カムイエクウチカウシ山(1979.4m)~コイカクシュサツナイ岳(1721m)
8月5(金)~8月7日(日) 2泊3日 単 独 夏山沢登り縦走
総行動時消費水量 2.600ml(食事等含まない)
総行動距離 約31.800km
総行動時間 28時間37分
登山ルート
5日(金) 曇り一時雨(十勝平野は晴)
行動時消費水量 800ml 行動距離 約15.700km 行動時間 7時間38分
自宅 5:15 → 6:25 コイカク登山口 6:45 → 7:40 七の沢出合い 7:50 → 9:32 八の出合い 9:45 → 11:40 三股 11:50 → 14:23 八の沢カール(C1) → 夕 食 17:00 → 就 寝 19:00
朝、4時半に起床、天気は快晴。2週間延び延びになっていたが体力・気力ともに充分。慌てずのんびり行こうと思いながら5時すぎに自宅を出発する。通い慣れた道を日高の山々を眺めながらピョウタンの滝をすぎ6時すぎに車止めゲートに着く。平野部と天候が変わり曇りだす。ここから七の沢までの長い林道歩き、今年初めての縦走ということもあり、体力と気力の消耗を少なくするためにマウンテンバイクで七の沢まで行く。
七の沢出合い 巻き道
マウンテンバイクは七の沢にデポし来週回収にくることにする。林道で老夫婦とお会いする。カムエクへ二回目の挑戦とのこと。たいしたものだ。ご夫婦でうらやましい。札内川の水量はまだ若干多いようだ。力まずにのんびり進む。五月に神威岳への林道を利用したが、素人目にはこちらのほうが林道の状態がずいぶんと良いように思える。七の沢まで車を入させてくれても良いのではないかとつくづく思う。昨年、途中に新たに出来ていたゲート二つが消えていた。神威岳、神威山荘までの林道解放とは、正反対の対応に何とも!? 八の沢までは徒渉3回以外は、ほとんど巻き道だ。緊張感なくだらだら進むも2時間ほどで八の沢出合いに着くが手前の徒渉では股まで水につかった。やはり水量は多い。ポツポツだが雨も降りだす。テン場には二張のテント、少しは気合いを入れ八の沢カールを目指す。
八の沢上部雪渓
三股までは雪渓を巻いたりだらだらの登りだったが、三股からの急登は相変わらずなかなかのものだ。特に枯れ沢は落石に充分に注意した。この急登も今では徒渉地点以外、沢を登るところは無くなっている。途中、男性2人と会う。そのあと1パーティー(7名)と少しの情報交換後別れる。水を背負っていない分この急登での体力の消耗は少なくカールに余裕を持って到着する。
八の沢カールの雪渓 福大生の鎮魂碑 ヒグマが引っ掻いたのか?!
ホワイトアウトで何も見えない。これではヒグマと出っくわしても大変な事になるので、すぐにラジオを入れる。さっそくビールを冷やしテントを張る。そして、冷えた貴重なビールで安着祝い!!美味い!!この日高の大自然に包まれているこの一時がとても幸せに感じる。食事を摂り明日以降の行程の確認、あす以降の天候に不安を抱えながらも眠りにつく。
6日(土) 曇り一時雨・強風(十勝平野は晴)
行動時消費水量 1000ml 行動距離 約5.600km 行動時間 10時間02分
起 床 4:00 → 朝食 4:45 → 八の沢カール(C1撤収) 6:00 → 8:13 ピラミット峰 8:25 → 10:49 co1604m 10:55 → 12:00 P1640m 12:05 → 14:30 P1737m 14:45 → 16:02 1823峰(C2) → 夕 食 17:00 → 就 寝 19:00
