ルルがどうしても沖縄に行きたいと言い始めた。
そりゃ、原爆ドームに行ったり、いろいろなところに行きかなり無理をして遠方にも行ったけど、沖縄は無理だよ!
しかも車で行けると思ってるし…。
車のときには交通費を請求することはなかったので、沖縄にもただで行けると思ったか。
まずは陸続きでないというところから説明を始める。
そして、飛行機代が高いのだから連休でしか無理。
そうなるとさらに金額は上がるのだから…といろいろ説明したが、納得しないルル。
何をしたいのかと聞くと泳ぎたい、お土産買いたい、首里城に行きたいのだと。
しかも学校は休みたくないから土日に行くと言い始めたし…。
しらんで?ホンマにしらんで?
説得が面倒くさくなってきた私は、もし行くとしたら一泊2日で行くにはバカバカしいお金がかかること、向こうではレンタカーは危ないから借りない、その分散々歩き走らなければならないこと、一日で回るには無理があるので、行けない場所が出てくるかもしれないことをしっかり説明。
うんうんと聞いていたルルはさっそくドイツのパパに打診し、沖縄行の飛行機代を出してもらえる了承を得た。
あぁ、了承得ちゃったよ…。
うんざりした私、実は飛行機が死ぬほど怖いのである。
子どもたちは学校、そして親が家を空けるわけに行かない…。
伴侶と二人でルルが旅行に行くのもおかしいし、私がルルと二人で行くことになってしまったのだ。
落ちるんじゃないかと言う理屈抜きに、とにかく閉所で高所で逃げ道がない空間に閉じ込められるなど、考えられない。
冷静でいられなくなってしまうのだ。
とてもじゃないけど無理である。
会社の人に相談し、安定剤を病院でもらってから参戦することに決定。
そこまでする必要、ある!?
甚だ疑問だが、病院で薬をもらう頃には「絶対やり遂げてやる」という、無駄な使命感に燃えていた。
もう、わけわからん。
そして運命の日はやってきた。
前の晩はあえてもらった薬を飲まず、自然のままに不安で寝不足状態で就寝。
深夜まで眠れなかったが、これももらった安定剤をスムーズに効かせるため、計算づくである。
家を5時半に出発し、伴侶が送ってくれた。
途中激しい事故を目撃し、気が引き締まる。
留学生と私二人での旅行なのだから、何かあったら国際問題に発展…。
いろいろなプレッシャーで車の中なのにもう気分が悪い…。
霧で真っ白だし、もう怖い方向にしか思考が行かないんだが。
飛行機だ…。
見るだけで怖い!
あそこに乗り込むんだと思うと、それだけで吐きそう、倒れそう!
もう、無理。
ということで、搭乗20分前まで引っ張っていた薬を服用。
飛行機乗り込んだぞ。
おんやぁ?
何だかぼんやりしてきたよ?
その後はお花畑である。
滑走路に入るときにエンジン音が変わり、一瞬鼓動がはねた気がしたが、その程度である。
これは、よく効く!!
ぼんやりした頭で薬を称賛、心の中で小躍りした。
飛行機のスピードが一気に上がる滑走路。
あっという間に空の上である。
どひゃ~。
500円分のサービスが付いていると言う事で商品を選ばせてもらえた。
どら焼きとボールペン。
ボールペンは150円、どら焼きは350円だった。
本当はビールを飲みたかったが、持ち出しは禁止だったし、薬を飲んだばかりだったので断念…。
綺麗な雲の上〜。
そこが空の上である恐怖も忘れて、時々眠ったりしながら景色を楽しんだ。
薬はよく効いてくれて、テーブルに突っ伏して眠ったら、本気で熟睡してしまった。
沖縄の海だー!!
およそ1時間30分ほどで到着。
めんそーれ沖縄到着。
やっぱり地上は安心するな…。
前回来た時子供たちが小さかったころ、この水槽を見て歓声を上げていたことを思い出した。
時は流れたなぁ…まさか、留学生と二人で沖縄に来ることになるとはねっ。
さて、私とルルがまず驚いたのは飛行機を降りてすぐに体感できるその暑さ。
暑い、全然違う!!
