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紫の雫

現なるや、幻なるや、去来しゆく想いのたけを、エロスの波が洗う。

あなたとベイビーを

2006-04-29 14:38:28 | Weblog
パメラ・ブラウニング  あなたとベイビーを 寺田ちせ訳

Angel's Baby by Pammela Browning

奇妙な設定である。離れ島に立った1人で住む女性科学者が、自分の子供を欲しくて独身新聞で男を募集する。妊娠して子供が出来るまでという約束で。その後は2人の間には一切関係は無いという条件で。

なんならそういう条件もなしで子供を生めばいいと思うのだが、そこははーれくいんは違うらしい。ちゃんとした結婚証明も取って、男のほうにはちゃんとした資産があって、そして当然自分好みの男でなければいけない。もちろんこれにぴったりとした男が現れるわけである。というか普通でも会えそうに無い男が・・・

それぞれが、過去に恋人との辛い思い出があって、そのうえに子供を無くしている。まあ正確にはこの世に生を受けなかった子供ではあるが・・・

小説の所々に男の弟夫婦やらが出てこないわけではないが、ほとんどが2人だけの会話というか、行為というか、そういうものを延々と書いている。

ただし男が対象の官能小説と違って、ハーレクインのほうが、いろいろな行為をオブラートに包んだような表現をしていて面白い。男と女の違いかどうかは分からないが、ストーリーは同じでも、まったく違う雰囲気の小説が出来るだろう。

最初は物語の設定が、あまりにも人工的過ぎたし、男女ともに気持ちが乗り移らなかったが、最後まで読んでいると、少しは物語の世界を楽しむことが出来るようになってきた。