夜中にテントのばたつきで目が覚める。外をのぞくとまったくのホワイトアウト、カールにも関わらず風が。未踏行程という事もあり、モチベーションは上がらない。とりあえずピラミッド峰まで進みその後の行動を決める事にする。朝食もたっぷり摂り、水5㍑を背負い6時に出発。さすがに重たい。急がず一歩一歩進む。カール壁を斜めに登り稜線に出る。ものすごい風だ。戦意消失だ。これより未踏の行程に突入。ピラミット峰を目指す。手前の急登にはなかなか手間取り2時間ちょっとで頂きに立つ。何も見えない。前進か?撤退か?これ以上進んでも何も見えない縦走、でも日高の主稜線を歩いてみたいという思いから前進とする。這い松がうるさいがなければこの強風、まともに受け歩けない。視界は30mほどだ。想定していたよりも切れ立った稜線が続く、きっと晴れていたら素晴らしい高度感を味わえる事だろう。
co1604mテン場の石ブロック 残念、ピンボケのカムイビランジ
本当に残念!! 数多く見られた細い稜線
co1602m手前の岩稜で単独者に出会う。話によると昨夜、強風でテントポールを破損、修繕するももう一本も破損、ここまで上がってきて停滞し、様子を見て撤退とのこと。ツェルトを提供しようと思ったがこの先私も同じようになった時、大変なので話すのをやめた。互いに励ましの言葉を掛け先に進む。この前後だったと思うのだが(記憶はっきりしない?!)、念願のカムイビランジ、その姿と対面する。偶然だと思う。この強風とホワイトアウト、おまけに霧雨の中ほとんど周りを見る余裕がないのに、頭のどこかに「山旅・花旅」さんのカムイビランジがあったのだろう。今回何とか観てみたいものだとという思いが通じたのか?!ほんとに小さく可憐な花だ。写真を数枚撮ったのだがなぜかすべてピンボケだった。近い距離の写真の撮影レベルは最低か?! 1602mテン場は風の通り道で1張り分石が積まれていた。気持ちの中ではまだ、"撤退"の文字が浮かぶ。見通しが利かない事ほど不安な事はない。
これもピンボケ、修行が必要か?! 1823峰山頂
ただただ細い稜線を進む!!P1640mまでたどり着き、心細いものの今縦走は前進と決める。ここからブッシュがうるさくなる。背丈は平均に低く腰くらいなのだが、手でかき分けなければまったく踏み跡がわからない。下手に急ぐと段差ですべり落ちたり倒木の鋭い折れ口にぶつかったりと危なく慎重になるためなかなかのアルバイトだ。ホワイトアウト・強風・霧雨と、体力の消耗が激しい。14:30に疲れきってP1737mに着く。ここでC2としたいのだが最終日の日程等を考えると何としても1823峰まで進むと決める。ペースは全く上がらない。ブッシュもP1640m過ぎほどではないがどこもここも楽ではない。やっとの思いで16:00すぎに念願の1823峰の頂に立つ。何も見えない。相変わらず強風(爆風か)だ。テントを張りさっさと潜り込み、焼酎で二日目の安着祝い!!夕食後、ラジオで明日の天気を確認し、野球中継を聞いているうちに爆睡していた。何か顔にばたつくので目が覚めた。な・な・何とテントの中に大量の蛾が!!見ると換気口が開いていて明りが付けっ放しだったためのようだ。始末する気力もなく明りを消しシュラフカバーから少しだけ顔を出して再度眠りに着く。これだけの強風の割にこのテン場は風の影響が少ない。険しい稜線を吹き上げるために風の直撃が弱いのだろう。
7日(日) 曇り一時雨・強風(十勝平野は晴)
行動時消費水量 800ml 行動距離 約10.200km 行動時間 10時間57分
起 床 4:00 → 朝 食 4:45 → 1823峰(C2撤収) 5:50 → 7:40 P1643m 7:45 → 11:30 1719mコイカク尾根頭 12:00 → 13:10 → 14:19 尾根取付上二股 14:40 → 16:47 コイカク川出合い登山口 17:10 → 17:40 更別福祉の里温泉 18:20 → 19:00自 宅