ルルもびっくりしたらしく、飛行機をおりてすぐのモノレールのチケット売り場ですでにバテバテ。
え?早くない?
さっそく不安を感じる私…。
確かにルルは暑さには弱いけど、ここは沖縄なんだからね?頑張れ!
私よりうんと若いんだし、と歩き出した。
が、予想以上にルルは打たれ弱かったのだ…。
暑い中、汗をふきふき到着した首里城。
その直前にタクシーの運ちゃんにつかまった。
沖縄のタクシー運転手はかなり強引である。
首里城の後には波の上ビーチに行って(一番近くて1日で回れる)泳げば、後は国際通りでノルマクリアと考えていたのだが、「波の上ビーチは汚いから、首里城諦めて今からみーばるビーチに連れて行ってやるから。往復で二人で8000円でいいから。首里城なんて見てもしょうがないよ!」とグイグイ来たもんだ。えぇぇぇぇ、どうするよルル。
結構離れ場所なので、首里城を回っている暇などない、と言うのが運ちゃんの言い分である。
しかしルルは「お金ない…無理…。」という事で逃げるように首里城に。
はぁ、強引だなぁ…。
守礼門綺麗だなぁ~。
汗を拭きふきたどり着いた。
坂道は結構キツイ。
沖縄の景色だ。
やっぱり白っぽい建物が多めで、独特である。
あぁ、遠くまで来てしまったもんだ。
首里城手前の門まで登ってきた。
ひぃひぃ、ふうふう。
さて、いよいよ入るかね!
…ところが、である。
いざ首里城について、守礼門もくぐり、さて入館しようと言うときになってルルがのたもうた。
「工事中だし、お金ないから、入らない。」
えぇー!?ここまで来たのにー!?
確かに外壁が工事中だったらしく、足場が組まれていて、ちょっとイメージ違うなぁ、残念だなぁ、とは思ったけれど、入らないって選択肢はないんじゃないの?ここまで来て!?
驚きで「はぁ?はぁ?」しか言えなくなってしまった私に、財布を開いたルルが見せたのはわずか7500円。
はぁー!?あんた、何しに来たのさ!!
手荷物として機内に持ち込むはずだったカバンが飛行機の規格に合わず急遽預けなければならなくなり、2500円を支払って搭乗したルル。
しかし、そんなイレギュラーな出来事も想定して、もう少し…いや、それにしたって少なすぎるでしょうー!!
電車代は?どうやって移動する気だったの?ありえないよー!!
事前にもらっていたお金は飛行機代と宿代としてすでに説明済。
それ以上にかかることは容易に想像できることである。
食事もついていない事も、レンタカーを借りていないことも説明済である。
そこで、私はきっぱりと言った。
「お金はあげることは出来ないけど、貸すよ。」
けれどルルは「入らない」と…。
結局周りから景色を撮ったりしながら首里城公園の「散歩」を楽しんだのだ。
なんだよ、もうぅ~。
とぼやきつつも、炎天下の中バスを乗り継ぎ、歩き、ホテルに到着。
ここでひとまず小休止を入れよう…。
感じのいいオジサンが出て来て受付完了。
荷物を置いたら雨が降らないうちにすぐさまビーチに向かう用意である。
何しろこの時、台風5号が接近していると言われており、天気を大変心配していたのだ。
15分くらい歩いて、ようやく波の上ビーチに到着ー!!
私が泳がないと聞いて、ルルが目を丸くした。
「何で泳がないー!!」
いや、前日にも水着をもっていかない事をお話ししましたがー!?
このビーチに来る前にも「私は泳がないから着替えないよ」とホテルで説明したのに…。
これ以上ババァを動かしたら死んじゃうよ!
