日本ダービーを・・・

　蕎麦屋にて・・・観戦する・・・

　日中の昼下がり・・・お友達３人で蕎麦屋に繰り出す。目的はもちろん・・・美味い蕎麦を食う事・・・鳥わさ、板わさ、天婦羅を頼み、ちょいとビールも。

　お友達の一人、たもちゃんはなんだか気もそぞろにテレビが気になってしょうがない様子・・・そうなのだ、今日の一番の酒のあては・・・ディープインパクト。まして、たもちゃんはほとんど初めてと言っていいほどの馬券まで買ってしまっているのだ。
　テレビのチャンネルはドリフ大爆笑の再放送をやっていて目的である競馬とは違うチャンネル・・・
「いいっすかねぇ、チャンネル変えてもらっても」「まだいいよ見ている人がいるかも知れないし」
そんな事言いながら板わさの端っこに乗せ過ぎた山葵が鼻をつく。慌ててビールで流し込み深呼吸をする。
「ほんっとに強いのですかねぇ」「うんうん、間違えなく強い」と国ちゃん。
「さぁ～てぼちぼち３時だし、いいっすかぁ～大将、チャンネル変えてもらっても」
「えへへ、競馬でしょう。一番ね」とNHKにチャンネルを合わせてくれる。

　そこに映ったインパクトは・・・発汗が多いし、尻っぱねを繰り返し妙にテンションが高い。
「なんだかヤバイ雰囲気だなぁ・・・」「うん、そうだね」
「僕はかつ丼を頂きます」たもちゃんの気合もハンパではない。
「すごいよ、単勝支持率７０％超えて１１０円だって単勝が・・・」国ちゃんが言う。
「複勝はどうなっちまうんだろうね」と私。
「まったくだね、１００円戻しかな」

　パラパラッパラッパ・・・・・タ～タタッタッタッタタタタタ～ン・・・ガッシュン。
そんな事言ってる間にスタートが切られインパクトはスタートが合わずに後方３番手・・・ゆっくりとじっくりと１コーナーから２コーナー・・・向こう正面を駆け抜けてゆく。
「いいよ、武が微動だにしないもの、完璧じゃない」
「うん、でもどこで外に出すんだろう、もう大欅だよ」
するするっと何かに導かれるように、インパクトは外を回っていく。残り４００でインティライミが先頭に立つ。
「いっけぇ～」と３人同時に叫び声を上げ・・・残り２００メートルでは・・・黙り込んでしまう。圧勝。
「強い、強すぎるよ」間違えなく私達３人は歴史の証人、伝説の目撃者になった。

「蕎麦美味いね」「いいでしょう蕎麦般若」「いい時間が過ごせたね」「まったくだ」
馬券は誰も当たらない・・・でも楽しかったなぁ・・・すごいよインパクト。秋まで待ってるからね。

　ちなみに私の買った馬券・・・５－１０・５－１１・５－１３・・・まったく駄目でした・・・反省。