いよいよ最終日。思ったよりも体の調子は良い感じだ。食事を摂り気合いを入れ六時少し前に出発する。相変わらず強風とホワイトアウト、霧雨は時折大粒の雨に。何も見えない細い尾根をただただもくもくと、この区間踏破の貫徹だけを目標に進む。
たった一度だけ一瞬姿を現せたピラトコミ山方面と十勝平野
P1643mころまでは快調だったのだが徐々にペースダウン。天気が良ければここからco1444m過ぎの急登までの尾根は細く痩せていて変化があり楽しいことだろう。co1444m過ぎの壁のような最終難所に10時少し前に着く。根性がないのかその鋭い角度と先の見えない到着点に身震いする。私は臆病なのか?!日高の山で怖いと思ったのは二度目だ。1度は春山のピリカ南斜面だ。超えるしかないと覚悟を決め何も考えずにただただ一歩先を3点支持で慎重に尾根頭手前の平たん部を目指す。何度も強風でバランスを崩しそうになる。「こんなところでは死ねない」とふっと思ってしまった。11時過ぎに何とか平たん部にたどり着く。一人、何とも言えない達成感に包まれる。無事でよかったとも・・。一挙に高ぶっていた緊張はなくなり疲れがどっと出てくる。だらだらとコイカク尾根頭に12時にたどり着く。テントが1張りある。やっと終わった。
コイカク尾根頭とテント1張り 尾根取付二股とおなじみの沢靴干し
コイカクへの登頂はあきらめる。ここから尾根取付き二股までの下りも上部は結構な斜面で気は抜けない。気持ちを引き締めなおし下山。1600mくらいから雲の下に出る。何も見えない2日だったが視界が開けた事に何とも安心する。中間点のco1305mにテントが2張り。14時過ぎに上二股まで下りる。もう危険なところは無い。沢靴に履き替え今山行を反省しながらのんびり出合い登山口を目指す。広い河原歩きで道も左右にあり適当に楽しみながら下る。何箇所か徒渉地点にペイントされているが余りこだわらずにも迷うことは無い。ゴールが近ずくにつれ肩・腰への疲れを感ずるようになる。雨も降ったりやんだり何とも最後までいやらし天候だ。17時前に、何とか無事にコイカク登山口に到着する。手早に着替え定番となっている更別福祉の里温泉でどっぷり疲れを癒し帰宅する。
《つぶやき》
今山行の大失態は車のキーをトランクに入れたまま閉じてしまい携帯のつながるところまで登り、友人に連絡し登山口の愛車のところにスペアキーを配達してもらったことだ。
稜線に出てからの強風とホワイトアウト、今までの登山では経験したことのない体験が出来た。
カムイビランジという花を直に観られたことが今山行最大の感激であった。「山旅・花旅」さんのおかげか?!でも写真は最低だ!!
私の経験不足かもしれないが、日高の夏山縦走としてはこの区間がもっとも厳しいように思った。昨年のペテガリ~コイカク間よりもブッシュがうるさく感じたし視界が無いせいか精神的にもつらく感じた。稜線も狭いところが多く危険と感じた箇所も多かった。
co1444m過ぎの急登は日高の山をまだまだ知らないからなのか、私の過去の体験の中では最も怖く危険と感じた。下降時を考えると、私にはザイルなしで下りられないかもしれない?!
ホワイトアウト等のため今回カムエク、コイカクの頂は何度か立っていることもあり省略した。
熊の気配はほとんど感じられなかった。日のたった糞を2~3回見た程度だ。もっとも視界30mでは見た時はとんでもない事に・・・。
結果として、2日間も行動時間が10時間を超えていた。体力の衰え等を考え何かの対策か、計画自体の変更が必要な時期に来ているのかも?!
自分の気の弱さに気がついた。しかし、この悪天時に貫徹出来た事は、ある意味自信にはなった。(過信は禁物だ)
9月中には何とか神威岳~ペテガリ岳縦走に挑戦してみたい。が、いまの時点では気力・体力ともに・・。充電期間が必要か!?
