生活苦（句）－27

　　　　藤かおり　　空はさつき（五月）の　　藤枝晴れ

　　　　　　　　　山はだに　　まだまだ残りし　　藤の花


　　　　連休や　　　遠くにバイク　　　鳴り響き

　　　　子らが来る　布団干しの　　　　妻がいる

　　　　子らが来た　気持ちも財布も　　軽くなり

　　　　もうないよ　初ガツオ探して　　あちこちと

　　　　買ったのは　酒のつまみと　　　ため息と

　　　　食材や　　　連休つれて　　　　上がりけり

　　　　ナガラミに　出した手元が　　　後ずさり

　　　　サクラエビ　以前は常駐　　　　姿なし

　　　　笑店街　　　客寄せパンダの　　跡を行く

　　　　五月はれ　　晴れても勝てぬ　　下がる株

　　　　風かおる　　畑仕事に　　　　　腰いたむ

　　　　解らない　　自分の体調　　　　ガン所在

　　　　山に入る　　青くさいにおい　　老春のなか

　　　　走りきて　　谷渡りの声　　　　鳥きそう

　　　　ケンカしても二人が良いと　　　人は言う

　　　　凡凡と　　　食べてくそひる　　ただの人