天神様、新たな試み

天神様、新たな試み


天神様（菅原道真）は今までも何体か制作を行った経験があります。

私が修行を行った富山県は第一子の男の子（長男）が生まれると天神様を奉る習慣があります。

昔から北陸全土にその様な伝統が今でも続いているのです。

それは、かつて北陸を納めていた前田利家の先祖を菅原道真としていたからと言われております。

又、学問の神様でも有名であり長男に賢くなってもらいたいと言う願いも込められているからです。

そして、新たな試みとは、通常高さが30㎝以上の大きさを制作することが多いのですが今回の天神様は今までとは違いとても小さく全体の大きさが約２寸(6㎝)程の大きさしかありません。









携帯電話の半分ほどのサイズで制作致しました。



小さいからと言ってシワや形を省略せずに大きい天神様と同じような細工を施さなければいけないためとても細やかな神経を要しました。

特に髭や眉毛、髪の毛、顔の表情にはとても神経をくばりました。

像がここまで小さいと、逆に手間が掛かります。




この天神様は中目黒にある、新しい工房での制作だったためとても印象深い作品となりました。

別な意味でも新たな出発の意味をこめ新たな試みとさせて頂きます。

世代に囚われず、中目黒を拠点に仏像彫刻の素晴らしさや楽しさを多くの皆様に感じて頂けるように配信してまいりたいと思います。

又、気軽に立ち寄れる空間にしていきたいと考えておりますのでお気軽に足を運んでみて下さい。

今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　佛師　紺野慶