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Forza世界史 in Blog

心機一転となりますか。

ロシア革命の二重権力

2005年11月09日 | 8期 授業のポイント
臨時政府とは、前政府の正当な継承者として憲法の制定までの間、政治の空白をうめるために組織された政府である。
 3月革命ではニコライ2世のツァーリズム政府が崩壊した。そのため、政治を運営するために存在した官僚機構や前線で戦っている軍部を統括するための政治権力が空白状態となった。そこで、第一党であったカデットが臨時政府を構成して、前政権の正式な継承者となったのである。官僚機構や軍隊は、臨時政府の管理下に置かれた。
 その一方で、自然発生的に成立したソヴィエトが、一時的に各都市の無政府状態の混乱を自治組織として、混乱を解消するために機能した。これも1つの政治権力といえる。各国の政府はリヴォフ公を首班とする臨時政府を正当な継承者として承認するが、事実として兵力(兵士ソヴィエトが唯一の都市の軍事力である)を持つソヴィエトという政治権力が都市に成立したのである。この状況を「二重権力」という。
 各都市に成立したソヴィエト政府のうち、指導的役割を果たしたのは首都ペテログラードのソヴィエトであった。また、レーニンをはじめとするボリシェヴィキの主要メンバーはツァーリ政権下の弾圧を避けて各国に亡命していたため、ソヴィエトの方向性を決したのはメンシェヴィキの運動員である。以上のような「2重権力」の状況は1917年7月事件まで続いた。