
香川県のご当地偉人こと平賀源内が、ついに世界にその名を轟かせた。といっても「ついに」と書くと彼が現代に息づいているかのような錯覚を与えるが、実際のところ彼がエレキテルをいじくり回していたのは、江戸時代である。具体的には1776年、アメリカ独立の年だ。そんな年に、オランダから持ち込まれた壊れた謎の装置を、6年かけて修復・改良し、静電気をピカピカさせる「エレキテル」なるガジェットを完成させたというのだから、彼の執念というか、暇さ加減にはただただ感服する。ちなみにこの「エレキテル」、今でいうと自作パソコンより面倒くさい工作である。
で、それが2024年、アメリカに本部があるIEEEという団体により「マイルストーン」に認定された。要するに、世界的にすごかった過去の技術ってことで、歴史的価値をお墨付きされたということらしい。これまで日本では新幹線やQRコードなんかが同じく認定されていて、その並びに源内のエレキテルが加わったのは、いささか意外だが、何ごとも年季が入ってると偉そうに見えるらしい。250年前という時効スレスレの古さが功を奏したようだ。
贈呈式は高松市で行われ、玉木雄一郎議員が笑顔で出席。なぜか政治家がこういう場に出てくるのは世の常であり、「エレキテルといえば国民民主党」と言いたくなる日も近いかもしれない。ついでに言えば源内が生まれたさぬき市志度という土地、実はうどんだけでなく静電気でも知られるようになる未来が来るかもしれないが、そんな未来が来るより先に雷で感電しないよう願うばかりである。
それにしても、こうして古いものに箔がつくと、手元にある壊れた炊飯器とかも直しておいた方がよいのではと一瞬思ってしまうのだが、それを6年かけて直していたらその6年の方が壊れそうなので、やっぱり買い替えた方がよい。
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