独立を失う、と思うんですが。
「日本はアメリカにもヨーロッパにもアドバイスできる立場だしそれはしなきゃならない。なぜそれができるかというと、平和憲法を持っているから」「日本国憲法というのは、日本の言うことは覇権主義じゃないんだという担保、まずは通貨面でこれまでのグローバリゼーションを解体していく」このくだりを読んで鳩山由紀夫さんを思い出しました。鳩山さん、どうしようもない人でしたね。辻井さんは断片的には真っ当なことも言うことあるんですが、ここの部分は的外れだと思います。
この人達はイデオロギーという箱庭のなかでママゴトしてるだけ遊んでいるだけじゃないかと思います。この人達が後生大事に守ろうとしている日本国憲法が日米安保条約とセットであるという事実を、永遠に認めないのかな。
あくまでも、左翼言葉、左翼思想にこだわる気持ち悪さ
平和が目的といってますが、「統一戦線」という表現が好戦的じゃないかと思います。なんでもかんでも戦い、闘争、疲れるなあ。対立か連帯か、両極端の発想。左翼がかつて分裂を繰り返し集団リンチして仲間を殺した事実を日本国民は忘れていませんよ。
「フリーマーケットやリサイクルは資本主義市場と既成の流通市場に対して明らかなアンチテーゼ」とか得意顔して言うけど、社会主義や共産主義ではフリマもリサイクルも決して生まれなかったと思いますが。
「派遣村は、きわめて日本国憲法的な存在としてとらえられる」うーん憲法によってはぐまれたというよりは、日本人が昔から持っている互助の精神によるものだと思いますよ。
辻井さんからも「感性の言葉を紡ぐはずの党員文学者」がどうたらという発言があって、イデオロギーに縛られて一体どんなスバラシイ言葉を紡ぎ出すのか、ハテナマークが点灯しまくりました。文学者というか表現する人は全てイデオロギーに縛られずノビノビ表現するべきだと思うんですが、それが許されないのであれば、やっぱり資本主義がいいですね。
グローバリゼーションを解体しなきゃいけないと力説しますが、解体という言葉がもう気持ち悪い、なんでもかんでも破壊したがるから困ったものです。この点では「グローバリゼーションとは、ローカルな人達の間に無理矢理入ろうとするときに使う方便」と言い切った日下公人さんの方がより本質的です。
呉善花さんが主張している「物作りは一生勉強とか一生修業と語る日本の物作り名人たちの姿勢が世界の希望たりえる」の方がまだ納得します、イデオロギーなんかと一切無縁ですからね。労働者の連帯とか新しいコミュニティとか言っても全然意味がない、そもそもイデオロギーと結びつけようとする努力が間違っている。
でも善意に解釈すると、左翼という思想や勢力が力を失って久しい状況で、まだ生き残ってる左翼が何をなすべきか何ができるかを模索しているという感じもします。浅尾さんは派遣村を取材したりして派遣切りにあった人達の苦しみやその後の経緯をリアルに知っていてその辺の取材は感心します。でも「大衆のエネルギーは死んでいない」「資本主義でもない、ソ連型社会主義でもない新しいコミュニティが生まれつつある」と、どうしても左翼の言葉で語ろうとしたり左翼勢力に取り込もうとする点が解せません。連帯とか統一戦線とかそういうイデオロギーから離れて今の日本の現状や希望を語ったほうが、スッキリするはずですが。
浅井さんは「左翼だけは精神論に陥っちゃならない」と主張しますが、左翼という存在が最初から精神論じゃん。何寝ぼけたこと言ってるのこの人?ああ、批判だけじゃなくて行動しろということですか、だから統一戦線ですか闘争ですか、迷惑だなあ。
まとめ。辻井喬さんはセゾングループ総帥なんだから(今は違うらしい)、派遣切りされた人達をいっぱい雇えばよかったのに。
「心をつなぐ左翼の言葉」 辻井喬 聞き手 浅尾大輔 かもがわ出版
ひとことで言うと、「左翼の、左翼による、左翼のための本」です。
気持ちの悪い「余裕」
