―ほしいものはにんげんのし―

2014-12-26 | うた

手は冷たく

頬は冷たく

室温は5℃でも案外死なない。

頭が痛い。呼吸の量が少なく

故に呼吸数は増える。

手が冷たい。

どれだけ毛布を掛けても寒くてふるえる。

千年の孤独。死してなお孤独。

魂の凍結。救えるものは何も無い。

手が冷たい。

もう温まらない。

首が痛い。頭が痛い。

何かが水を飲む音が聞こえる。

あの水ももう尽きる。

世界は悲しいほど均衡を保っていて

悲しいほど平等だ。

長生きをするのは幸福なのではなく、苦しみが長いだけ。

たやすい行為ならば持ちもよくなる。当たり前。

それが長生きだとは。戯言もいい加減にしてほしい。

長生きをしたら勝ちなのか。己の足で歩けなくなっても長寿なのか。

手が冷たいのだ。

明日は凍るようだ。

心までは凍らせたくないが、凍りそうだ。

すでに人に関心無し。故にわが心、凍結す。

手は冷たい。

この醜い化け物は歩く。そろそろ走るかもしれない。

痛む心を持っていたのは幻。とうに痛まない。

己の生を脅かすものは、何者も許さない。排除する。

そうして生きている命。全ての命。

鼠をいたぶったら、狼にかみ殺されるのだろう。

手はまだ冷たい。

多くを望まないと何度も叫んだが、

それが多くを望んでいるのだと気付いた時、

己の手で与えられるものはただ一つ。

生ではなく死。詩ではなく現実。

もう手が冷たくて、ポキリと折れそうだ。

難しいことなど何もない。全ては簡単だ。

天に昇り、数秒のち落ちてくる。何が欲しかったのか。

手が凍る。

手が凍ってしまっては何もできない。

手が凍ってしまっては何も壊せない。

 


2014-12-21 | うた

どうして攻撃していないのにこんなに攻撃を受けねばならないのか。

攻撃とは直接的なもの、間接的なものと、

そしてもう一つあることに気が付いた。

私はそれをしていたのか。そうなのだろうか。

だからこんなに攻撃を受けるのか。全く望まないのに。

無関心という名の攻撃をしていたのだろうか。

攻撃とは。

受け取る側によってそれが攻撃になり、それ以外にもなる。

無意識下の無関心という攻撃。

意図ではなく、意識ではなく、策略でも欲でもない。

どちらかと言えば、欲かもしれない。または願い、望み。

近寄るなという無関心。関わるなという懇願。

なぜこんなにも攻撃を受けるのか。

 

静かな湖面があれば、波立たせたくなる。

静寂に絶えられない人間が多い為、騒音をたてる。

快楽という名の欲は、袋の底が無いので

果てしなく全てを求める。

 

無関心という名の攻撃。

それすら反撃を受けるのか。

ならばどうすればいい。

攻撃に対しては攻撃しかなく、攻撃という名の回避をせねばならない。

望まぬ攻撃を無意識にしてしまっても

必ず反撃があるものと思って回避に力を注ぐ。

回避、回避である。逃げるのだ。

うずくまって泣くのは嫌だが、

しかしそれでは死んでしまうので

やはり刃は返さねばならない。

無意識の攻撃。反撃という名の求める愛。

愛は与えぬ。攻撃という名の愛は与えぬ。

生きる為には全てをあらゆる方向に回避せねばならない。

 