来週はデポした自転車を回収に行かなければならない。
8月5(金)~8月7日(日) 2泊3日 単 独 夏山沢登り縦走
総行動時消費水量 2.600ml(食事等含まない)
総行動距離 約31.800km
総行動時間 28時間37分
登山ルート
5日(金) 曇り一時雨(十勝平野は晴)
行動時消費水量 800ml 行動距離 約15.700km 行動時間 7時間38分
自宅 5:15 → 6:25 コイカク登山口 6:45 → 7:40 七の沢出合い 7:50 → 9:32 八の出合い 9:45 → 11:40 三股 11:50 → 14:23 八の沢カール(C1) → 夕 食 17:00 → 就 寝 19:00
朝、4時半に起床、天気は快晴。2週間延び延びになっていたが体力・気力ともに充分。慌てずのんびり行こうと思いながら5時すぎに自宅を出発する。通い慣れた道を日高の山々を眺めながらピョウタンの滝をすぎ6時すぎに車止めゲートに着く。平野部と天候が変わり曇りだす。ここから七の沢までの長い林道歩き、今年初めての縦走ということもあり、体力と気力の消耗を少なくするためにマウンテンバイクで七の沢まで行く。
七の沢出合い 巻き道
マウンテンバイクは七の沢にデポし来週回収にくることにする。林道で老夫婦とお会いする。カムエクへ二回目の挑戦とのこと。たいしたものだ。ご夫婦でうらやましい。札内川の水量はまだ若干多いようだ。力まずにのんびり進む。五月に神威岳への林道を利用したが、素人目にはこちらのほうが林道の状態がずいぶんと良いように思える。七の沢まで車を入させてくれても良いのではないかとつくづく思う。昨年、途中に新たに出来ていたゲート二つが消えていた。神威岳、神威山荘までの林道解放とは、正反対の対応に何とも!? 八の沢までは徒渉3回以外は、ほとんど巻き道だ。緊張感なくだらだら進むも2時間ほどで八の沢出合いに着くが手前の徒渉では股まで水につかった。やはり水量は多い。ポツポツだが雨も降りだす。テン場には二張のテント、少しは気合いを入れ八の沢カールを目指す。
八の沢上部雪渓
三股までは雪渓を巻いたりだらだらの登りだったが、三股からの急登は相変わらずなかなかのものだ。特に枯れ沢は落石に充分に注意した。この急登も今では徒渉地点以外、沢を登るところは無くなっている。途中、男性2人と会う。そのあと1パーティー(7名)と少しの情報交換後別れる。水を背負っていない分この急登での体力の消耗は少なくカールに余裕を持って到着する。
八の沢カールの雪渓 福大生の鎮魂碑 ヒグマが引っ掻いたのか?!
ホワイトアウトで何も見えない。これではヒグマと出っくわしても大変な事になるので、すぐにラジオを入れる。さっそくビールを冷やしテントを張る。そして、冷えた貴重なビールで安着祝い!!美味い!!この日高の大自然に包まれているこの一時がとても幸せに感じる。食事を摂り明日以降の行程の確認、あす以降の天候に不安を抱えながらも眠りにつく。
6日(土) 曇り一時雨・強風(十勝平野は晴)
行動時消費水量 1000ml 行動距離 約5.600km 行動時間 10時間02分
起 床 4:00 → 朝食 4:45 → 八の沢カール(C1撤収) 6:00 → 8:13 ピラミット峰 8:25 → 10:49 co1604m 10:55 → 12:00 P1640m 12:05 → 14:30 P1737m 14:45 → 16:02 1823峰(C2) → 夕 食 17:00 → 就 寝 19:00
