昨日のブログの記述に関して補足説明させてください。
私、文中で、こう書きました。。
『そして5mで3分間の安全停止さえしていれば、大丈夫という思いこみ。。。。』
これは、“安全停止が不要だ”と言っているのではないことはおわかりいただけると思いますが、“思い込み”というのはちょっと表現が強すぎますし、じゃあ何が必要なのかの説明が不足していますよね。。。
安全停止は減圧症防止の手段として有効だと言われています。これは間違いありませんし、私たちインストラクターは口をすっぱくして講習生やガイドするお客様にお伝えしています。
安全停止とは、「減圧症のリスクを軽減するために、浮上前の水深5m付近で3分間停止し、体内に溶け込んだ窒素を排出すること」です。
無視してそのまま浮上するとほぼ確実に減圧症に罹患する“減圧停止”とは異なります。
減圧停止は、厳密に、停止しないと危険ですが、安全停止は“安全のためには、そうしたほうがよりいいですよ”という考え方です。
ですから、減圧停止“○mで○分”の指示を無視して浮上するとダイコンはロックがかかり24時間使用できなくなりますが、安全停止のカウントダウンを無視しても、次のダイビングでは使用できます。
最近では、“安全停止”という言葉は、日ごろからファンダイブの場でかなり一般的になってきています。
ただしそれだけでいいのか、またこの表示に縛られすぎていないか、といった問題提起もしたいのです。
ガイドしていて一番困るのは、安全停止後、水面まで一気に浮上するダイバーです。。
安全停止はしているけれど、安全停止の意味するところが理解できていないのかもしれません。
私たち、インストラクターも講習中、“安全停止”という言葉を覚えこませるのではなく、その意味を理解してもらうよう努めるべきです。
安全停止によって体内の窒素を排出する努力をしたにもかかわらず、その直後の急浮上によって体内にまだ飽和状態で溶け込んでいる窒素を気泡化させては本末転倒です。
私が言いたいのは、安全停止もだけど、浮上速度などプラスアルファの知識や情報も大切にしたいということなのです。
「安全停止の深度まで、ゆっくり浮上、停止後、さらにゆっくり浮上」。これ鉄則です。
NAUIでは1分間に9mの浮上速度を推奨しています。
私の2台あるダイコンの1台も、3m~6mで3分のカウントダウン機能付きです。
安全停止中の目安としては重宝しているのですが、同機能のついたダイコンに縛られているダイバーが多い気がします。
潜降ロープが混み合っているとき、3m~6mで安全停止できないことがあります。
水深6.1mで停止していては、カウントダウン表示にはなりません。先のグループが浮上したあと6m以浅でさらに3分間停止すると、先に上がったグループをボート上で3分以上待たせることになります。
カウントダウン機能が付いているがために、この10cmの差が気になるダイバーが増えています。このケースでは、6.1mにいた時間も安全停止の時間に加えていいのではないでしょうか。私も性格的に、画面に3分、2分、1分と表示されてしまうと、それを無視して浮上すると不安を感じてしまいますが、フレキシブルに対応したいものです。もし気になるなら、よりゆっくり浮上するとか工夫をすればいいと思います。
もちろん余裕があればカウントダウンに縛られることなく、3分以上とどまっていてもいいわけです。3分は目安であり絶対でないのに、表示があることで、3分が独り歩きしてしまうのはどんなものでしょう。。。
新型のダイコンには、このカウントダウンが秒刻みのものもあります。正直、私はここまでの機能がなくてもいいのでは、と思っています。皆さんはどう思われますか?
こんなこともあります。
熱海では、海面に大きな波があるとき、過去何人ものダイバーが、安全停止中に波酔いしています。ロープをしっかり握りしめていたために、上下に揺られたことが原因でした。
こんな海況のとき、波酔いしても安全停止を続けるか、安全停止を短縮してゆっくり浮上するか、皆さんならどちらを選びますか?
