
東京大学などの研究チームは18日、新潟県沖の日本海の海底で、大量のメ
タンが湧出(ゆうしゅつ)する場所を好んで、ベニズワイガニが密集して
いることがわかったと発表した。
メタンを湧出する環境がベニズワイガニにとって良好なエサ場となって
いると見られるが、詳細は不明である。
日本海には、白いシャーベット状のメタン化合物の塊で、燃える氷とし
て注目される「メタンハイドレート」が埋蔵されている可能性がありますが、
研究チームの松本良・東大教授は「カニの密集を調べることで、メタン
ハイドレート探査の手がかりになる」と期待しています。
研究チームは、メタン湧出地である新潟県沖はベニズワイガニの一大生
息地であることに着目。海中ロボット「ツナサンド」を使い、ベニズワ
イガニが生息する直江津港沖合30~40キロの海底12か所(各800平方メー
トル)を連続撮影した。
大量のメタンが湧出する9か所では、通常の生息密度の数倍~約80倍、
最大3341匹ものカニが密集していた。メタン放出が少ない残り3か所は
平均か全くいなかった。
カニは、メタンを起源とする炭酸塩などでできた岩や、メタンを栄養源
とする微生物の集合体「バクテリアマット」などに特に密集。そこでは
エサとなる生物が豊富と見られる。
(2010年8月19日01時53分 読売新聞)

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