夜中にテントのばたつきで目が覚める。外をのぞくとまったくのホワイトアウト、カールにも関わらず風が。未踏行程という事もあり、モチベーションは上がらない。とりあえずピラミッド峰まで進みその後の行動を決める事にする。朝食もたっぷり摂り、水5㍑を背負い6時に出発。さすがに重たい。急がず一歩一歩進む。カール壁を斜めに登り稜線に出る。ものすごい風だ。戦意消失だ。これより未踏の行程に突入。ピラミット峰を目指す。手前の急登にはなかなか手間取り2時間ちょっとで頂きに立つ。何も見えない。前進か?撤退か?これ以上進んでも何も見えない縦走、でも日高の主稜線を歩いてみたいという思いから前進とする。這い松がうるさいがなければこの強風、まともに受け歩けない。視界は30mほどだ。想定していたよりも切れ立った稜線が続く、きっと晴れていたら素晴らしい高度感を味わえる事だろう。
co1604mテン場の石ブロック 残念、ピンボケのカムイビランジ
本当に残念!! 数多く見られた細い稜線
co1602m手前の岩稜で単独者に出会う。話によると昨夜、強風でテントポールを破損、修繕するももう一本も破損、ここまで上がってきて停滞し、様子を見て撤退とのこと。ツェルトを提供しようと思ったがこの先私も同じようになった時、大変なので話すのをやめた。互いに励ましの言葉を掛け先に進む。この前後だったと思うのだが(記憶はっきりしない?!)、念願のカムイビランジ、その姿と対面する。偶然だと思う。この強風とホワイトアウト、おまけに霧雨の中ほとんど周りを見る余裕がないのに、頭のどこかに「山旅・花旅」さんのカムイビランジがあったのだろう。今回何とか観てみたいものだとという思いが通じたのか?!ほんとに小さく可憐な花だ。写真を数枚撮ったのだがなぜかすべてピンボケだった。近い距離の写真の撮影レベルは最低か?! 1602mテン場は風の通り道で1張り分石が積まれていた。気持ちの中ではまだ、"撤退"の文字が浮かぶ。見通しが利かない事ほど不安な事はない。
これもピンボケ、修行が必要か?! 1823峰山頂
ただただ細い稜線を進む!!P1640mまでたどり着き、心細いものの今縦走は前進と決める。ここからブッシュがうるさくなる。背丈は平均に低く腰くらいなのだが、手でかき分けなければまったく踏み跡がわからない。下手に急ぐと段差ですべり落ちたり倒木の鋭い折れ口にぶつかったりと危なく慎重になるためなかなかのアルバイトだ。ホワイトアウト・強風・霧雨と、体力の消耗が激しい。14:30に疲れきってP1737mに着く。ここでC2としたいのだが最終日の日程等を考えると何としても1823峰まで進むと決める。ペースは全く上がらない。ブッシュもP1640m過ぎほどではないがどこもここも楽ではない。やっとの思いで16:00すぎに念願の1823峰の頂に立つ。何も見えない。相変わらず強風(爆風か)だ。テントを張りさっさと潜り込み、焼酎で二日目の安着祝い!!夕食後、ラジオで明日の天気を確認し、野球中継を聞いているうちに爆睡していた。何か顔にばたつくので目が覚めた。な・な・何とテントの中に大量の蛾が!!見ると換気口が開いていて明りが付けっ放しだったためのようだ。始末する気力もなく明りを消しシュラフカバーから少しだけ顔を出して再度眠りに着く。これだけの強風の割にこのテン場は風の影響が少ない。険しい稜線を吹き上げるために風の直撃が弱いのだろう。
7日(日) 曇り一時雨・強風(十勝平野は晴)
行動時消費水量 800ml 行動距離 約10.200km 行動時間 10時間57分
起 床 4:00 → 朝 食 4:45 → 1823峰(C2撤収) 5:50 → 7:40 P1643m 7:45 → 11:30 1719mコイカク尾根頭 12:00 → 13:10 → 14:19 尾根取付上二股 14:40 → 16:47 コイカク川出合い登山口 17:10 → 17:40 更別福祉の里温泉 18:20 → 19:00自 宅
いよいよ最終日。思ったよりも体の調子は良い感じだ。食事を摂り気合いを入れ六時少し前に出発する。相変わらず強風とホワイトアウト、霧雨は時折大粒の雨に。何も見えない細い尾根をただただもくもくと、この区間踏破の貫徹だけを目標に進む。
たった一度だけ一瞬姿を現せたピラトコミ山方面と十勝平野
