―ほしいものはにんげんのし―

2010-06-30 | うた

この世は平等だと知っている。

どれほど貧しく生まれようとも

どれほどたくさんのものに恵まれようとも

早く命が終わろうが、飽くほど長く生きようが

すべて平等なのだ。

たくさんの傷を負えば

たくさんの痛みを知り

たくさんの傷を知ることができる。

これといって悩みがなければ

わざわざ悩みを作る。

不幸自慢の競争は終わらない。


2010-06-30 | うた

この世は悲しいほど平等だ。

生きられない辛さ。

生きなければならない辛さ。

平等だから、そう強く思うから

無理やりにでもそう思おうとしているから

どんな悪行にも悪行で返してはならないと生きてきた。

揺らいできた。

もうそろそろ揺らいできてしまったのだ。

本当に貧乏と金持ちは平等なのだろうか。

互いに得るものがあり

互いに絶対に得られないものがある。

だから平等なのだ

そう思ってきた。

信じてきたわけではない。

必ず世というものはそうなのだと思っていただけなのだ。

一度揺らぐと憎悪は膨らむ。

楽しいくらいだ。

愛することよりも

憎むほうが楽しいのか。

愛する力は儚いけれど

憎む力は意思を持たずに増長する。

 

必ず報いがあるという。

果たして今そこで

たくさんの呪いの言葉を綴りながら生きる人間にも

報いはあるのだろうか。

こんなにも口をつぐむ自分には

わずかな光や温かみが与えられるのだろうか。

この世は平等だと知っている。

その平等の中にも

わずかな均衡のずれはあるのだろう。

生涯裕福な人間などいない。

生涯辛くない生などない。

ただ今、自分が不幸だと思うのなら

それはこれまで怠惰にしてきた結果なのだ。

 

自分を哀れんでくれるのは自分しかいないのだから

せめて自分のために涙を流そう。

 


2010-06-30 | うた

行いには必ず報いがある。

悪いことには尚更だ。

叩きつければ、もっとも大事なものを無くす。

呪いの言葉を吐き続ければ

もっとも信じてほしい人に裏切られる。

だからこの世は怖くて怖くて

萎縮せずには生きられない。

悪態をついたら

どんな報復が待っているだろう。

怖くて怖くて

道を譲らずにはいられない。

周りに何もなくなってから

ようやく一歩を踏み出す。それでも怖い。

見ることも怖い。

見ることによって

傷付く自分が哀れでしょうがない。

心労を重ねる自分が可哀想だ。

なるべく

世に邪魔にならないように

息を潜め

身を縮め

何も見ないように生きる。

なんのために生きているのかという

愚かしい問いは今更持たない。

様々なことの意味を求めない。

人間に生まれついたが

その人間らしさを

少しでも捨てられるのならよい。

人であるけれども

人でないものになることを許されるのなら

いっそそうでありたい。