ウォーターマッシュルーム

私の担当の患者さんのお誕生日が近づいてきました。
プレゼント選びにとても悩んだ。

一応予算は決まっていて、その中で受け持ちナース達が買いに行くことになってます。

植木が好きということで、ほんとうは鉢植えって縁起がよくないんだけど。育てる楽しみを味わって頂くために。選びました。探しすぎて足がくたくたになっちゃったけど。

ウォーターマッシュルームにしました
葉っぱがマッシュルームに似ているからなんだって。くまは偶然ついてたんだけどね。かわいいから

喜んでくれるといいな

バースデーソング

「はっぴばーすでーとぅーゆ～」パチパチパチ。

患者様のお誕生日。ボランティアさん含めスタッフ全員ベッドを囲みバースデーソングを歌う。そしてプレゼントとメッセージカード。写真撮影。

突然の訪問に驚く患者さん。

涙もろいのでまた泣きそうになっちゃったけど、ここはがまんがまん。笑顔でお祝いしなきゃね。

一般病棟ではありえない行事。一緒に喜びの時間を共有する。

そんなことしか私達にはできないけど、それってすごく大事なことだよね。

思い出になってくれるかな。

思い出ってこの世を去るときに全てなくなってしまうのかな。

私はそれはないと思う。思い出は魂とともに舞い上がるんだ、きっと。

旅立ち

この間挨拶したばかりなのにもうさよならでした。８日間という短い間でしたが、
あなたさまに出会い受け持たせていただくことができて感謝しています。ありがとうございました。そして８６年間本当にお疲れ様でした。

あまりに穏やかな表情で旅立たれたので、よかったという想いと別れの淋しさというものがこみ上げてきてボロボロ泣いてしまった。

ほんとうに穏やかな顔だった。こんなふうにみんな逝けたらいいのにな。

ホスピスでは亡くなった後にお風呂に入って頂くのだけれど、お風呂中「気持ちいいなぁ～」って今にも言い出すのではないかと思うくらい自然だった。

お別れは淋しいけど私はこの旅立ちを心から祝福します。

行ってらっしゃい。

深呼吸を

私の病棟にはカウンセラーというのがいて、患者・家族だけでなくナースのメンタル面も支えるということを行ってくれている。

この間人生初めてカウンセリングというのを受けて。何をしゃべろうか、何もしゃべることなんてないよ。なんて思ってたけど。

気付いたらべらべらしゃべってた。いつの間にか思っていることを話したくてしょうがない衝動にかられて。やっぱプロだなーと思った。

その時に海をできるだけ見にいくように言われて。まぁ心の処方箋ですかね。
言われた通り見にいったんだ。

心がすーっとした。目をつぶれば波の音、セミの声しか聞こえない。
そして夏草のなつかしい匂いがした。

それだけで人は何かをリセットすることができるのかもしれない。
この疲れ果てた心を癒すのはやはり自然が一番なのかな。

また行こう。近々。

出会いから最期まで

「初めまして、担当のくまと申します。よろしくお願いします」

私とあなたの出会いには何か縁があるのでしょうね。これからあなたが安らかに最期を迎えられるようにお手伝いしたい・・・

私には何ができるのでしょうか。あなたが最期を迎えられる瞬間
「いい人生だった」
そんなふうに思えるように。できる限りのことをしたいのです。

これが私の仕事。ホスピスというところで働いている今、毎日毎日『死』を意識しなければいけない。時々いやというほどのしかかってくる責任感。重圧感。

逃げ出したい時もある。元気で退院する人はいなく、別れ＝死だから。

でも。沢山の事を学べるところだから。もう少し、あともう少し頑張ろう。