うううう…ここまで必死にピチピチの17歳と歩き続けたことだけでも評価してほしいよ…。
仕方ない…と言ったように水着になったルルは寒い寒いと言いながら入水。
なんせ前日まで雨が降っていたからね、たぶんプールよりも寒いよ。
しかし、水がきれいだなぁ。
ルルは泳いだ。
けど、確かに沖縄の海って感じじゃないなぁ…。
やはり金さえあればみーばるビーチに…なんて考えてしまった私である。
とはいえ、せっかく来たのだから楽しまないとね。
海の家でオリオンビールを購入。
ルルを肴に(?)美味しくいただいた。
1時間以上をそこで過ごし、またピタピタ歩いてホテルまで帰ったら時刻は夕方の5時。
すでに沖縄では蝉も鳴いている。
汗をかき、くたくたになって荷物を置いたら、案の定ルルは
「もう、国際通りには行かない。」と言い出した。
うん、知ってる、もう疲れたんだよね。
想定内の答えに翌日早めにホテルを出て空港でお土産を買おうと打ち合わせて、晩御飯を食べに行くことにした。
せめてソーキそばは食べないと!
ソーキがほろほろで、超おいしい!
汗をかいて疲れているからか、塩気のきいたお出汁も最高にうまい!
と言うか…沖縄の料理レベル上がった気がする…。
お腹いっぱいのルルと私はレストランを出てホテルに向かった。
帰り道コンビニによったがそれ以外は全く寄り道なし!
ルルは疲れた、眠いを連発である。
あぁ、まだ早い時間なんだけどなぁ…。
ネオンの光に後ろ髪ひかれつつ、とりあえずお酒を買ってホテルに戻った。
室内はこんな感じ。
窓が少なく静かで眠りやすかった。
ユニットバスは小さいので、ルルは色々と体をぶつけた。
そのたびに笑いながら出てくるのだが、やっぱり体の大きなルルには不便だったことだろう。
翌朝。
早めにホテルをチェックアウトし、空港で沢山のお土産を買った私。
行きよりもずいぶん安心した気持ちで搭乗口に向かい、念のための安定剤を服用。
ずいぶん旅慣れた気がする…。
と言うか、ボケてんじゃないかと我ながら不安になるほどの方向音痴がスマホ様のおかげで無事に迷うことなく目的地に着くことができた。
ささやかなスキルアップに感涙である。
送迎車内から撮影。
沢山の飛行機の間を縫って、目的の飛行機に搭乗する。
飛行機内から沖縄の町が見える。
短い間だったけど、(私は)楽しかったなぁ…。
さよなら沖縄~。
サービスキットカットが配られた。
こうゆう小さなサービスが妙に嬉しい、この閉鎖空間である。
神戸は弱い雨…とのアナウンスがあり、言葉通り神戸に近づくにつれ雲が増えてきた。
沖縄とのギャップがすごい!
まさに曇天。
おまけに寒いよ~。
あっという間の1泊2日だった。
何か、色々勉強になりました…。
神戸に着陸。
現実に戻るときが来たなぁ。
持ち帰ったお土産は山ほど。
ルル、一緒に食べようね…。
帰ったその日のうちに、沖縄風炊き込みご飯「じゅうしい」を作り、沖縄そばをいただいた。
美味しい!
やはりクオリティが上がっている気がする。
ちんすこうも、紅芋タルトも、頑張ってカバンに詰め込んで歩いたよ!
余韻を楽しみつつ味わった。
そして、それとは別に、後日郵送でフルーツ類が届いた。
両親にも果物などを送った。
時間がないながらも、色々と買う事が出来て一応に満足…。
ソーキ汁のレトルトなんて買ってしまった。
どんなお味か、楽しみである。
ジーマミー豆腐や、スナックパイン。
こいちゃんがリクエストしたものはほとんど買った!
スナックパインもこいちゃんのリクエスト。
食べることに興味のあるこいちゃんのリクエストは叶えてあげたくなってしまうのだ。
短い時間だったけれど、沖縄を満喫できた?ので本当に良かったと思う。
おまけに飛行機も克服できたし、道にも迷わなかったし…!
暑くてびっくりした、一泊二日のドタバタ旅行であった。
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