皆で山歩きに出かけた。

しばらく歩いたところで、ご近所さんに会い「レモンをあげるから好きなだけ取って帰って」と声をかけていただいた。

そんなことをしては木が傷んでしまう。
おじいちゃんの指導のもと、よさそうなレモンを収穫するが、こいちゃんはすぐにレモンの木のとげで怪我をして早くもテンションダウンである。

ここらあたりでは良く見かける、たぬきなどの獣道だ。
いっくんはこわごわ中を覗く。
あまり頭を突っ込むと、狸が襲い掛かってくるとでも思っているのか、近寄らず静かに奥の方を覗き観察しているのが面白い。

大人もビール片手にのんびりと、子供のペースで進んでいく。

このまま、私を追い抜かし、何と家に帰ってしまった。
何故…。

何気ない光景だが、一日が終わろうとしている瞬間に立ち会っているのだ、と感じる。

何気ない山道で、小さな発見をしたり、笑ったりするのはとても幸せな事である。