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『我々はなぜ我々だけなのか』 川端裕人

2018年09月18日 | 読書日記

『我々はなぜ我々だけなのか』 川端裕人
¥1,000+税 講談社(ブルーバックス) 2017/12/20発行
ISBN978-4-06-502037-1

人類の歴史を大雑把に言うと。

初期の猿人、猿人、原人、旧人、新人。

新人というのがホモ・サピエンス。
我々の直系のご先祖さま。
そういう進化の系統図の、複数の人類の中で、なぜ今、我々は我々人類だけなのか、ってことが本書のテーマです。

ぱっと思い浮かぶ旧人類の名前として、北京原人やジャワ原人。原人という括りの中に複数の人類がいる。
なのに、我々は我々だけ。

まあ、結論としては、ホモ・サピエンスは行動力があって移動範囲が広かったから、特定地域での固有の種としての進化というより広く交雑して均質化したってことだね。なんか納得。
現代の地球上で、少数民族が混血化していって純血性が保てないのと同じだ。そして少数話者の言語が消滅したり、文化が失われていく。かといって多様性を保護するためにヒトを閉じ込めることはできない。グローバル化の名の下、均質化はこれからも進むだろう。

それが良いとか悪いとかでなく、もうこの勢いは止められない。
だって私たちはホモ・サピエンスなのだから。

 

> 「今の時点で、本当に一つだけ言えるのは、僕らが習ってきたようにアジアには北京原人とジャワ原人がいました、おしまい、というわけではなかったということです。もっと多様でもっと複雑なことが起こっていた」(240頁)

ホモ・サピエンスに至る前、多様な人類のいた地球。
本書ではフローレス原人とかデニソワ人とか澎湖人とかについて、ほとんど最新の知見が書かれていて、いやー、知らんかったことだらけでびっくりですよ。ひゃー、読んでて興奮した~。
そして日本人学者、すごい!


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