エリア55レポート 

趣味を追求するオタクな日々

『アガサ・クリスティー 検察側の証人』観ました

2018年04月13日 | 海外ドラマ



AXNミステリーで放送した『アガサ・クリスティー 検察側の証人』の内容を結末まで語りますので
ネタバレ拒否の方は読まないでください







このドラマ去年の12月に初放送だったみたいですね
ということで結末までここでお話してしまっても、もう時期的にOKですよね?
とは思いますがまだ見ていない方でネタバレしたくない方はこれ以上は読まないでください





AXNミステリーのサイトのAboutに例の映画の宣伝などでファンからそれを言ったら半分ネタバレだ!
と不評の文言「ラスト~」が書かれててズッコケました^^;
ミステリー専門チャンネルでもそれやっちゃうか…
という思いと、ミステリー専門チャンネルだからこそ
読者はアガサ・クリスティーくらい読んでて当たり前
という考えがあるのかもしれないw
まあね、ミステリー好きは結構原作読んでますよね
そう考えると名作と言われるものほど、結末や犯人は知ってますね
でも、私自慢じゃないけどクリスティーは1冊も読んでないので(ドヤ! 笑)
ポアロの「オリエント急行殺人事件」も「そして誰もいなくなった」も犯人知らないで
TV見たからね!
そしてものすっごく楽しかったからね!!
視聴者侮るなよ!(違)
と放送局に対する不満はこのくらいにしてwww



このドラマ、どうやら原作とは違う結末が用意されているようです
今言ったように原作を読んでいないのでどこがどう違うのかわからないので
ググってみました

最後まで内容を書いているブログがあったので
そこを参考にすることにします


トップの画像の青年が容疑者です
彼が無罪なのか有罪なのかを証人の証言が左右する造りになっています
画像でもわかるように彼はとても純朴そうで無実の罪を着せられそうになっています
彼の証言はどれも真実に思えますし
彼を犯人だと名指しているメイドはいかにも怪しそうです
ドラマの中では青年が無実でメイドが嫉妬から嘘の発言をしていると
視聴者に受け取れるように進行して行きます

殺人犯の濡れ衣を着せられそうな哀れな青年を助けようと
ひたすら奔走する弁護士メイヒューにも好感が持たれます

当初夫のアリバイを証言していた妻が途中から証言を翻し
青年は有罪確定!というとこまで行きますが
そこで一人の謎の人物が現れて彼の窮地を救います
謎の人物とは容疑者の妻にトップ・スターの座を奪われた歌手で
彼女からひどい火傷を負わされてごみ溜めで暮らすことを余儀なくされている女性です
彼女は復讐のために妻の不貞の証拠の手紙を多額の金と引き換えにメイヒューに渡します
メイヒューは後で必ずお金は払うと”愛する妻”と”(死んだ)息子の思い出”に誓います

その手紙の中には決定的な無実の証拠が書かれていて
しかも妻は重婚を避けるために容疑者の青年の死を願っていたこともわかります
(正式な妻ではない)

逆転裁判劇です
裏切られた哀れな(内縁の)妻の証言が、一転してあばずれ女の嘘になってしまったのです
裁判で容疑者の青年は無罪を勝ち取ります

ここまでは原作通りです

実は妻がライバルに火傷を負わせたという事実も無ければ
不貞の証拠の手紙を渡した元ライバルなどという存在も無く
妻がライバルを演じていた
と裁判後に弁護士に明かして終わる
というのが原作の終わり方のようです

ドラマでは妻の告白の前にメイドの行方が語られます
このドラマでは容疑者の青年を見たと証言したメイドが最初からとても怪しい感じで描かれています
案の定、検察も弁護士もメイドの証言が嘘だと確信し
さらに殺された大富豪の夫人の愛猫の死体が発見されて
メイドが殺人の犯人だと誰しもが確信し
メイドは有罪、死刑に処されます
この部分は原作にはないようです

メイドの死刑執行後、逆転裁判ですっかり有名になったメイヒューは
仕事もバンバン舞い込み裕福になります
そして愛する妻と一緒に訪れたフランスの保養地でかつての容疑者の青年と偶然出会います
そこで青年と一緒にいるのはなんと不貞を犯し嘘の証言をした妻でした
妻は真犯人の青年を救うためにわざと嘘の証言をし
証言が一転して嘘になれば陪審員は青年に同情する事を見越していました
妻が青年は無実だと書いた”嘘”の手紙に信ぴょう性が出ることを最初から狙っていたのです

まあ、ミステリー好きはどこまでも疑い深いですから
青年がどんなにいい人そうでもどこかで疑ってますよねw
私もそうでしたww
だからこのどんでん返しは、やっぱりと思いましたwww

でもこのドラマにはそれ以上のことが語られていると私は思うのです

メイヒューは大やけどを負ったライバルに不貞の証拠の手紙の代金を払っていないと青年の妻から指摘されます
そうなんですよね
メイヒューはとても純粋で正義感溢れたいい人に感じられるのですが
手紙の代金を払ったシーンが描かれていなくて、なんとなく不審に思っていたのですが
それがここで生きてくるわけです
”愛する妻”と”(死んだ)息子の思い出”に誓ったはずなのにお金を払っていないのです
彼はだまされた哀れな弁護士というだけなのでしょうか?

ショックを受けホテルの自室に戻ったメイヒューを待っていたのは
妙に冷たくよそよそしい(メイヒューの)妻です
お金を手にしてしまったら妻は夫に冷たくなったのでしょうか?
違います
メイヒューは戦争に行くときにまだ従軍年齢に達していない息子の年齢をいつわり戦争に同行させていました
そして息子だけが戦争で死んでしまいます
メイヒューの妻はそれをずっと恨んでいました

ドラマの中で無表情な妻の姿が印象に残っていたのですが
そういう訳があったのだと、ここで初めて納得できます
いつも誰かのセーターを愛おしそうに撫でていたのも、息子の物だったとわかります

自分は今まで身を粉にして妻に尽くしてきたのに
愛する妻に全てを捧げたのに
その妻に裏切られてしまった
・・・
失意の中でメイヒューは海の中に消えて行く
というシーンでドラマは終ります


原作は本当に愛する夫(容疑者の青年)を救うために一世一代の大芝居をした妻の告白
というところで終わるようですが
ドラマでは冤罪で処刑されてしまうメイドの存在(検察の罪)
妻と息子に誓ったにもかかわらすお金を払わなかった(メイヒューの罪)
息子を戦争に連れて行き死なせてしまった(メイヒューの罪)
なども合わせて描かれています
また無罪になった青年も妻も結構な悪人として描かれています
妻は夫を愛するだけの人ではなくもっと邪悪な感じに描かれています
このドラマは無垢の善人などいない、と言っていると感じられました

捉えようによってはメイヒューだけは善人で悪人に騙された被害者のように感じられますが
彼の愛情は自己満足の産物にすぎず、それ自体が自己欺瞞で
決して善人とは言い切れないのです
(かなり偏った見方なので全く違う感想になる人は多いと思います)


そう解釈すると、このドラマは面白かったです





「検察側の証人」予告編 - ミステリー専門チャンネル AXNミステリー


AXNミステリー番組ホームページ→こちら

検察側の証人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
加藤 恭平
早川書房







**コメントありがとうございます
そうなんよ!自分の知らないクロッカスがいっぱいあるのよwww
きれいでしょ^^
字幕は俳優の表情とか背景とかまで見られないときがあるね
そうそう!吹き替えとはかなり違う感じだったりするよねw
楽しみはいっぱいあるよね~^^
お元気でなにより^^







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