P1643mころまでは快調だったのだが徐々にペースダウン。天気が良ければここからco1444m過ぎの急登までの尾根は細く痩せていて変化があり楽しいことだろう。co1444m過ぎの壁のような最終難所に10時少し前に着く。根性がないのかその鋭い角度と先の見えない到着点に身震いする。私は臆病なのか?!日高の山で怖いと思ったのは二度目だ。1度は春山のピリカ南斜面だ。超えるしかないと覚悟を決め何も考えずにただただ一歩先を3点支持で慎重に尾根頭手前の平たん部を目指す。何度も強風でバランスを崩しそうになる。「こんなところでは死ねない」とふっと思ってしまった。11時過ぎに何とか平たん部にたどり着く。一人、何とも言えない達成感に包まれる。無事でよかったとも・・。一挙に高ぶっていた緊張はなくなり疲れがどっと出てくる。だらだらとコイカク尾根頭に12時にたどり着く。テントが1張りある。やっと終わった。
コイカク尾根頭とテント1張り 尾根取付二股とおなじみの沢靴干し
コイカクへの登頂はあきらめる。ここから尾根取付き二股までの下りも上部は結構な斜面で気は抜けない。気持ちを引き締めなおし下山。1600mくらいから雲の下に出る。何も見えない2日だったが視界が開けた事に何とも安心する。中間点のco1305mにテントが2張り。14時過ぎに上二股まで下りる。もう危険なところは無い。沢靴に履き替え今山行を反省しながらのんびり出合い登山口を目指す。広い河原歩きで道も左右にあり適当に楽しみながら下る。何箇所か徒渉地点にペイントされているが余りこだわらずにも迷うことは無い。ゴールが近ずくにつれ肩・腰への疲れを感ずるようになる。雨も降ったりやんだり何とも最後までいやらし天候だ。17時前に、何とか無事にコイカク登山口に到着する。手早に着替え定番となっている更別福祉の里温泉でどっぷり疲れを癒し帰宅する。
《つぶやき》
今山行の大失態は車のキーをトランクに入れたまま閉じてしまい携帯のつながるところまで登り、友人に連絡し登山口の愛車のところにスペアキーを配達してもらったことだ。
稜線に出てからの強風とホワイトアウト、今までの登山では経験したことのない体験が出来た。
カムイビランジという花を直に観られたことが今山行最大の感激であった。「山旅・花旅」さんのおかげか?!でも写真は最低だ!!
私の経験不足かもしれないが、日高の夏山縦走としてはこの区間がもっとも厳しいように思った。昨年のペテガリ~コイカク間よりもブッシュがうるさく感じたし視界が無いせいか精神的にもつらく感じた。稜線も狭いところが多く危険と感じた箇所も多かった。
co1444m過ぎの急登は日高の山をまだまだ知らないからなのか、私の過去の体験の中では最も怖く危険と感じた。下降時を考えると、私にはザイルなしで下りられないかもしれない?!
ホワイトアウト等のため今回カムエク、コイカクの頂は何度か立っていることもあり省略した。
熊の気配はほとんど感じられなかった。日のたった糞を2~3回見た程度だ。もっとも視界30mでは見た時はとんでもない事に・・・。
結果として、2日間も行動時間が10時間を超えていた。体力の衰え等を考え何かの対策か、計画自体の変更が必要な時期に来ているのかも?!
自分の気の弱さに気がついた。しかし、この悪天時に貫徹出来た事は、ある意味自信にはなった。(過信は禁物だ)
9月中には何とか神威岳~ペテガリ岳縦走に挑戦してみたい。が、いまの時点では気力・体力ともに・・。充電期間が必要か!?
来週はデポした自転車を回収に行かなければならない。
「co1444m過ぎの壁」の恐怖、私だけで無かったんですね。
何とも品のある花でしたね。
山は晴天時が良いです。
こちらはまた、天候が悪化してきています。今回の縦走決行の決断は正しかったのかも?!
今回は、山旅花旅(tarachan)さんも天候に苦しめられたようですね。