最初にできあがりから。さて、こちらは何でしょうか?
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ヒントは、こちらの植物を乾燥させて作ったものです。
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はい、皆さんご存じのトクサです。中部地方以北に自生する在来種で、分類上はツクシ(土筆)と同属のシダ植物です。胞子嚢を見るとツクシによく似ているのではないでしょうか。
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トクサは耐陰性、耐暑性、耐寒性に優れているので和風の生け垣等に利用されますが、繁殖力が強く、地下茎を伸ばして広がるところが玉に瑕かもしれません。節のところから不定芽も出てくるので、胞子茎でうじゃうじゃしているという印象があるかもしれませんね。
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でも、昔から伝統工芸等で利用されている植物でもあり、ガラスの成分となるケイ酸(珪酸)がある表皮はザラザラとしているため、つげ櫛づくりで歯を削る「歯ずり」にも利用されています。砥ぎや磨きに利用することから漢字で『砥草』と書きますが、中国では古くから生薬にも利用され、漢名で生薬名である『木賊』と書き表されることもあります。
そこで、どの程度磨けるのか以前から気になっていたこともあり、このトクサを使ったやすり(爪磨き)を作ってみました。
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2枚目の木賊の写真は近所の喫茶店の生け垣を撮影したものですが、整備作業等の管理を手伝っている東山いきいき市民活動センターのビオトープに折れて曲がったトクサがあったので、折れた先の部分をいただき、帰宅後に水切りネットに入れて風通しのよいところで2週間ほど陰干ししてみました。
このトクサ、じつは節のところを引っ張ると、すぽっと抜くことができ、まるでロケット鉛筆みたいな構造なのです。
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2週間ほど乾燥させるとかさかさになって、色は白っぽくなりました。節の部分を切り落として筒状の茎を開いて広げ、使うこともなく取り置いたままの和菓子の竹べらに貼り付けてみました。
貼り付けは木工ボンドを利用しようかと思いましたが、貼り替えしたいという思いもあったので、こちらにしてみました。
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ご飯粒で作る日本古来の接着剤である続飯(そくい)です。粘着力は木工ボンドと同等とされています。へつったところでダイエットにもならない量のご飯粒を練って練って練りまくって糊状にし、竹べらに薄く塗り伸ばしてトクサを貼り付けました。
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さて、爪は磨けたかというと……証拠写真は撮っていませんが磨けましたよ。爪を磨いてザラザラした部分がなくなってしまったら、水に濡らして取り外し、貼り替えてみようと思います。刈り取ってすぐの葉だと水分が出てきますが、それでも問題なければ乾燥させなくても生葉を使っても大丈夫ですので、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。