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植物関連

トマト『麗妃』 低段密植連続栽培(6段)

2018-12-06 21:58:21 | トマト

久しぶりの投稿です。

しばらく前ですが、風邪をひいて時間があったのでトマトの写真を撮影してみました。

 

トマト『麗妃』カメラを温室に持ち込んですぐ撮影したのでレンズが曇ってしまいました。果実を確認できるのが一段目(一般栽培では最も日が当たりにくい段)、連続摘芯栽培で表現すると第一基本枝の第一花房、そのすぐ下の黄色い帯状の段が二段目、さらにその下の黄色い帯が三段目になります。

 

トマト『麗妃』

 

トマト『麗妃』

 

2009年10月29日に投稿した基本枝は、H県の試験場が発表している低段密植栽培の様なやや水平方向に配置されています。今回は別ハウスで、施設の関係で主枝から約30cm離れた位置で垂直に下垂しています。

特徴としては下垂した各果房・花房(3段)の採光性(受光性)が非常に良い事(果房周辺の葉かきを行っていない時点でも)です。これらの遠景写真から、第一花房の多くの玉の花落ちが天井または天井から南方向へ向いている(*1)ことに気付かれた方もいらっしゃるかもしれません。

 

育種メーカーさんの説明では、

「極硬玉のトマト『麗妃』は、・・・・・、生産面でもこの硬さは真価を発揮します。収穫が多少遅れても硬さを維持し品質が低下しない事から、圃場でしばらくおいておくこともできます。従来品種では果実の色が回ると徐々に軟化が進むため収穫しなければなりませんが、『麗妃』は、生産者がある程度、出荷を調整することも可能です。・・・・・・」

との事です。

これをこちらなりに意訳すると(あくまでもこちらの勝手な解釈で、育種メーカーさんには文責はありません。)

「低温低日照の冬季に肩回りから着色し始めた後、花落ちまで着色するまでは時間がかかります。しかし極硬玉のトマト『麗妃』はそれまで待っても品質が落ちません。」

となります。

花落ちから着色し始める熟度判定の写真を見慣れた方には「一体この人は何を言っているのか?」ということになるかもしれません。

 

着色前の複数果房が露出する過激な葉かきをする方は「糖度も食味も変わらない。」「果実も光合成をする。」と言う方が多いような印象を受けます。こちらでも葉かきを行いますが、過激な葉かきは行いません。着色前の複数果房が露出する葉かきに抵抗感を感じる方には向いているかもしれません。

 

捻枝について:H県やこの写真の様な低段密植短期連続栽培(H県ほど密植はしていない。)、連続摘芯栽培では程度の差はあれ基本枝を下垂させることになります。この捻枝が導入に二の足を踏む要因の一つではないでしょうか?

こちらでの捻枝は、捻枝部分に大きな負荷がかからない方法を採用しています。一般的な連続摘芯栽培での捻枝作業は、捻枝後完全に下垂させずに途中までとして、自重で徐々に下垂させる方法がとられます。また、人によってはペンチを使っての捻枝を行われる場合もあります。どちらも可成りの緊張感を伴います。作業時間の制約もあります。一般的には晴天日の午後とされています。

ここでの捻枝作業は捻枝部に負担をあまりかけないまま、一気に垂直方向へ下垂させます。人によっては、連続摘芯栽培は捻枝部分に負荷が大きくかかることにメリットがあると考える方もいらっしゃいます。「基本枝の同化産物が捻枝部分の強い負荷によりほかへ移動しない。」という考え方のようです。下垂させるだけで充分な効果が期待できると考える方、作業時間の制約を受けたくない方(こちらでは雨でない限り午前も午後も捻枝させます。)、捻枝作業中の緊張感を無くしたい方には向いているかもしれません。

 

*1:もう少し正確に表現すると、天井または天井方向から南、さらにやや東または西方向・・・・といった感じでしょうか。南北チャンネルの二条植えなので必然的にこうなります。

 

今回H県という表現を使いました。以前とは随分異なっているとは思いますが、かつて試験場や研究機関の発表には時々問題がありました。大昔に勤めていた会社で、まるで社員のように自由に会社内を歩き回っている方がいました。上場の関係か当時の社長(最終学歴)とその方の出身校が同じだったからか分かりません。野X総研のその方は色々な試験場の研究結果を分析されていました。葉菜類(土耕で、移動ベンチではない)のある研究結果が気になって(収量が良いので)、あれこれ調べたそうです。研究者の単純ミスで悪意はなかったのかもしれませんが、通路が計算に入っていなかったそうです。小面積の試験結果を単純に一反当たりに換算したために起きたのかもしれません。この手の研究発表が非常に多いとの事でした。

研究機関の発表は60坪やそれ以下の面積で行った結果をそのまま生産規模に換算したり十分な検証実験(作業)が行われていない場合があります。

新技術や新しい装置を導入する場合は十分な確認を行うことが重要と思います。新しい技術や装置を導入しても、それで生産者の技術レベルが上がるわけではありませし。

 