愛の詩

2014-12-12 | うた

頭の悪い巨大な怪物がいました。

ボタンははちきれんばかりです。

脂で頭は禿げています。

口角は二度と上がりません。

最近身内が死にました。

その身内すらけなしていました。

高血圧で今にも血管が破裂しそうなので

そろそろと歩くことしかできません。

怪物は自分がネガティブで暗い返事しかできないのに

他人のことを暗いと言っていました。

正論を吐いているように一見聞こえますが

その一つでさえ、いやカケラでさえ

怪物は実行できていません。

心臓が先か、頭の血管が先か

楽しみにしています。

有言実行とは幻でまやかしです。

非道の実行というのなら、それはまさに有言実行でしょう。

毎日怒り、毎日怒られるのです。

怪物の中身はもちろん脂ですが、

毒素もたくさん詰まっています。

怪物は救うに値しないので、誰にも手をつないでもらえません。

真っ先に地面の割れ目へ落ち、先頭を切って死にます。

誰も一緒に死んでくれません。

誰も一緒に逃げてくれません。

ただ体が大きいというだけで、みんなから恐れられています。

いつその脂と毒と、汚物と呪いが降りかかってくるかと怯えています。

しかし恐れることは何もありません。

己が自分を慰めれば、心次第で自分は悪者にはなりません。

他人を傷つけるのが痛いと思うのは、同時に自分がかわいいと思っているからなのです。

自分が世界一醜いと、愚かで救いようのない者だと諦めれば

他人を傷つけません。そんな徒労はしません。

いったん全てを諦めて、更地にして、全部失って目をつぶって

大地に寝転がって自分の心臓の鼓動を聞きましょう。

まだ生きていますか。生きていたら、次に何をしなければならないか

考えましょう。

起きたい?寝ていたい?目を開けたい。あそこにあるあれは何。

さあ、では何をしなければならないかが分かりましたね。

脂の怪物を退治する必要はありません。

ちょっと足を引っ掛けてやればいいのです。

頭がきっと、割れますね。

汚いだろうから見もせず、脱兎で逃げましょう。

たとえ一匹を殺しても、人間の世界は変わりません。

自分の世界も変わりません。逃げなさい。そこから逃げるのです。

誰も追って来やしません。悲しくなるかもしれないですが、

誰も貴方のことなど必要としていません。

食べられなくなったら死ぬだけ。

起き上がれなくなったらそのままでいなさい。

もう重力に抗うのは疲れました。

時には重力のままに転がっていきましょう。

今はただ怪物を殺すことだけを考えましょう。

一つだけ注意を。怪物を殺す覚悟ができたのなら

絶対に睨み合いから逃げてはなりません。

貴方が目をそらした瞬間に怪物は脂と汚い血を撒き散らしてきます。

危険です。自分が死ぬつもりが無いのなら、絶対に自分から負けてはなりません。

負けることはつまり自分の無残な死を意味します。

絶対に自分から死地に赴いてはいけません。それではただの阿呆です。

成さねばならぬことならば、絶対に負けてはなりません。

その為の準備をしなさい。口を開く暇があるのなら考えなさい。

絶対に負けてはならないのです。死にたいですか?

死にたがっている生物など人間だけです。実はそれも違います。

誰も本当に死にたがってなどいないのです。

何故ならば、生きているうちは死んでいないから。そうでしょう?

いつ死を知りましたか。生きているうちは死は同時に味わえません。

どちらかです。生きているうちは死にたいとは思いません。

死にたいのではなく、別の道を歩きたいだけ。

簡単でしょう?心持ち一つで可能です。他人など知りません。

生きているうちは生きなさい。ゴールは死ですが、それが実は褒美だとはあまり知られていません。

羽も生えていないのに空を飛べるのです。褒美でしょう?

怪物はたとえ羽があっても飛べませんから、さっさと向う脛をたたっ切ってやりましょう。

切ってそのままの勢いで去りなさい。見ても不快になるだけです。

切って、たたっ壊して、走って、逃げて。

見なければ無いのと同じです。知らなければ無いのと同じです。

知ろうとせず、見ようとせず、右手を動かす為には何をしなければならないか、

考えなさい。

勘違いをしないで。怪物をぶちのめすのは私の欲ではなく、

私にとって成さねばならぬこと。快楽でそんなことはしません。

必要か不要かで行動しましょう。明日のことは考えたら負けです。

明日が今日になったら考えなさい。でも準備は全てカケラも落とさずしなさい。

負けてはなりません。怪物に負けてはなりません。

怪物並みに醜くなりたくはないから。

 


2014-12-05 | うた

その人の前で、その人の悪口を言う。

不遜は己の身の災難を呼ぶ。

撒き散らした自分という毒素は

何万倍かになって自分に降り注ぐ。

それはいい。勝手に死んで行ってくれ。

絶対に私を巻き込まないでくれ。

死であがなうのは最安値。

死して終わる。始まるものもある。

死であがなうのは易いこと。

生きて金を稼いで返すほうが苦しい。

さあ、死んでくれ。

これほど他人の死を願ったこともない。

あれほど愛を謳っていたのはなぜだったのか。

いつだったのか。

まだどこかに何かがあると思っていたのだろう。

どこにも何もない。

愛は生であり死である。