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14歳も年下の母さん

2014-01-02 22:49:45 | 日記
〇帰省をしていました。

 年末から年始にかけて、四日間のあいだ実家に帰省をしていた。いま住んでいる家は神奈川県の横浜市にあり、実家は埼玉県の上尾市にある。鈍行電車を乗り継いでも二時間もあれば、帰れてしまう距離なので、帰省という表現を使うには少し大げさなのかもしれない。距離はそんなに離れてはいないけれど、一人暮らしをはじめてからというもの、実家に帰る頻度は減った。最後に帰ったのは、夏に入る前だっただろうか。思い出せない。
 なかなか帰っていないと、妙な居心地の悪さを感じてしまうというか、自分が今まで生活していた場所なのに、家の中の細かいところに違和感を持ってしまう。風呂のタイルにこびりついた細かい汚れであったり、家の中にある意味のない、捨ててもいいんじゃないかというようながらくた、そういうものがとても気になる。住んでいた時は気になったことがなかったのに、気になってしまい、なんだか少し落ち着かない。社員寮に住んでいた時は、ちょくちょく家に戻っていたので、一年前の年末年始にはこういう違和感を持つことはなかった。大学生の時、一人暮らしをしている友人が、「実家は落ち着かない」というようなことを言っていて、当時は不思議だったのだけど、その意味がすこし分かった気がしたのだった。

〇僕より14歳も年下の母さん。

 正月には、今は近くに住んでいる母方の祖父がどこからか引っ張りだしてきた、昔の映像を記録をしたビデオテープを家族で見ていた。母親の実家は岩手県にあり、冬には、祖父は地元の子供たちと一緒によくスキーをしていた。8mmビデオで、その様子を記録として撮ってあるらしかった。その中に母親が映っている場面もあるということで、家族みんなで見ることにしたのである。
 映像は、40年以上も前の機器で撮られたこともあり、音声もなければ、画像も粗いものだったのだけど、不思議と目を離せない。記録の大半は、子供たちがスキーを滑っている様子を、遠巻きから映しただけのものだった。子供たちの動きはせわしなく、ところどころ転んでいる姿が目立ち、かわいらしい。youtubeでペンギンの群れの行動を映した映像をみたことがあって、あれに似ていると思った。ペンギンも、氷の上をせわしなく動き、しょっちゅう転ぶのである。
 しかし、ビデオも中盤になり、母親が映る場面になるとアンビバレントな気持ちに捉われはじめた。いま一緒にビデオを見ている母さんは、僕より28歳も年上で、映像の中の母さんは小学校4年生だったので今の僕よりも14歳も年下だ。映像の中の母さんは、客観的にみて、ちっちゃくてかわいい。そう思ったのは事実である。しかし、母さんはこの何も知らない子供時代を経て、18年後には僕を妊娠するのである。そういう存在に対して、大人が子供を見て、かわいいと思うような、あるいはペンギンの群れを見てかわいいと思うような気持ちを持つことは、なんだか間違っていることのような気がして、ならないのであった。

呆然とする言葉

2013-12-29 20:42:10 | 日記
〇おさまりました。

仕事もなんとかおさまり、休養期間にはいっています。

〇呆然とする言葉

 先月の話になるが、NHKの集金人が、受信料の契約をするために、いま住んでいる家にやってきた。たぶん年齢は僕より二つか三つ上くらいだろうか。スーツを着ていて、身なりもきちんとしていた。でも、職業柄、訪れた家に文句を言われることが多いのでそうなってしまったのだと思うが、とても申し訳なさそうというか、下手に出るといった態度を貫き通していた。
 はじめ、彼が来たときに、僕はテレビを持っていないので、当然、受信料を払わなくて済むものだと思っていた。しかし、そのことを説明しても、集金人は帰ろうとしない。彼によると、「iPodやパソコンでもテレビを見ることができるので、支払義務があるんですよ…」とのことだった。iPodでテレビを観られることなんて知らなかった。そもそもiPodでテレビを観る人なんているのか?色んな疑問が浮かんで、受信料の契約をすることに対して、腑に落ちない気持ちでいっぱいだったのだけど、言い争いをする気力が残ってなかった。夜の9時くらいという遅い時間で疲れていたし、11月の寒さが増してくる季節にも関わらず、集金人はドアを開けっ放しにしたまま僕との交渉に臨んでいて、うんざりし始めていたのである。結局、契約をすることになった。あぁテレビを持っていないのに受信料の契約をすることになるとは、これでテレビを買わなければ格好がつかないな、というようなことを考えていた。
 NHKの受信料はクレジットカードで払う方法が最も簡単であるらしいが、その支払い方法を行うには、集金人が持っている専用の機械にカードを通さなければならない。そのことに抵抗があったため、払い込み用紙に必要事項を記入して、口座引き落としを行うという方法をとることにした。記入が終わった後に、判子を押すのだけど、そういえば、シャチハタは会社に置きっぱなしだったので、家には銀行届出印しかないのであった。ちぐはぐな感じがしてどうも嫌だったのだが、集金人に「すみません、いま家にこれしかなくて…」と断りを入れながら、銀行届出印に対してはとても小さいスペースに捺印をした。集金人は確認をするために払い込み用紙を手に取って、か細い声で、「あぁ…大丈夫です…とてもご立派です…」と言った。『とてもご立派です』なんて、今までの人生で言われたことが一回もなかった。立派とか、そういうものとは無縁の生活を送ってきたように思う。いつかは誰かに『ご立派です』と言われる日が来るのかもしれないが、自分自身のことではなく、よりによって印鑑に先を越されてしまった。冷たい風が部屋の中に吹きすさぶ中、ただただ、呆然とするしかなかった。

