黒屋堂

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道徳とはなんぞや

2008年01月07日 18時07分49秒 | Weblog
【正論】加地伸行 「徳育」あってこそ国は幸せ(イザ!)

 もちろん、道義の頽廃(たいはい)は今に始まったことではない。有史以来、心ある人々はこの問題を真剣に説き、その回復への提案をしてきた。

いや、そもそも現代に至るまでに本当に道徳は退廃しているのか、というところを私は疑問に思いますけどね。
例えば少年犯罪は半世紀前よりもずっと沈静化しているという事実があるわけでして。
いま道徳的にダメになっている「ように見える」のは、むしろ社会の発展に伴って、求められる道徳の水準が昔よりも上昇していることが原因なのではないかと。
道徳の低下を懸念する人の中には心ある人「も」いたでしょうけど(ニーチェとかね)、大半は単なる野次馬根性だったんじゃねーの?というのが、少しではあるにせよ、ここ数年の道徳低下言説を見てきた私の所感です。


 私は続けてこう発言した。人権というような高次の思想・道徳は、年齢の高い者でなければ、真に理解することはできない。また、一般的道徳を身につけていなくては、そういう高次の道徳を実践することはできない。特に小学生には人権教育は理解が困難であるから、まず一般的道徳をしっかりと教育すべきである、と。

一理あるとは思うけど、これってやり様によっては人権思想を老人たちの占有物にして、若い奴は大人のやってることに疑問なんか抱かず盲従してりゃいいんだ!みたいな風潮を作ることも容易なんじゃないかと思うんですが。邪推?



あと、道徳について
 一般的道徳とは、日常道徳のことである。例えばゴミはその辺に捨てない、友だちとの約束は守る、信号に従う…等々。

と説明しているのに、下では
 それを受けて、大阪府教育委員会は人権基礎教育を試みつつあるが、高い評価を得られず、まだまだ十分ではない。小学生の学力テストにおいて大阪府が全国最下位から二番目というのは、人権基礎教育すなわち一般的道徳の教育が十分でないことと、一定の相関関係があると私は思っている。

と、明らかに一般教養とか基礎学力の話とごっちゃになっている件。
「基礎教育を怠っているのだから人権道徳教育も怠っているのだろう」という理屈なのかもしれないけど、ものは言いようで、
人権道徳教育に割いている時間が多すぎるから基礎教育が手薄になるのだ」という論理立ても出来るはずなんですが。

※「人権教育」じゃなくて「道徳教育」だったね。修正。


 法律は守るが法律に書いていないことは何をしてもいい、となるのが順法精神原理主義の危険なところなのだ。それはすでに、高学歴のホリエモン・村上ファンドらの行為にはっきりと出ていたではないか。

かなり前に駄文を書いたけど、ホリエモンとか村上ファンドみたいな目立ちたがりばかり叩くってのは、私にはむしろ「こうして現代の病理を批判してる俺様って偉いでしょ」っていうポーズに見えてしまうんですが。
だいたい「法律を守っていれば何をしても~」って、堀江も村上も警察のお世話になったじゃん。

こういう話をするなら、むしろフリーターや派遣の労働力なり、サービス残業みたいな違法行為に頼って人件費を浮かせてる諸々の大企業を批判したほうが、ずっと建設的だと思うんですがどうスかね?
そっちはまだ(訴訟が起きている事例もあるのだろうけれど、大々的には)社会的制裁を受けていないんだから。



道徳教育ってのは、教える道徳次第では容易に「洗脳教育」になり得るわけでして。
極端な例を言えば、北朝鮮では「将軍様への敬愛」が道徳な訳じゃないっすか。
現代日本ならそこまで酷いものはないでしょうけど、
たとえば体制や権力者(中には加地氏が批判する「己の利益のためになんでもする」連中もたくさんいるでしょう)への無批判的な態度は現代でも「教育」することは可能でしょうし、実際教育再生会議系の「モラルが低下して云々」てなことを言う有識者の方々を見てると、そういうとんでもねえ「教育」がガチで行われるんじゃないかと心配になりますよ。




これからは「似権派」に代わって「似非道徳派」というのが流行るんじゃないかと予想。


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1 コメント

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Unknown (黒屋ぶるー)
2008-01-07 18:45:26
あと、あれだ

「三次に武士道などない」。

「国家の品格」以降の武士道ブームを見てて思うけど、
武士道ってのはツンデレとかと同じで二次属性なんじゃねえかと。
ほれ、ガトーとかゼンガーとか。
「武士道キャラ」というキャラ属性であって、実際に武士道を体現する「サムライ」ってのが本当にいたのかは疑問。
そういうキャラ付けをされた人たちがいた、ってだけであって。
(っていうと「武士道って三次でも通用するんじゃん」って言われそうだが、それは「しゅごキャラ!」のあむちゃんが周りから「クールでカッコイイ」と思われてるってのと同じで、
本当にその人たちが―少なくとも「国家の品格」系の現代的解釈における―武士道を体現するような生き方をしていたかが私には甚だ疑問。)

だいたいそういう人たちって、今だったら野蛮とか凶悪とか言われるんじゃないかと思うんだけど。
赤穂浪士なんか逆恨みで人殺してるんですぜ。現代の道徳に照らしたら、どう考えても褒められたものじゃない筈なんだけど。


なんかまとまりのない文章だな。いつものことだけど。
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