私は、このような状況が想定されるときは、事前にブリーフィングで説明したうえで、後者の対応をさせていただきます。
もちろんそんなときはNO DECOぎりぎりのダイビングはしませんが。。。
緊急浮上のときは、安全停止はありえませんよね。
できるだけ“ゆっくり”浮上するのみです。
例えば、水中でバディやグループを見失ったときは、1分間周りを探して、見当たらなければ水面で集合が決まり事です。こんな状況で、真面目に安全停止していたら水面で落ち合うタイミングがずれてしまいますし、とんでもないところに流されている可能性もあります。ここでも安全停止はせずに“ゆっくり”浮上するべきです。
11月にオープンした小曽我洞窟は、最大水深が10m程度です。
こんなときでも機能つきのダイコンは、安全停止のカウントダウンを始めます。
このとき5mで安全停止するのはナンセンスです。小曽我には7mほどの根頭がありますから、しばらく時間をつぶした後、ゆっくりと浮上するのが私のやりかたです。
安全停止はとっても大事なことです。その知識を持った上で、ここで紹介したような事例を知っていていただければ、より安全に楽しくダイビングできるかなと思っています。

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クリックいただきランキングが上昇するメリットは、私のブログの存在をこれまで知らなかった方に知っていただけることです(笑顔)。
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私、文中で、こう書きました。。
『そして5mで3分間の安全停止さえしていれば、大丈夫という思いこみ。。。。』
これは、“安全停止が不要だ”と言っているのではないことはおわかりいただけると思いますが、“思い込み”というのはちょっと表現が強すぎますし、じゃあ何が必要なのかの説明が不足していますよね。。。
安全停止は減圧症防止の手段として有効だと言われています。これは間違いありませんし、私たちインストラクターは口をすっぱくして講習生やガイドするお客様にお伝えしています。
安全停止とは、「減圧症のリスクを軽減するために、浮上前の水深5m付近で3分間停止し、体内に溶け込んだ窒素を排出すること」です。
無視してそのまま浮上するとほぼ確実に減圧症に罹患する“減圧停止”とは異なります。
減圧停止は、厳密に、停止しないと危険ですが、安全停止は“安全のためには、そうしたほうがよりいいですよ”という考え方です。
ですから、減圧停止“○mで○分”の指示を無視して浮上するとダイコンはロックがかかり24時間使用できなくなりますが、安全停止のカウントダウンを無視しても、次のダイビングでは使用できます。
最近では、“安全停止”という言葉は、日ごろからファンダイブの場でかなり一般的になってきています。
ただしそれだけでいいのか、またこの表示に縛られすぎていないか、といった問題提起もしたいのです。
ガイドしていて一番困るのは、安全停止後、水面まで一気に浮上するダイバーです。。
安全停止はしているけれど、安全停止の意味するところが理解できていないのかもしれません。
私たち、インストラクターも講習中、“安全停止”という言葉を覚えこませるのではなく、その意味を理解してもらうよう努めるべきです。
安全停止によって体内の窒素を排出する努力をしたにもかかわらず、その直後の急浮上によって体内にまだ飽和状態で溶け込んでいる窒素を気泡化させては本末転倒です。
私が言いたいのは、安全停止もだけど、浮上速度などプラスアルファの知識や情報も大切にしたいということなのです。
「安全停止の深度まで、ゆっくり浮上、停止後、さらにゆっくり浮上」。これ鉄則です。
NAUIでは1分間に9mの浮上速度を推奨しています。
私の2台あるダイコンの1台も、3m~6mで3分のカウントダウン機能付きです。
安全停止中の目安としては重宝しているのですが、同機能のついたダイコンに縛られているダイバーが多い気がします。
潜降ロープが混み合っているとき、3m~6mで安全停止できないことがあります。
水深6.1mで停止していては、カウントダウン表示にはなりません。先のグループが浮上したあと6m以浅でさらに3分間停止すると、先に上がったグループをボート上で3分以上待たせることになります。
カウントダウン機能が付いているがために、この10cmの差が気になるダイバーが増えています。このケースでは、6.1mにいた時間も安全停止の時間に加えていいのではないでしょうか。私も性格的に、画面に3分、2分、1分と表示されてしまうと、それを無視して浮上すると不安を感じてしまいますが、フレキシブルに対応したいものです。もし気になるなら、よりゆっくり浮上するとか工夫をすればいいと思います。
もちろん余裕があればカウントダウンに縛られることなく、3分以上とどまっていてもいいわけです。3分は目安であり絶対でないのに、表示があることで、3分が独り歩きしてしまうのはどんなものでしょう。。。
新型のダイコンには、このカウントダウンが秒刻みのものもあります。正直、私はここまでの機能がなくてもいいのでは、と思っています。皆さんはどう思われますか?
