何が一番嫌いかと言われたら、卑怯なのが一番醜いと言うだろう。
いつも路上へ不正駐車している車、ナンバープレートを見えなくしている車、レストランの隣で食事している人はビールを飲んでそのまま車に乗り込む。万引きして「だったら金払えばいいんでしょ」と捕まった人が言う。子どもも大人も同じ。なんて醜い人たちだろう。日本人とは思えない。
多分この写真を見てもわからないだろう。電灯の下に隠れるように人が立っている。ここで目を光らせ、100m先で車を止める。あなたシートベルトしていませんね、こちらへどうぞ。交番には数台を駐めるスペースがある。決まりがあるのに守らない人、そんな輩を放っておきたくない。罰を与えてくれてありがとう。それはその通りなのだが、、
田舎では名士というのは、地区長、小学校の校長、造り酒屋の主人と駐在所の警官だった。何か集まりがあると、その人たちが別格の扱いででんと座っていた。立派な風景だった。
ところがそんな人たちの権威がどんどん落ちてきた。悪名高き神奈川県警だけでなく、福岡やあちこちで警官が悪いことをする。飲酒運転を取り締まる人が飲酒運転をして捕まる。そんなことが連続して報道される。一体どうなってるんだと思う。権威も何もあったもんじゃない。なんだ警官って立派な人ではなかったんだ…。
実際はどうなんだろう。警官の99%以上はしっかり頑張ってくれているはず。ホンのごく一部に何かあるとみんなが悪く言われる。日本の特徴か、公人、公務員が何かしたら鬼の首を取ったように「最近の○○は…」とみんながえらそうに話し出す。お上に反発することで自分を優位に見せたいようだ。反発は自分のアイデンティティを保つのに必要か。
警察の権威失墜が始まった時、大阪で色々な人たちを呼んで意見を聞く場があった。警察が呼んだ会だった。誰を呼んで、どんな意図で、どこで、いつやったかは覚えてない。だけど1つだけはよく覚えている。
さすが大阪、呼ばれた人の中にはお笑いの人もいた。
「こっそりと草むらに這いつくばってねずみ取りしている警察に権威なんてありまっかいな」
文珍さんが言った言葉は、まだ免許も持ってなかった自分にもものすごく印象に残る言葉だった。続けて、「金が無くなると取り締まりをするんよ」と言う父の言葉が追い打ちをかけた。
「田舎の駐在じゃなく都会の警察署に戻るためには実績がいるからな。じゃから若い警官が(転勤で駐在所に来ると)よく取り締まりするんよ。」
あぁ取り締まりってお金のためだったのか。子どもにはそうしか取れなかった。
私は警察の人はとても頑張って仕事してくださっていると思っている。だけどこの小さな時の刷り込みがいつまで経っても抜けない。またお金儲けなのか…と。
誰かこの気持ちをなくしてくれないだろうか。それとも本当に少しの真実を含んでいるのだろうか。そんな大人の事情は醜くしか感じられない。