基本的には浅尾大輔さんが質問をして辻井喬さんがそれに答えるというインタビュー形式。浅尾さんが辻井さんにご高説を伺ってそうだったんですね!とヨイショする、辻井さんも余裕しゃくしゃくで答えて二人で微笑しあっている、というのがどうにも気色悪かったです。
なんというか、この人達が最後まで意味不明の余裕を漂わせているところが不思議でしょうがなかったです。どうも「資本主義やアメリカ帝国主義を信じている人々を、正してあげないといけない目を覚まさせないといけない」と考えているフシがあります。「相手の主張や意見も聞いてあげないといけないよね、でもそれって間違っているからそれとなく正してあげないといけないよね、ボクたち正しいんだから」というような上から目線、自分達がなにか高いポジションにいて他を一段下に見下して哀れんでいるようです。なにこの根拠ない自信。
辻井さんて、対岸の火事をお茶しながら優雅に眺めている人みたい。このひと達は自分達が考えてることが永久不滅の真理であると信じているみたい。左翼という勢力が力を失っているのは薄々感じていても決して認めずに「百年単位で見たら正しいことでも五年なり十年なりの間で考えたときにはこれは間違っていたということはたくさんある」と頑張ります。左翼はいま間違っていると思われてるけどこの先どうなるかは誰にも分からないんだよ、と。
オタク同士が自慢のフィギュアを見せあっているような感じ、当人たちだけがキャアキャア言って喜んでる、好きな人は理解できるけど大多数は理解不能、彼らもそこで悩んでる、いったい彼らは誰と言葉をつなごうと考えているんでしょうね。
ワタシ的には「二十世紀とはイデオロギーによって大勢の人が殺された時代」という河合隼雄さんの言葉に強く共感します。そういう時代がやっと終わったのに、まだ社会主義や共産主義を後生大事にしている人達をワタシはまったく信用できません。
「護憲」という思い込み
護憲ということでワタシ的には全くリアリティないなあと首をかしげます。本来的には国民を守ることが大切であってそうではなく憲法を護るというのは本末転倒だと思います。憲法といえども法律なのですから改正することもあるんじゃないでしょうか。
9条というのはルールで戦争できませんと言ってるのであって、それを護るというのは思考停止じゃないの?屁理屈をこじつけて現実から乖離した言葉を並べ立てる左翼の言葉は永遠に届かない、と思います。
「護憲のために統一戦線をつくらなければならない、そのためには相手の思想信条その他を深く尊重することが大原則」うーん、統一戦線という言葉も気持ち悪いですが、護憲のために思想信条の違う人を深く尊重するのがなんで大原則になるんですかね、それに護憲だけがどうしてそんなに大事なのか、まったく理解できません。護憲のためだったら騙しでもなんでもする、そういうことなんでしょうか。
護憲というのは、交通ルールを守りさえすれば一生交通事故に会わないんだ警察いらないんだと主張しているのと同じだと思います。
「日本国憲法を変えるということは、完全に独立を失うことにつながる」「アメリカが日本を操り人形にする、これだけは防がなきゃならない」と真顔で主張、確かに9条だけ変えてもアメリカに自衛隊をいいように使われるだけというのは理解できます。でもそれは今はそうじゃないと言うのですかね。海上自衛隊はアメリカ第七艦隊の一部だよ。そういう現実を知らないのか無視するのか。そもそも自衛隊も安保も無かったら日本は侵略されて独立を失う、と思うんですが。
「日本はアメリカにもヨーロッパにもアドバイスできる立場だしそれはしなきゃならない。なぜそれができるかというと、平和憲法を持っているから」「日本国憲法というのは、日本の言うことは覇権主義じゃないんだという担保、まずは通貨面でこれまでのグローバリゼーションを解体していく」このくだりを読んで鳩山由紀夫さんを思い出しました。鳩山さん、どうしようもない人でしたね。辻井さんは断片的には真っ当なことも言うことあるんですが、ここの部分は的外れだと思います。