こんなこともあります。
熱海では、海面に大きな波があるとき、過去何人ものダイバーが、安全停止中に波酔いしています。ロープをしっかり握りしめていたために、上下に揺られたことが原因でした。
こんな海況のとき、波酔いしても安全停止を続けるか、安全停止を短縮してゆっくり浮上するか、皆さんならどちらを選びますか?
私は、このような状況が想定されるときは、事前にブリーフィングで説明したうえで、後者の対応をさせていただきます。
もちろんそんなときはNO DECOぎりぎりのダイビングはしませんが。。。
緊急浮上のときは、安全停止はありえませんよね。
できるだけ“ゆっくり”浮上するのみです。
例えば、水中でバディやグループを見失ったときは、1分間周りを探して、見当たらなければ水面で集合が決まり事です。こんな状況で、真面目に安全停止していたら水面で落ち合うタイミングがずれてしまいますし、とんでもないところに流されている可能性もあります。ここでも安全停止はせずに“ゆっくり”浮上するべきです。
11月にオープンした小曽我洞窟は、最大水深が10m程度です。
こんなときでも機能つきのダイコンは、安全停止のカウントダウンを始めます。
このとき5mで安全停止するのはナンセンスです。小曽我には7mほどの根頭がありますから、しばらく時間をつぶした後、ゆっくりと浮上するのが私のやりかたです。
安全停止はとっても大事なことです。その知識を持った上で、ここで紹介したような事例を知っていていただければ、より安全に楽しくダイビングできるかなと思っています。

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心して潜らなければ、とつくづく感じます。
私自身は、安全停止後はたいていグループの誰よりもゆっくり浮上してます。
が、私より早く浮上する人と1分くらいは差がついてしまうこともあるので、もうちょっと早く浮上して、とガイドの人に注意されたこともあり、え?そうじゃないんじゃないの?と思ったりしてます。
浮上速度についても、いずれじっくりお話しさせていただきたいものです。
はぐれた時には安全停止せずに浮上なんですね。
なるほど。確かに。
透明度1~2mの春濁りの伊豆、水深18mあたりで一度はぐれたことがありますが、よく潜っているビーチポイントだったこともあり、落ち着いてしっかり安全停止して浮上したら、ガイドの人と浮上したタイミングがほぼ同じでした。
馴染みのガイドだったので、きっと私だったらキチンと安全停止して浮上するだろうと思ったんでしょうね。
お返事遅くなりまして、失礼いたしました。
すでに日曜日に熱海でお会いし、お話もできましたけれど、いただいたコメントには、ちゃんとお返事させていただきますね。
遅ればせながら、ですが。。。
ふっくり浮上速度についての考え方は、tinaさんが正しいです。
ただしガイドとしては、グループコントロールとタイムマネージメントもまた大事になります。
ゲスト全員に同じタイミングで浮上いただかないと、浮上したダイバー、まだ浮上していないダイバーどちらかにトラブルがあったとき、対処できなくなってしまいます。
とくに水面での事故は多いですから要注意です。。
さらに透明度が悪かったら、バラバラに浮上するのはとっても危険です。
このガイドさんの発言は、先に浮上したダイバーの視点からのものです。
理想的なのは、潜る前のブリーフィングで浮上のタイミングについて説明があることですが、このときはなかったのでしょうね。
あれば、tinaさんも質問できたし、すべてのダイバーがより安心してダイビングできたことでしょう。
海の中を魅せたり、ダイバーとのこまめなアイコンタクトすることもガイドの腕ですが、グループコントロールやタイムマネージメントがしっかりできることもまたガイドの腕だと思っています。
私もまた、常に心がけていたい点です。