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BTSがアジア系へのヘイトクライムに抗議の声明

2021-03-31 | BTS(防弾少年団)



BTSがアジア系への
   ヘイトクライムに抗議の声明


韓国発のボーイズグループBTSが3月30日、アジア系の人々へのヘイトクライムに対し、声明を発表した。
自分たちの差別体験を明かし、「人種差別に反対します。暴力を強く非難します」としている。


<BTSの英語声明全訳>
大切な人を亡くされた方々に、心から哀悼の意を表します。
私たちは悲しみと怒りを感じています。

アジア人として差別を受けた時のことが思い出されます。
理由もなく罵声を浴びせられたり、容姿を馬鹿にされたこともありました。
なぜアジア人が英語で話すのかと聞かれたこともありました。

そうした理由で憎しみや暴力の対象になることの辛さは、言葉にできません。
私たちの経験は、この数週間に起きた出来事に比べれば取るに足らないものです。
しかし、これらの経験は、私たちに無力感を与え、自尊心を削ぐのに十分でした。

今起きていることは、私たちのアジア人としてのアイデンティティと切り離すことはできません。
この問題を慎重に議論し、どのようにメッセージを伝えるべきかを深く考えました。

しかし、私たちが伝えるべきことは明確です。

人種差別に反対します。
暴力を強く非難します。
あなたも、私も、私たちも、尊重されるべき権利を持っています。
私たちは共に立ち上がります。
                     (HUFFPOST日本版より抜粋)

全文はこちらから


人種差別というものをこの国の多くのひとは実感することがないのではないかと思う。
その場にあってこそ、今目の前にいるひとが敵ではないとしても、
隣人ではなく、見知らぬひと、理解できない存在、にがらりと変容する瞬間。
それが人種差別であり、恐ろしいことにヘイトクライムに発展することもあるのだと。
私も人種差別にはまったく疎かったし、我が身に降りかかると思ったこともなかった。
いや、知識としてだけは知っていたのだが。
何十年もまえ、ロンドンに旅行し、とある銀行に立ち寄って両替をしようとしたとき、
銀行員が私の拙い英語での要件を聞いたのち、
一言も発することなく、表情も変えず、
次に並んでいたひとの話を聞き始めた。
まずい英語が通じなかったんだなあ、どうしたものかなあと思っていると、
同じツアーで、イギリスに里帰りした男性が、
その行員に猛然と抗議をし始めたのだ。
彼女をなぜ無視するんだ!と。
行員は男性の剣幕にたじたじとなって、要件を処理してくれたのだけれど、
男性がそのあと、行員の非礼を代わって詫びてくれて、
その時、生まれて初めて、それが人種差別なのだとショックを受けた。
本当に些細なことなのだけれど、自分の生まれた国では知りようもないことを
体験したのだと思った。
旅行のことはほとんどもう思い出せないのに、
差別を受けたことだけは記憶に残っている、その理不尽さに於いて。

先月上旬だったと思うのだけれど、
ふとした瞬間にタイムラインの流れから、
アメリカ現地でヘイトクライムをごく身近に感じているひとのツイートを目にした。
ひとりで出歩くことができない、
恐怖を感じながら帰ってきた、などというツイートを見て、
そのとき、何が起こってるんだろうと??と疑問に思った。
それが人種差別による暴力事件多発によるものと知って、衝撃を受けた。
アメリカによる人種差別といえば、警官による黒人の被疑者への暴力、殺人、
などについてだと思っていたからだ。
新型コロナウイルスがチャイナウイルスとトランプ大統領が発言して、
人々の偏見が中国のみならず、アジア人というカテゴリーに拡大し、
間違った悪い印象が人種差別へとなっていったのか、そのあたりは詳しくは
知らないし、知らないといえば、アジア人にたいする差別が、
新型コロナウイルス以前から存在しているのだとすれば、
アメリカで暮らしているアジア人たちが普段からどれだけ差別に遭遇しているのか、
あまりに無知だった、想像力が欠如していたと思わずにはいられない。

BTSに関して言えば、ドイツのラジオDJがCOLDPLAYをカバーして、
MTVのアンプラグドで歌ったことにたいして暴言を吐いたことも記憶に新しいし、
グラミー賞にノミネートされた時も、アメリカの大手カードゲーム会社が、
BTSのメンバーがそれぞれ穴の中に入って、グラミーのトロフィーで
頭を叩かれようとしていることに恐怖してる姿を描いたポスターもショックだったものだ。
DYNAMAITE以前にもグラミーに貢献している彼らがグラミーを受賞できなかったのは
全米でのアジア人にたいする友好的ではない感情を慮ってのことゆえなのではないか?とまで
思ってしまう。

先立って、去年の6月、BTSはすでに行動を起こしている。

>黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官に首を押さえつけられて死亡した事件を受け、
世界各地で広がりを見せている抗議運動「Black Lives Matter」であるが、
これを支援するために、韓国の人気グループ防弾少年団(BTS)と所属事務所のBig Hit Entertainmentが、
100万ドル(約1億1000万円)を寄付したことが6月7日に発表された。

BTSは6月4日には、Black Lives Matterとの連帯を表明するメッセージを公式SNSに投稿。
「私たちは人種差別に立ち向かいます。私たちは暴力を非難します。あなたも私も皆、尊重される権利があります。
私たちは団結します。#BlackLivesMatter」と英語と韓国語で綴られていた。
                            (Forbesの記事より引用)
全文はこちらから

世界で起きている多くの困難や悪意に、国や帰属するものを超えて連帯するということ、
想像力を豊かにして、当事者として考えること、
そのことを、BTSの一過性ではない、連帯の意識にすごく啓発される気がする。
そして、彼らのファンたち(ARMY)が翌日、BTSと同じ金額を寄付したという報道に、
今までにまったく聞いたことのない、有言実行の連帯と決意を感じる。
ファンたちが国と人種を超えて連帯し、抗議し、運動に募金というかたちでも関わることは、
まさしくBTSのARMY(軍隊)という呼称にふさわしいものだろう。

世界中の笑いものになってしまった、堕落しつくした日本の政治と、
何一つ対抗することのできない野党勢力に辟易し、絶望している者としては、
一票の力をこれっぽっちも実感できないのだけれど、
今まで知らなかった連帯の仕方というものを注視しするべきではないかと思っている。

BTS: Tiny Desk (Home) Concert



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