この人達はイデオロギーという箱庭のなかでママゴトしてるだけ遊んでいるだけじゃないかと思います。この人達が後生大事に守ろうとしている日本国憲法が日米安保条約とセットであるという事実を、永遠に認めないのかな。
あくまでも、左翼言葉、左翼思想にこだわる気持ち悪さ
平和が目的といってますが、「統一戦線」という表現が好戦的じゃないかと思います。なんでもかんでも戦い、闘争、疲れるなあ。対立か連帯か、両極端の発想。左翼がかつて分裂を繰り返し集団リンチして仲間を殺した事実を日本国民は忘れていませんよ。
「フリーマーケットやリサイクルは資本主義市場と既成の流通市場に対して明らかなアンチテーゼ」とか得意顔して言うけど、社会主義や共産主義ではフリマもリサイクルも決して生まれなかったと思いますが。
「派遣村は、きわめて日本国憲法的な存在としてとらえられる」うーん憲法によってはぐまれたというよりは、日本人が昔から持っている互助の精神によるものだと思いますよ。
辻井さんからも「感性の言葉を紡ぐはずの党員文学者」がどうたらという発言があって、イデオロギーに縛られて一体どんなスバラシイ言葉を紡ぎ出すのか、ハテナマークが点灯しまくりました。文学者というか表現する人は全てイデオロギーに縛られずノビノビ表現するべきだと思うんですが、それが許されないのであれば、やっぱり資本主義がいいですね。
グローバリゼーションを解体しなきゃいけないと力説しますが、解体という言葉がもう気持ち悪い、なんでもかんでも破壊したがるから困ったものです。この点では「グローバリゼーションとは、ローカルな人達の間に無理矢理入ろうとするときに使う方便」と言い切った日下公人さんの方がより本質的です。
呉善花さんが主張している「物作りは一生勉強とか一生修業と語る日本の物作り名人たちの姿勢が世界の希望たりえる」の方がまだ納得します、イデオロギーなんかと一切無縁ですからね。労働者の連帯とか新しいコミュニティとか言っても全然意味がない、そもそもイデオロギーと結びつけようとする努力が間違っている。
でも善意に解釈すると、左翼という思想や勢力が力を失って久しい状況で、まだ生き残ってる左翼が何をなすべきか何ができるかを模索しているという感じもします。浅尾さんは派遣村を取材したりして派遣切りにあった人達の苦しみやその後の経緯をリアルに知っていてその辺の取材は感心します。でも「大衆のエネルギーは死んでいない」「資本主義でもない、ソ連型社会主義でもない新しいコミュニティが生まれつつある」と、どうしても左翼の言葉で語ろうとしたり左翼勢力に取り込もうとする点が解せません。連帯とか統一戦線とかそういうイデオロギーから離れて今の日本の現状や希望を語ったほうが、スッキリするはずですが。
浅井さんは「左翼だけは精神論に陥っちゃならない」と主張しますが、左翼という存在が最初から精神論じゃん。何寝ぼけたこと言ってるのこの人?ああ、批判だけじゃなくて行動しろということですか、だから統一戦線ですか闘争ですか、迷惑だなあ。
まとめ。辻井喬さんはセゾングループ総帥なんだから(今は違うらしい)、派遣切りされた人達をいっぱい雇えばよかったのに。
あと、フィギュアを見せ合うオタクなんているんだろうか…失礼かもしれませんが、あなたも左翼と同じで自分が理解できないものを理解しようという気が足りないところがある気がします。
非常に気持ち悪く運営をたどっていたところ、
左翼でした。
そこで「左翼 文章 気持ち悪い」で検索したら、
こちらがヒットしましたので訪問させていただきました。
気持ち悪さが解明され、とてもスッキリしました!
どうも「意識高い系」で見た目はキレイに取り繕っているけど、
ほんと内輪受けだけで成り立っている世界というか。
彼らは自己浄化やら補正ができないんでしょうね。
わたしはこの記事に100%同意します。
ありがとうございました。