トマトの連続摘芯栽培’11-’12促成栽培第一基本枝

2012-05-12 00:40:53 | トマト

トマトの連続摘芯栽培2011-2012促成栽培の着色はじめのころです。抑制栽培の立毛は写真を以前貼りましたが促成栽培はまだしていません。以前にも書きましたが、抑制栽培ではすべての基本枝を水平方向へ誘引しています。一方、促成栽培は第二基本枝をほぼ基本通りに下垂させます。その後は、以前書きましたがこちらの都合で少しアレンジしています。

このブログの中でまだ写真を貼っていない花の品種登録が迫ってきたのでそろそろトマトを少し縮小する予定です。もちろんやめません。理由は山ほどありますが、機会があれば二、三書き込みます。

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秀麗 vs 麗容

2011-01-08 01:36:00 | トマト

今回の抑制栽培では半分秀麗を作付けしています。生産規模で秀麗を作るのは初めてになります。ランダムに写真を並べますが、区別がつくでしょうか?自身が生産者になってからはほとんど他の生産者の方々の作柄を見る機会がありません。はたして、両方の品種に適した栽培をしているのか?もしくはどちらかの品種に向いた栽培をしているのかさえ、正確なところは分かりません。したがって、品種の比較が出来る状況ではありませんが今回の作付けに関しては若干の違いを感じます。もっとも、最初の写真を除いて他の写真での違いが重要でなければ(出荷や販売方法に関連して)こだわる必要はないかもしれません。

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最初の写真のみ品種を明かすとこれは秀麗です。他の写真で区別できるでしょうか?今回も2009年播種の抑制栽培同様、連続二段摘心栽培で第一第三基本枝に各二花房、第二第四基本枝に各三花房確保しています。最初の写真の株のみ第三基本枝に三花房確保したのでこれが普通栽培の8段目にあたります。他はすべて第三基本枝の二花房目で普通栽培の7段目にあたります。
今回の作付けからの印象では秀麗がやや腰高の感じがします。全てという訳ではありませし、何度も生産規模で比較しているわけではありませんから、くどいようですが、今回の作付けからのみの印象です。秀麗がすべて最初の写真の果形になるようであれば人によって有利不利があるかもしれません。麗容でも樹がかなりしぼられた株では若干腰高になったものを見たことがありますが、最初の写真程度まで玉伸びした場合ではほとんど記憶にありません。
最初の写真の果形を見て生産者になる前のずっと昔の事を思い出しました。圃場で、ハンバーガーの会社がハンバーガー用のトマトとして紹介された品種よりもマイロックに非常に興味を示されました。もし、秀麗が最初の写真の果形になるように生産できれば同じ王様トマトの中ではマイロックよりもはるかに有利な感じがします。マイロックと秀麗を同時に作付けしたことはありません。印象としてはマイロックの方が硬いと思いますが、麗容・秀麗ともに完熟出荷向きの品種として十分な硬さがあると思います。もちろん作り方次第ですが。


トマトの連続摘心栽培 促成栽培第一基本枝 一花房目

2010-02-02 23:36:32 | トマト

写真の花房は平均的な着果数ではありませんが、周辺の株と比べ特に草勢が衰える兆候がない場合はそのまま着果させています。摘心と捻枝まで側枝を放任する事と普通栽培ほどには摘果しない事が草勢を安定させ異常茎と乱形花を防ぐ事に役立っていると考えています。普通栽培では第一花房を確実に着果させる事で草勢の安定、そこそこ摘果する事で草勢の維持を図ることが重要ですが、連続摘心栽培では普通栽培並みの摘果はしないほうが草勢が安定するように感じています。もちろん、工業製品ではありませんから一株一株と相談しながらということになりますが。

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写真は促成栽培第一基本枝の一花房目の着色直前の様子と二番目の写真の花房が着色し始めた頃のものです。着色具合も食味も抑制栽培の最後とは別物のようです。抑制栽培の最後と促成栽培の初期を重ねてみたわけですが、この二つを並べて食べ比べをされた方の中には、とても同じ生産者の同じ品種とは信じられないと言われる人もいらっしゃるかもしれません。とはいえ、この促成栽培第一基本枝の一花房目三番目の写真を撮影した後、着色している二つを収穫して水に入れると底に沈みましたので、まあまあのスタートと言った所でしょうか。


トマトの連続摘心栽培 第三基本枝着果着色近況

2009-11-17 23:27:53 | トマト

7月1日播種抑制栽培の第三基本枝近況です。

この写真は第三基本枝の一花房目です。第二基本枝に三花房を確保しているのでこれが普通栽培の第六花房に当たります。

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これらの写真は第三基本枝の二花房目です。普通栽培の第七花房に当たります。

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三つの写真の着色具合と今までの写真をご覧になると、あちこちでトマト栽培を見ていらっしゃる方はここのトマトの食味を含めた品質やここで目指している方向などかなり推察する事が出来ると思います。
トマトは同じ品種でも誰が作っているか、どの作型の何段目か、更にその年の天候などで同じトマトとは思えないほどの違いが現れます。
秋から早春に向けては日照量に応じた温度管理がし易くある面ではトマト栽培に適した季節といえるかもしれません。
この抑制栽培は今回10段を確保しています。促成栽培の日中の温度をやや低めに管理して来年1月に10日から2週間収穫期を重ねてバトンタッチしたいと思っています。