光化学スモッグの街
自動車の排気ガス
かって日本でも、光化学スモッグの公害が大変でしたが、今や中国ではPM2.5と呼ばれる光化学スモッグで大変な状況になっています。このスモッグは、偏西風に乗って日本へも到着し、公害の危険にさらされています。
「光化学スモッグ」の注意報とはどんなものですか?
工場や車から出る排気ガスが太陽の紫外線を浴びると、排ガス中の物質が化学反応を起こして、オゾンやアルデヒドといったガス状の有害物質になります。そのガスが濃くなったものを光化学スモッグと呼ぶのです。スモッグは煙と霧の合成語です。
どんな風に有害なのですか?
外にいると目がちかちかして痛くなったり、喉や頭も痛くなったりします。ひどくなると意識がもうろうとして、入院するケースもあります。アサガオは、2~3時間で葉に白い斑点が出ます。ひどいと枯れることもあります。ケヤキやポプラは、落葉の季節でもないのに葉が落ちてしまいます。
発生しやすい時期や地域はありますか?
気温が20度以上で日差しが強いと化学反応が進みやすいので、夏場に発生しやすいのです。風が秒速3メートル以下の日は、ガスが濃くなるので要注意です。濃度が一定以上になると都道府県などが注意報を出しますが、1年のうちでは7月~8月に集中しています。特に、都市部や幹線道路沿いは排ガスが多いので発生しやすいのです。環境省によると、主に関東地方や太平洋側の都市部で注意報が発令されたケースが多かったようです。昨年は、千葉県、大阪府、福岡県で80人が病院で治療を受けましたが、入院などの重症者はいませんでした。
注意報が出た場合は、そうすればいいですか?
すぐに外での運動を止めて屋内に避難しましょう。目や喉に痛みを感じたら、目を洗ったり、うがいをしたりすれば症状はやわらぎます。ただ、注意報が出なくても、光化学スモッグが出やすい天気の日や排ガスで遠くのビルがかすむ日は気をつけてください。
参考文献:読売新聞