くまきちの「音楽と観劇の日々」

ライブハウス通いと観劇が趣味の“くまきち”がお送りする、とりとめもない日記形式の自己主張。

私の音楽に対する考え方

2006年01月05日 02時54分50秒 | 音楽のこと
自己紹介文を書くときには、音楽についての考えを書くことがよくある。最近使う自己紹介文の音楽についてのコメントには、「リズムセクションがしっかりしていて、声が観客の耳と心にきちんと届くような、歌詞を大切にできるバンドが好きです。」といった内容のことを書くことにしている。

実際、いろいろな理由でライブハウスに行くことが一昨年の秋ぐらいからまた昔のように増えてきているのですが、ライブハウスで活動しているバンドのほとんどは、ボーカリストが何を言っているのか言葉が聞こえてこないんです。つまり、バンドとしてボーカルの歌っている歌詞を粗末にしているということです。まぁ百歩譲って天下に比類なき独創性とテクニックを持った演奏を各楽器のプレイヤーが聴かせてくれるのなら許せるかもしれませんが、歌詞を粗末にするバンドは他の楽器のプレイヤーも(さすがにライブハウスで演奏することを許されている最低限度の演奏はしますけど)その人の存在意義を感じさせないくらい下手なのです。ボーカルと楽器の演奏の音量バランスを気にできないんだから、当然といえば当然なんですけどね。

そんな状況の東京のライブハウスなのですが(一流のテクニックを持ったミュージシャン以外演奏させない一部のライブハウスは除く)、まぁだいたい30~50バンドに1バンドあるかないかの確率で「歌詞を大切にしよう」とするバンドがいたりします。その大半は「気持ちでは歌詞を大切にしようとしている」けれども、実際のライブでの力量が不足していたり、演奏自体はうまいんだけど本番に向けてPAの音量バランスをとるようにリハーサルの現場でうまく調整してもらうことができなかったりするので、「歌詞を大切にしよう」という姿勢を持ったバンドのうち実際に本人たちが意図した通りであろうように声と歌詞がきちんと伝わってくるバンドは100~200バンドに1つの割合かもしれません。

で、面白いのは(確かにそうあるべきなのだが)、「歌詞を大切にしよう」という姿勢や意志と「意図したとおりに観客にボーカリストの声を届ける」ための力量を持ち合わせたバンドには、すぐれた作詞・作曲担当がいるし、すぐれたベーシストやドラマーがいます。そして、そういうバンドは「ボーカリストが観客をあおらなくても自然と手拍子を打ち自然と踊りだす」もので、いちいちあおらないと手拍子の一つもでないようなバンドは99.9999パーセント下手なのですね。しかも歌詞もつまらなくて、ボーカリストの滑舌の点でもPAのセッティングの点でもあまりにもお粗末過ぎていったい何を言ってるのか全然聞き取れないですしね。

もちろん、テレビで「活躍」し、大量のCDセールスを誇るバンドはほとんどがこれと同じような感じなんですよね。むしろ、テレビでの「活躍」は実力の欠如の証明とも言いうるような状況でもあります、一部の例外を除いて。

その意味では、私がうまいと思ったバンドのほとんどは売れてませんね(CDセールスの面で「マニアックの域」に達していると、カラオケに関しては JOYSOUND にすらないということもよくあります)。
まぁ、いまどきは歌詞も声も幼稚でないと売れない時代なんですから、大人のミュージシャンが結成したまともなバンドが売れないのはあまりにも当然のことなんですけど(別の視点で言うと、素人がちゃんと声が出なくてもそこそこ歌えるようになれる歌以外は商品化させてもらえない時代であるとも言えるわけです)。


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