バンジージャンプの話

2011-04-30 17:14:50 | 日記
昨日、よみうりランドでバンジージャンプをしてきました。
最近は少し自堕落な生活を送っていて、
もしかしたらバンジージャンプをすることで少し前向きになれるのではないかと思ったからです。
何も企画や罰ゲームではなくてそういう手前勝手な理由なのだけど、一人で行くのは流石に心細いので、
サークルの友人を2人誘いました。突拍子もない誘いにも関わらず引き受けてくれてありがとう。

午後の二時頃によみうりランドで待ち合わせて、早速バンジージャンプに向かいました。


看板



バンジージャンプの台



~~

僕らが着いた時には、ふもとの広場に10人~20人程のギャラリーが集まっていた。
今まさに台から飛ぼうとしている人がいる。
しかし、直前で恐怖のあまり躊躇してしまっているのか、中々飛び降りない。
しばらくそんな膠着状態が続いていたが、やがて「一名リタイヤです」というアナウンスが聞こえた。

今思うと僕らが挑戦する前に、リタイヤした人を見ることが出来たのは幸運だったのかもしれない。
下にいたギャラリーは興醒めしたような雰囲気に包まれていたし、何よりアナウンスでリタイヤすることを
知らされるのはとても恥ずかしいことだと思う。
リタイヤすることはできるが、上まで辿りついたら何が何でも飛ばなければいけない、そんな決意がこの時に固まったような気がした。

受付で料金を払うと規約書にサインするように指示をされる。
確か「持病により万が一の事態が起きてもよみうりランドに損害賠償はできません」という内容だった。
ジェットコースターなどの絶叫マシーンではこのような規約書にサインをさせられたことはなくて、
この時に少し不安な気持ちが沸き起こったことを覚えている。
体重が基準内に収まっているか、計器で確認し、荷物を全てロッカーに預ける。
そして係の人に安全器具を装着させてもらい、いよいよ階段を登り始める。
僕はこの階段を登る時に「あぁ始まったんだな」と思った。
例えばジェットコースターだったら、マシーンがスタートした時に「始まった」と感じる。
同じようにバンジージャンプというアトラクションは落ちている瞬間を楽しむ(恐がる)ものだと思っていたが、
階段をただ登っている段階から強いストレスが体にかかるのだ。一段一段階段をあがる毎に心臓の鼓動が高まっていくのを感じる。
段々と足腰に力が入らなくなり、自分がどれだけ登ってきたのかも分からなって気が付くと頂上についていた。
地上22メートル、ビルでいうと7階分に相当する高さ。
今思い返すと、頂上からはとても素晴らしい景色が広がっていたと思う。
でも、景色を楽しむ余裕なんかは勿論なくて、立っているのも恐くなり、力なく順番待ち用のイスに座りこんだ。
順番がやってくると、ゴムロープを装着され、踏切台に来るように促される。
下から見上げた時はそこまで高さを感じなかったが、上から見下ろすと地上が遥か遠くに見える。
係の人に両手で頭の後ろを支えるように指示されるが、そのまま落ちてしまいそうで、
なかなか片手を横にある手すりから離すことができない。

だが、何かの心境の変化があって(昨日のことなのに覚えていない)、両手を頭の後ろに持ってきた。
同時に、アナウンスが始まる。

3、2、1、バンジー!

落下している感覚を感じ取る暇もない程のスピードでゴムロープが伸び切り、
また上空へ押し上げられる。この辺りでやっと恐怖を理解することができたのか
今まであげたことのないような醜い悲鳴を上げていることに気付いた。
そうしてまた落ちて上空へ押し上げられて、それを何回か繰り返し、段々とスピードが緩んでいきバンジージャンプは終わった。

~~

以上でした。
思ったことを簡潔にまとめておきます。

・落ちることそのこと自体はそこまでこわくない。
ジェットコースターなどの絶叫マシーンと比べると、時間も短いし、体にかかる負荷も少ないと思いました。
むしろ落ちることよりも、階段を登っている時や、踏切台に立った時のストレスが凄まじいです。

・吊り橋効果?
友人が終わった後に吊り橋効果について言及していました。
確かに僕たち三人の他にもう一人頂上で待っている人がいて、(残念ながら男性でしたが)
人見知りの僕も緊張をほぐすために自然と話しかけることができました。
終わった後もその男性とは少し話をしました。吊り橋効果は確かにあるのだと思いました。

・性格が出る。
僕は結構、自分が不測の事態に出くわすと軽いパニックを起こすことを自覚していて、
やはりジャンプする直前まで訳の分からないことを周りに言っていたと思います。
残りの友人の二人共、階段を登り始めてからやり切るまでの反応が違い、こういう時に人間の本当の性格が出るのかなぁと思いました。

・ストレス解消にはやっぱりいい。
やはり飛んだ後のやり切った、という感覚の強さは他の絶叫マシーンに比べて格別だと思います。
マシーンは乗りさえすれば、後は待っているだけで全てが終わりますが、バンジーは階段を一段一段登っていく所から、飛び降りるまで全て自分の意志で行わなければいけません。それだけに終わった後はすがすがしい気持ちがし、自分が一つ成長したような気分になりました。